FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

第60段:百姓仕事はつらい

労働者の作業環境という観点から農作業を見てみましょう。
稲の取り入れの時期には一俵30キログラムの米を担いでおられます。
一般の工場労働者は30キログラム以上の重量物はクレーンで移動させますが、農作業では足場の悪いところで、高齢者がこの作業に従事しています。

以前、三菱自動車・水島製作所(正確な名称を忘れましたが、自動車工場です。)を産業医の研修で見学した際に、「30キログラムの部品を持たせると腰痛が発生するので25キログラム以下にしていますが、それでも腰痛が発生するのでもう少しクレーン作業を増やすか、部品を軽くしなければ行けない。」というような趣旨の話を聞いたことがあります。

工場内という比較的環境の優秀な場所ですら軽くしようと考えておられるのに、農業従事者には労働組合がなく産業医もいないので重労働を強いられています。
農家の方に「一俵を20キログラムにしたら?」と話しましたら「それは嬉しい話ですね。
でも、そんな話は上が聞いてくれない」とのお答えでした。
米俵を1俵20キログラムにしてもらえば、かなりの農業をする人の腰痛からの解放につながると確信しています。

ついでにもう一つ早場米を作らせることにご熱心な方々へ益田市のかなりの田圃は8月中旬から稲刈りが始まりました。
お盆休みの最中からです。
熱い時期に稲刈りです。34~35℃の気温の中で直射日光にさらされ疲れないはずがありません。
今年も「夏ばて」の方が多かったのです。
労働省は労働者の快適職場を実現するように働きかけていますが、農業の実態を見るとどこが快適なのかと目を疑いたくなります。

稲のイモチ病が発生する前にとか、台風に稲を倒されないように、早く新米を出して値段の高いところで勝負させようとするなど様々な戦略があるのでしょうが、働く人たちに優しい農業にはなっていないようです。

ついでに一言添えると、消費者のための無農薬のためにどれほどつらい作業をしているか消費者は知っているのでしょうか?

おいしいお米を端境期に供給することも農業の戦略として必要でしょうが、農業従事者を大切にする戦略も必要ではないでしょうか?
多くの農作業をしている方々が、最近の作業は「きつく、つらい」と言われます。
農業従事者の高齢化も原因の一つでしょうが、高温環境下での作業が増えたことも原因だと思います。
お盆のころは熱くて仕事にならなくてお休みしていたのが日本の風土です。
その時期に忙しく働かせるのはどうかなと思います。
米も作るが病人も作る農業には未来はないと思いますよ。

快適な農作業環境を考えて見ませんか?
「待合室のおしゃべり」コーナーでご意見をお待ちします。
スポンサーサイト

第59段:子供のおもちゃは清潔ですか?

おもちゃの材質はプラスチック、木、布などさまざまですが、おもちゃの清潔について考えたことがありますか?
おもちゃを清潔にする目的は感染予防です。
赤ちゃんは握り玩具に限らず、何でもしゃぶったり、なめたりしていますね。
このしゃぶったり、なめてりして唾液で汚れたおもちゃをそのままにしておくと、おもちゃに細菌がつき唾液や手垢を栄養分として繁殖します。
そのおもちゃを次の子供が使えば「病気がうつった!」となるわけです。

細菌が繁殖する条件には湿度、栄養、水分などがありますが、繁殖を防ぐために必要な項目をあげてみます。

1.洗えるものは流水下で洗う。

2.丸洗いできないものは、水拭きできれいに拭く。

3.洗うことも拭くこともできない材質のものは、汚れをよく日光に当てる。

消毒は必ずしも必要ではありません。
(消毒液を使ってもらうと、何となく濃いほうが良く効くと錯覚されてだんだん濃い液を使用されるようになり、やがては皮膚炎で受診される方をしばしば経験します。規定の濃度を正しく守って下さい。)

日常のおもちゃの清潔は、洗う、拭く、日光に当てるで十分です。

(保育園保健ニュース平成10年4月20日から)

第58段:漢方薬の副作用

漢方薬の副作用で一躍有名になったのは慢性肝炎に多く用いられた小柴胡湯(ショウサイコトウ)です。
間質性肺炎(カンシツセイハイエン)という病気を引き起こし手当が遅れると死亡するという副作用でした。
このような副作用の最初の報告は1989年に1例目が報告され1996年には報告88名死亡者10名でした。
しかしこの薬を飲んでいた患者さんの数は100万人から200万人と推定されており発症率は88ppm因果関係が推定できたものでは33ppm程度と言われています。
(1ppmとは100万人に使用して1人が発病するという確率です。)
インターフェロンは500ppmですし、ブレオマイシンという薬では100,000ppm(つまり10人に1人が病気になる。)です。
ですから薬の専門家の間では現在使われている薬物の中で、最も安全性の高いものの一つであろうと考えられています。
そのような薬をどうしてあのように騒いだのかマスメディアの方々の良識を疑います。もちろん漢方薬にも副作用はありますし、慎重に使用することは当たり前の話です。

実は私も小柴胡湯の成分を含む柴苓湯という漢方薬で間質性肺炎を起こさせた経験があります。
投与開始後、数週間で咳が出始めたのでレントゲン写真を撮影し間質性肺炎の陰影を認めたので直ちに薬を中止し経過を見ました。
4週間ほどできれいに治り全治しました。運が良かったといまでも思います。

第58段:漢方薬の副作用

漢方薬の副作用で一躍有名になったのは慢性肝炎に多く用いられた小柴胡湯(ショウサイコトウ)です。
間質性肺炎(カンシツセイハイエン)という病気を引き起こし手当が遅れると死亡するという副作用でした。
このような副作用の最初の報告は1989年に1例目が報告され1996年には報告88名死亡者10名でした。
しかしこの薬を飲んでいた患者さんの数は100万人から200万人と推定されており発症率は88ppm因果関係が推定できたものでは33ppm程度と言われています。
(1ppmとは100万人に使用して1人が発病するという確率です。)
インターフェロンは500ppmですし、ブレオマイシンという薬では100,000ppm(つまり10人に1人が病気になる。)です。
ですから薬の専門家の間では現在使われている薬物の中で、最も安全性の高いものの一つであろうと考えられています。
そのような薬をどうしてあのように騒いだのかマスメディアの方々の良識を疑います。もちろん漢方薬にも副作用はありますし、慎重に使用することは当たり前の話です。

実は私も小柴胡湯の成分を含む柴苓湯という漢方薬で間質性肺炎を起こさせた経験があります。
投与開始後、数週間で咳が出始めたのでレントゲン写真を撮影し間質性肺炎の陰影を認めたので直ちに薬を中止し経過を見ました。
4週間ほどできれいに治り全治しました。運が良かったといまでも思います。

第57段:子供と老人の体温調節

夏場の診察室で交わされる会話で多いのが「冷房はしないで、自然の風が体にいいのでしょ?」と話されるあなた、「そんなの嘘です。エアコンを使って快適な環境で子育てをしたり、老人を看てあげて下さい。」とお願いしています。
子供や老人は未熟な身体や老化した身体のため体温の調節機能が大人に比べ働きにくいのです。
昔の生活といまの生活は大変な変わり様です。
昭和の常識は平成には通用しません。

子供の体温調節能力が一人前になるのには約3年かかります。
ですから3回目の夏、3回目の冬までは積極的に冷房、暖房を利用したほうがよいでしょう。
体を鍛えるという信念で育児をされていますが、満3歳からでも早すぎると思います。(小学校の3~4年生ぐらいまではスタミナをつけるようなことを目的とした運動は必要ありません。楽しくリズミカルにバランスをとることを目標にしています。)
昔の家は風通しが良く壁が熱くなかったのです。
今は断熱材の多い壁ですので、一旦熱くなるとなかなか冷えません。
ですから冷房、暖房が必要になるのです。

冷暖房のときに気をつけたいのは穏やかな調節です。
部屋の空気を暖めたり冷やしたりするのではなく、部屋の壁や床を暖めたり冷やしたりすると快適な室内環境になります。
部屋の中での暑さや寒さは、壁や床の温度が問題なのです。
(床や壁からの赤外線の量に相関しています。)

夏の冷房も25~26度以下にする必要はありません。
冬の暖房も25度を超える必要はありません。
洋服で調節し外の気温とあまりに違い過ぎる室温の調節はよくないでしょう。
寒すぎるのも、暑すぎるのも体力を消耗します。
暑いところに閉じこめておくのが体力をつける方法なら、「夏ばて」などは存在しません。

第56段:シートベルトしていますね

自動車に乗っているときは必ずシートベルトを装着していますね?
正しく腰の骨にベルトが来ていますか?
肩の鎖骨という骨にベルトがふれていますか?
シートを倒していて胸とベルトの間に空間が出来ていませんか?
おへその上にシートベルトが掛かっていると事故を起こしたときに内臓破裂を起こして死んでしまいます。
シートが倒れすぎていると身体がベルトで固定されないためにシートベルトで首を絞めることになり死んでしまいます。もう一度シートベルトの装着の仕方を点検して下さい。

信号待ちなどで周囲の車を見ていると命綱のシートベルトが「命取り綱」や「死いとベルト」になっているのを見かけます。
道具も正しく使えば役に立ちますが、誤った使い方は死を招きます。
エアバッグも万能ではありません。
シートベルトも正しく使用しないと意味がないことをもう一度確認して下さい。

後部座席の乗員もシートベルトをして下さい。
後部座席の乗員がシートベルトを装着しないでも怪我をしないとか死亡しないということはありません。
チャイルドシートも正しく後部座席で使用して下さい。
車の事故で怪我をしたり死ぬのは本当に残念です。
助かる方法があってそれを使わないという手はないでしょう、時間も掛かりません面倒だと思わないで下さい。
それが車を利用する時代の常識だと思います。

救急医療を担当する友人の医師からの話でした。

第55段:どんな死に方をしますか

第51段で日本人の死因について書きました。
死に方にはいろいろありますが
「がんは痛そうでいやだ」
「ぼけるのは迷惑を掛けるから避けたい」
「突然死ぬのでは最後のお別れが出来ないから困る」
などといろいろ意見があるようです。

「がんなら人生の後始末をしてみんなに最後のお別れをして死ねるから良いでしょう。麻薬で痛みのコントロールをしてしまえば、あとは死の恐怖との戦いですが・・・」
(私の父はがんで死亡しましたが、葬式に使用する写真まで指定して死にました。)
人生の後始末の大半は済ませていましたが、死の恐怖からは逃れることが出来なかったようです。
今にして思えば精神的なケアを十分にしなければならなっかったのでしょう。
私に対しての最後の言葉は「苦しい・・・楽にしてくれ」でした。
(酸素マスクの中からの小さな声でした。)

その後の診療の中で死の恐怖を乗り越えたと思われる患者さんに何度か巡り会いました。
「先生死ぬことが怖いと思わなくなったよ」と話された前立腺癌末期の患者さん。
「十分していただきました。もうこれ以上私を生かしておくことで、私を苦しめないで下さい。治療は終わりにして下さい。」と話され1時間後になくなられた患者さん私の評価が甘いのか? 雑な経過観察か? 過大な評価か? ここを読んで様々なお考えがあるでしょうが、最後は眠るように安らかでした。
「がんで死ぬのも悪くない」と考える理由がここにあります。

ぼけて死ぬのもいいですね。
だって死の恐怖を理解できない状態ですから。
他人に迷惑を掛けているなんて、あとで正気に戻ったら大変な騒ぎですがそんなことがないのが痴呆です。
酒によってグデングデンになってなんにも覚えていない状態であちこち騒ぎ回っている状態と同じように見えます。
その場その場はちゃんと思考しているようでも実際はめちゃくちゃですね。
あの状態ですから家族にごめんなさいといえるわけがないですよ。
死の恐怖がなくなるという点では「ぼけてしまうのはいいですね」もちろん介護される家族の方々や周囲の方々の労力が大変なことは十分承知しています。
(我が家にもかつて痴呆症の家族がいました。)
でもあえて書きました。

突然死んでしまうのもいいかもしれません。
自分自身がとんでもない状態になると気が動転して正確に状態を把握できない内に死んでしまいます。
すごい怪我でも怪我した瞬間よりも病院で治療を受けてからのほうが痛みを強く感じませんか?
発熱したときでも熱を計って予想以上に発熱していたらつらいのがひどくなった経験はありませんか?
家族には最後のお別れが出来ませんが、本当に死ぬまで手を握っていてもらえますか?最後の時は集中治療室の中だったり(家族は外に出さされていたりして)朝気付いたら、亡くなっていたりとかいうこともしばしばです。
「みんなに見守られて息絶えるというのはそう多くないのではないですか?」
突然訪れる死は、みんなに迷惑ですが、本人には状況が理解できないままというのも悪くないかもしれません。

人間一度は死にますが、その方法は選ぶことが出来ません(自殺を除きます)。
私はどんな死に方をしたいかを考えても無駄だと考えています。
曹洞宗の禅僧「良寛」は江戸時代の三条大震災のときに書いた見舞い状に
「災難に逢う時節には災難に逢うがよく候う、死ぬ時節には死ぬがよく候う、是はこれ災難をのがるる妙法にて候う」
と書いています。

あなたはどうお考えですか?

第54段:睡眠薬は・・・・・といわれる方に

睡眠薬や睡眠導入剤、精神安定剤などといわれる作用を持つ薬のグループは一般の方には誤解の多い薬です。
これらの薬は
「癖になる」(多分、習慣性があるとか、依存性があるとかいう意味でしょう)
「飲み出すと次第に量が増えてきて身体に毒だ!」(薬物耐性を指してのことだと思います。)
などといわれますが、本当にそうでしょうか?

ある研究によれば精神分裂病に使用される薬の50分の1~100分の1の強さの薬だともいわれています。精神分裂病の患者さんは薬を20年も30年も続けて飲まれますが、ほとんど副作用などはありません。
そのような薬よりもはるかに弱い薬(ベンゾジアゼピン系の薬剤と専門家は呼びます)を飲んで副作用を心配するのはいかがなものでしょうか?

眠るためにアルコールを飲まれる人もありますが、普通の睡眠導入剤や精神安定剤(ベンゾジアゼピン系など)なら薬のほうがアルコールよりも身体にたいする悪影響が少ないことが知られています。薬の副作用を怖がってアルコールで睡眠を誘っていませんか?
身体にはアルコールのほうが毒になります。

眠るための薬の投与終了時期は患者さんが自然に飲むのを忘れるようになったときです。
薬のことを気にしたり、薬を飲まないと眠れないと思っているときは、その考えが出ることが睡眠のための薬が必要な症状だと考えて下さい。
睡眠のための薬のことが頭の中をよぎるときはまだ薬が必要なときです。
医師の睡眠障害の治療の終了時期は薬を使用しないで安定した眠りが得られる時期です。患者さんのあなたが医師の仕事をしないで下さい。
(あなたが勝手に薬物療法の終了時期を決めるのは越権行為です。)

第4段でも薬は生活補助具という話を書きました。
ある患者さんに「眼鏡が必要な人は目が悪くて眼鏡を掛けることで目の健康な人と同じ生活ができるのです。あなたは睡眠薬という道具を身体の内側に付ける、つまり薬を飲むことで睡眠不足から解消され健康な人と同じ生活が出来るようになると考えて下さい。」と話しました。「あっ」と声を出され「有り難うございました。そう考えればよいのですね」と話され安心されたようでした。

第53段:お医者さんに怒られた

医師の中にはすぐに怒る人、いつも笑顔の絶えない人など色々な方がおられます。
私はどうでしょうか?

最近「松本先生は昔は笑顔で話を聞いてくれていたけれど、この頃はよく怒っていて怖い」といわれることがあります。
そういわれてみると「ちょっと怒る回数が増えたかな?」、何度も同じことを聞かれたり(数年間、通院している患者さんで、月に4回以上来院している方が「毎回同じこと」を聞かれると声を荒げたくなるのです。

本当に毎回話の終わり頃には「先生よく説明してもらって分かりました。有り難うございました。いつもご迷惑ばかりおかけして申し訳ありません。」と話して帰った患者さんが、1週間後には「腹痛の原因はなんですか?何か悪い病気があるのじゃないですか?」と聞いてくるのです。

「先月、消化器内科の先生に精密検査をしてもらって過敏性腸症候群といわれてきたでしょ。?どんな病気か覚えていますか?」
「忘れました。よく説明をしてもらって分かったつもりで帰ったのですが、痛くなったら又悪い病気じゃないかと不安でして・・・・」
「だから、腹痛はあっても心配はいらないとお話ししたでしょう。以前よりも少しずつ腹痛の回数も減っているでしょ?」
「でも時にはおなかが痛みます。・・・・・」
「一度には治りませんよ・・・・」。

こんな会話を毎週してみて下さい。
患者さんは不安も分かりますが、同じ日に同じ説明を2度も3度もさせられます。
私も初めは初めて聞く振りをして聞いていますが、4回目あたりになるとやはり怒りが出てきます、「何度説明したらいいのですか?」という言葉が出るともうおしまい、怒りまくってしまいます。

「仏の顔も三度」ですよ5回も6回も笑顔を続けられません。
理解していないのに理解したように口を合わされるとつい理解されたと錯覚します。
そこが私の未熟さの現れです。

「仏の松本先生になりたいですね」

第52段:がんと生活習慣

がんは生活習慣関連病として考えられています。
発がんモデルの一つに多段階発がんモデルというのがあり、「がんは遺伝子に多段階におきた変化が集積された結果発生する慢性疾患」と理解されています。

「がん遺伝子」「がん抑制遺伝子」「がん関連遺伝子」などの変異を促す要因として「喫煙が30%」「食生活が35%」「感染症が10%」ほど関与していると考えられています。

「がんとタバコ」についてみてみるとタバコを吸う人も、タバコを吸う人の周辺の人もがんになる危険性が高いのは有名な事実です。

日本人の男性の喫煙率は1966年の84%をピークに漸減し、1997年には58%にまで低下しました。
74歳以下の年齢層で肺ガンの増加率が鈍化してきていることと関連がありそうです。喫煙者は非喫煙者に比べ5~20倍肺がんに罹患しやすいようです。
咽頭・喉頭がん、食道がん、胃がん、膀胱がんなどの可能性も高まります。

「食生活とがん」については高食食品と胃がんの関係では1.2倍~3.1倍高まると考えられていますが、果物や野菜を多く食べると胃がんになる確率は下がります。
(肥り過ぎや糖尿病に注意)

高脂肪食は大腸がん、乳がん、前立腺がんなどの増加と関連していると報告されています。
(摂取カロリー数が増加したので結核などの感染症で死亡する人が減ったのも事実です。)

1950年には日本の1人1日あたりの脂肪、食物繊維の摂取量はそれぞれ18グラムと23グラムでしたが、いまでは、60グラムと16グラムになってしまいました。
大腸がんの増加も食物繊維が減ったことと関係があるのではないかと考えられています。

「感染症とがん」についてはB型、C型肝炎ウイルスと肝がんなどが有名です。
子宮がんや白血病の中にもウイルスで感染を起こすことでがんになる場合もあります。
生活習慣とがんも関連がありますので、危険な生活習慣は避けたいものですね。

第51段:日本人の死に方

日本人の死亡統計をみると死因の第1位から第3位までは生活習慣病に関係したがん、心臓病、脳卒中です。では4位以降はどのようなものでしょうか?

第1位 がん(悪性新生物)--------------------------28.5%
第2位 脳梗塞、脳出血、くも膜下出血など(脳血管疾患)--15.9%
第3位 心筋梗塞、急性心停止、不整脈など(心疾患)-----15.1%
第4位 肺炎--------------------------------------8.6%
第5位 交通事故死、労災事故など(不慮の死)-----------4.9%
第6位 老衰--------------------------------------2.3%
第7位 自殺--------------------------------------2.3%
第8位 肝硬変、肝炎など(肝臓癌を除く肝疾患)----------1.8%
第9位 腎不全(腎癌を除く)--------------------------1.8%
第10位 糖尿病-----------------------------------1.5%
(糖尿病だけが原因で死ぬ人は少ない悪性新生物や脳血管疾患、心疾患が死因になる)

です。不慮の死は4.9%ですから約20人に1人の割合です。
自殺も2.3%ですから約50人に1人以上の割合になりますね。

第50段:生活習慣病 その2

日本人の3大死因は、がん、心臓病、脳卒中ですがその原因には生活習慣といわれるライフスタイルが大きく関与しています。

この生活習慣病の原因にはライフスタイルが60%、環境因子が20%、遺伝因子が20%前後を占めていると言われます。米国のカリフォルニアでのブレスローらの追跡調査では

1.適正な睡眠 
2.禁煙 
3.適正体重 
4.適正な飲酒 
5.運動 
6.正しい朝食 
7.無間食

の7つの健康習慣を守っている80代の高齢者の健康度は、全く守っていない30代の成人の健康度と同じと結論されています。

最近の様々な研究からこれらの生活習慣を是正することがより効果的で、経済的であることが分かってきました。

「集団の健康教育」から「個別の健康相談」に保健対策も変化しています。個人個人の生活やものの考え方を重視し、尊重する傾向です。

しかし「生活習慣を直せば、病気にはならないし、医者にみてもらう必要もないよ」というつもりはありませんし、そのような誤解に陥らないようにして下さい。
医師の仕事も「できあがった病気を治すという感覚から患者さんの身体のリスクを管理する感覚」に移行しつつあります。

そぞろごとの中でふれている話は生活習慣に関係していることが多いのもこのためです。
今後もご期待下さい。
(この段は埼玉医科大学教授 和田攻先生の文を参考にしました。)

第49段:プライマリケアフィジシャンその2

しつこくて申し訳ありません。
念のため学問的な言葉だけ紹介しておきます。
プライマリケアの核として考えられているものには

1.全人的な把握 
2.身近さ 
3.健康問題の発生時点での把握と解決策の検討の3点が初期診療の充実という項目で掲げられていて、継続医療の体制確立という項目では

1.生涯を通じてのケア 
2.健康・体力つくりから疾病予防、早期発見、早期治療、社会復帰、救急医療に至る一貫性 
3.チーム医療 
4.責任体制の確立 
5.地域医療へのアプローチとなっています。

私が父の診療所を継承したときある男性から「あんたが松本医院でワシを診てくれる4人目の医者じゃ」と話されました。
人の一生を診るのは長い年月を要するものです。
医師が1人で「僕が貴方の主治医です。」と偉そうに喋っても患者さんや家族にとっては多くの医師の1人なんだということを印象づけられました。

医師だけが不老長寿で診察が出来るわけではありません。
「私の身体は先生にお預けしてあります。」等と話されるかたもありますが、勝手に預けられても困ります。
人生の間には就学や就職あるいは転勤などで生活の場が変わることが多いのです。
それぞれの場所で貴方と馬の合う(フィーリングのよい)医師とお付き合い下さい。

「うちの患者だ」なんて患者さんを私物化される医師も時におられますが、貴方の身体です。
「うちの家は全員あそこの先生」などとホームドクターという言葉にだまされていませんか?

患者さんの受診状況の調査によれば、1人の患者さんには平均3人の主治医がいるという結果が出ています。
血圧の件はA先生、婦人科の病気はB先生、耳は耳鼻科のC先生、痔はちょっと遠くのD先生、すべてを知っているのは自分だけ(保険証には記入がありますが)お薬ももらう薬局が当然違います。
自分のすべてを他人に知られるのはいやですから、そういう行動がすべて悪いとは言いません。

貴方の人生ですから。

相談されれば貴方の意思を尊重したお答えになるでしょう。
もちろん医師には守秘義務という患者さんの秘密を外には漏らしてはならない義務がありますので心配しないで下さい。

第48段:プライマリケア・フィジシャン

プライマリケア・フィジシャンという言葉をご存じの方がどの程度いらっしゃるでしょうか?
プライマリケアという言葉も理解できませんね。
いろいろ議論されましたが、日本プライマリケア学会がいまだに日本語になっていないのは適切な日本語訳がないからです。

家庭医とか、かかりつけ医とか、ホームドクターとか、第1次医療とかいろいろ考えられましたが、やはり良い言葉が見つかりませんでした。
一人一人の健康問題や家族の健康問題なども含め幅広く相談にのり、適切な回答を引き出してくれる医師そして病気の初期から死に至るまでの人生の中で適切に対応できること(必要が有れば専門医や専門病院などと連携をとること等が含まれます。)簡単に言えば「あの医師を頼りにしていればほぼ心配ない」といえるような医師のことと考えられても良いようです。

浅く広く知識を持っていて貴方の身体や心の問題で適切な回答をしてくれたり、満足のゆく治療をしてくれる人という意味です。
専門性を追求すること「深く狭く」もすばらしいことですが、「浅く広く」というのも結構難しいものです。
気が付くと「浅く狭く」になっていたなんて笑い話にもなりません。
「広く深く」は理想でしょうが、世の中そうは甘くないのです。
この話は私の診療のあり方についてなのです。
専門はと聞かれると「なんにもできないか(内科)、子供が来たらどうしょうにか(小児科)」などと笑ってごまかしますが、プライマリケアですと話しても????なのです。

ついでながらお笑いを、「妊婦が来たら俺が父さんか(産科)?」

第47段:生活習慣病をご存じですか?

生活習慣病という概念は1996年12月に日本では厚生省から提案されました。
「食生活、運動習慣、休養、喫煙、飲酒等の生活習慣が、その発症、進行に関与する疾患群」と定義されています。具体的な病名としては、

食習慣に起因する疾患として、
   糖尿病、肥満、高脂血症、高尿酸血症、循環器病、大腸癌、歯周病、

運動習慣に起因する疾患として、
   糖尿病、肥満、高脂血症、高血圧症、

喫煙に起因する疾患として
   肺ガン(肺扁平上皮がん)循環器病、慢性気管支炎、肺気腫、歯周病、

飲酒に起因する疾患として、
   アルコール性肝疾患などがあげられています。

 (誤解のないように付け加えますが、糖尿病はインスリン非依存型に限定しています。高脂血症は家族性のものを除外します。循環器病は先天性のものを除外します。大腸癌は家族性のものを除外しています。)

以前は成人病と名付けていた疾患群です。これらの疾患の発症には遺伝子の因子も関与があることは周知の事実ですが、生活習慣を是正することで発症を遅らせたり、予防的な効果が期待できるとされているようです。

世界的に見ても同様な考え方をしているようで

フランスではmaladie de comportement  生活習慣病
アメリカではchronic disease  慢性疾患、
ドイツではZivilisationskrankheit  文明病、
スウェーデンではvalfards sjukdomar  裕福病
イギリスではlife-related disease またはchronic degenerative disease
生活習慣病または慢性退行性疾患、などと名付けているようです。

「自分の人生だから自分の好き勝手でやるから酒の量とかタバコや毎日の運動習慣、果ては食事の内容にまでぐちゃぐちゃ介入して・・・」と反論があるのは十分承知しています。
医師の仕事も「治してやる」という感覚から「貴方の健康管理の相談役」となる傾向です。患者さんのリスク管理をさせて戴くのが21世紀のプライマリケア・フィジシャンでしょう。

第46段:やっぱり痛い

血液検査のための採血といわれて喜ぶ人はそう多くはないでしょう。

採血の不安と痛みについてこんなレポートがありました。
杏林大学医学部付属病院中央臨床検査部の江上静子さんの研究です。
(500人の患者さんの採血時のあんけーとけっかです。)

採血する前に「痛くはないか」と不安感のある人はおよそ5人に1人、「そんなに血を採られても大丈夫か」という採血量に対する不安感がある人は7人に1人、採血行為に不安を抱くのは男性に比較して女性は2倍という結果です。
採血時に痛みを感じますがその痛みが「やや強かった」と感じる人はおよそ10人に1人でした。

採血中に気分が悪くなる人は20人に1人ぐらいですが、比較的若い男性に多いようでした。自分が何度か採血されていて自分の採血は比較的難しいのではないかと思っている人は4人に1人ぐらいいるようです。

採血される血管と痛みについては「尺側皮静脈部」(手のひらを上にして拳を握り前に出した腕の内側)が「とう骨皮静脈部」(手のひらを・・・・腕の外側)よりも3倍痛みを感じる割合が高いことが分かりました。

ここからは私の印象ですが、注射の針や採血の針は刺すときよりも抜くときのほうが痛いようです。
抜くときにさっと針が抜けると痛みを感じる度合いが少ないようです。第40段でも書いていますが、リラックスしたり、息を吐き出しながらも痛みを和らげる方法です。

職員にも患者さんがいやがることを医療という目的のためにせざるを得ない、「いやなことをしてごめんなさい。」という気持ちで採血や注射をするようにと話しています。

「患者さんにとってつらい行為や、いやな思いをさせることが多い医療の現場です。
一段落したら患者さんに我慢をしていただいたことへの感謝とねぎらいの言葉をかけるように」と話していますが、実際に受診された方々にはどのように見えているでしょうか?

第45段:モルヒネという麻薬の使用

エンドルフィンの話に出てきたモルヒネという麻薬は日本での使用量が非常に少ないといわれています。
ガンの痛みの治療には欠かせないものですが、偏見があるのかあまりつかわれていないようです。私の診療の中でも必要なときには積極的に使用しているつもりですが、現在使用中の患者さんはいらっしゃいません。

国際麻薬統制委員会(INCB)の麻薬の使用に関する報告によれば主要国の麻薬の消費量は(1日あたりモルヒネ使用量g/100万人という単位ですが単に数字の比較で見てください。1995年の集計です。)イギリスが84.7、オーストラリアが83.0、カナダが77.9、アメリカが51.6、フランスが32.3、ドイツが18.8、日本が8.3、ロシアが2.9、イタリアが1.6です。

WHO(世界保健機構)の薬物依存に関する専門委員会は麻薬等の医療以外使用の防止策を求める一方で、医療上の必要性を認める患者さんへの積極的な使用を勧告しています。

1993年の薬物依存に関する専門委員会の報告書には「麻薬の使用に関するINCB報告では、いくつかの区にでは、麻薬の医療上の適正使用の推進がはかられているが、麻薬の適正量を投与することに医療関係者が積極的でないため、患者が本来取り除かれるべき疼痛に苦しめられている国が未だに多数ある」と記載されています。

日本の使用量はイギリスやオーストラリアの10%以下ですからまだまだ使用量が少ないのです。

「ガンで死にたくない」とおっしゃられる患者さんが多いのですが、その理由のほとんどが「苦しむ」、「痛い」というような理由を話されます。

モルヒネを積極的に使用することでかなり改善されることを覚えていてください。

第44段:大安に退院するのが常識?

東京の東邦大学医学部付属大森病院で調査した結果、大安の退院が多く仏滅の退院が少ないとの結果が出たという話です。
大学病院ですからあまり患者のわがままは通らないだろうと思っていましたが、結果はそうではありませんでした。

まず入院や初めて受診する日には先勝、友引、先負、仏滅、大安、赤口の六曜との間には関連性がありませんでしたが、死亡退院と転科退院を除いた
78,259件の退院者の内
大安の退院者は15,956件、
仏滅の退院者は11,366件でした。

他の日は12,000~13,500前後で明らかに大安に多く、仏滅に少ないことが解りました。
しかも大安の退院者は仏滅の退院患者よりも平均入院日数が9日間も長くなっていて、仏滅以外の退院者よりも5~6日長くなっていることが解りました。

医療費の無駄遣いの点から考えても退院できるほど回復していても大安まで(それも週末の大安が喜ばれる)待つというのは許せない行為だということを理解して下さい。

もう一つお話ししたいのは先勝、友引、先負、仏滅、大安、赤口の六曜が実に
単純な規則で決められていて当てにならないということです。

実は、旧暦の1月と7月は1日が先勝になるように決まっています。
旧暦の2月と8月は1日が友引、同様に3月と9月の1日は先負、4月と10月の1日は仏滅、5月と11月の1日は大安、6月と12月の1日は赤口となると決まっているのです。

先勝、友引、先負、仏滅、大安、赤口の順で変化していますから後は簡単に決まります。
ところが今の私たちは明治5年から新暦を使っていますので、月の半ばで急に順序が狂いますから何か神秘的なことを感じているのではないでしょうか。

仏滅、大安にこだわらずに生活して下さい。
理由を聞けば納得できると思います。

第43段:今年の風邪は・・・・・

今年の風邪はひどいのですか?
今年の風邪はおなかに来るのですか?
今年の風邪は治りが悪いのですか?
今年の風邪はぶり返すのですか?

毎年同じ質問が繰り返されます。
去年と大差はありません。
インフルエンザや
風邪の治療に漢方薬を用いますが、これがよく効きます。

2千年以上も前に書かれた中国の本に記載されているとおりに薬を使用すると良く治るのです。
西洋医学の薬でも良く治りますが、漢方薬の使い方は2千年以上の歴史があります。
それが現代の風邪やインフルエンザに有効だということは、インフルエンザの型が変わっても極端な治療法の変更はないということです。

そして、風邪やインフルエンザの症状や経過にも変化はそれほどありません。
インフルエンザや風邪が軽快したあとも咳や痰が続くことがあります。
必ず受診しましょう。
喘息の症状の一つだったり、肺ガン、肺結核のこともあります。

「ほとんど治った」は「まだ治っていない」ですよ。
きちんと最後まで治療して下さい。
風邪が治ったと思っても頭痛が続く場合にも副鼻腔炎(ちくのう)を起こしたりしています。
こんな所にも「風邪は万病の元」が隠れているのです。

第42段:運動中毒とエンドルフィン

エンドルフィンというホルモンが脳内に出てくると人間は快感を感じます。

逆に言えば快感を感じている人はそのときエンドルフィンが出ているということです。
ですから運動が大好きな人は運動をするとエンドルフィンが出てきますが、運動嫌いな人は運動をしてもエンドルフィンが出てきません。

運動中毒の人は運動をしないとエンドルフィンが出ないので運動ができない日はつらいのです。
仕事中毒の人は仕事をするとエンドルフィンが多く出ます。

それぞれの人がそれぞれの行動で嬉しくなったり、快感を感じるとそこでエンドルフィンが出てきますのでエンドルフィンの出方は十人十色になるわけです。

なにかに打ち込みそれが評価されると嬉しくなりその喜びがエンドルフィンを分泌させその快感を得るためにさらに仕事や趣味に打ち込むようになるのです。
「脳内革命」という本にそのようなことが書いてあったようですが、私はその本は読んでいません。

すべての行動がエンドルフィンにコントロールされているわけではありませんが、興味のある物質です。

第41段:泣くことは快感

つらい時や悲しいときにはなぜ泣くのでしょうか?

実は大声を出して泣くことは脳内のエンドルフィンという物質を増やしています。

エンドルフィンという物質は麻薬のような作用が非常に強くたくさん出ると快感を覚えます。
涙を出して大声で泣いたあとは以外とすっきりしているのを覚えていませんか?
つらい悲しみに耐えられなくなったとき泣くことでその悲しみを軽くしてくれるのです。
神様がつらいことに耐えることができるように泣かして下さるのだと考えて下さい。
泣いている最中に論理的なことを考えることはありません。
頭の中が空っぽになっているはずです。

つらくなったり、悲しくなったり、嬉しいときでも思いっきり泣いて下さい。
以外と快感なのですよ。

第40段:現場をしっかり見て下さい

注射や処置をされるとき目をつぶったり、顔をそらせる人が多いのですが、 本当は見ているほうが痛くないのです。
実は痛みを感じるときに「痛いぞ」 と身構えたほうが痛みを感じにくいのです。
処置や予防接種の時目をつぶって しまうと痛い瞬間の身構えるタイミングがつかめないために、かえって痛みを強く感じてしまうのです。
目をつぶって体を硬くしていると緊張が高まり、痛みを強く感じてしまうわけです。

息を吐き出しながら緊張できる人はまずいません。
スタッフにも「患者さんの 呼吸を見ながら息を吐き出しているときに針を刺すと痛くないよ」教えてありますが、如何でしょうか?

人間は緊張すると息を飲み込んで止めてしまう癖がありますね。
これが 緊張状態なのです。
痛い処置や採血はいやですよね。
あなたが針を刺される少し前から 息を吐き出していればいくらか痛みが和らぐのです。点滴されるとき、採血されるとき、消毒されるときなど痛そうなことをされそうなときには、息を吐き出しましょう。

痛いときに「痛い」と声を出すと痛みが和らぎます。
(息を吐き出して いますから)
でもあまりに大きい声だとちょっと変ですね。
泣くことも痛みを和らげる方法の一つなのです。
第41段は泣くことについてです。

第39段:寝る子は育つ、なく子は育つ

昔から寝る子は育つとか泣く子は育つといいますが、本当なのでしょうか?

実は成長ホルモンの分泌促進因子には睡眠と運動が含まれています。
つまりよく眠ると成長ホルモンがよく出るということですし、運動をすると成長ホルモンがよく分泌されるということです。

昔の人の観察は鋭いものがあったのですね。
その外には成長ホルモンの分泌促進因子には空腹などもあります。

赤ちゃんにとって寝返りもできないころの小さな赤ちゃんの運動は実は泣くことなのです。
泣くという行為は大きく息を吸い、大声で声を出しますから呼吸運動としても立派なものです。
ある程度赤ちゃんも泣かせて運動させることでお腹が減って食欲が出るのです。
このためたくさん食べて大きくなるわけです。

安眠は子供の発育に有利な条件です。
ゆっくり寝かせてあげましょう。
泣くことも発育には必要な運動ですから、ある程度は泣かせた方がよいのですよ。

第38段:手はきれいですか?

風邪の予防は手洗いからと言われますが、一部にはあまり効果はないとも言われています。
うがいや手洗いが完全に予防に役立つとは断言しませんが手をきれいにすることが悪いわけではありませんので、手洗いの仕方を紹介しましょう。

1)石鹸と流水で手に泡立てる。
2)指を組むようにして両手をこすりあわせる。
3)指先をもう一方の手のひらでこする。(右・左)
4)親指をもう一方の手のひらで握るようにしてこする。(右・左)
5)手の甲をもう一方の手のひらでこする。(右・左)
6)手首をもう一方の手のひらで握るようにしてこする。(右・左)
7)全体をくまなくこすりながら流水でよく洗い流す。
8)きれいなタオルで手の水分をとる。

★長い爪や荒れた手は病原体の繁殖地です。
 爪は適切な長さにして、美しい手を保ちましょう。
★指の間もていねいに洗いましょう。
★最低でも30秒かけて手を洗って下さい。
★薬用石鹸は手荒れの原因になります。
 普通の手洗いでは使用しないほうが良いでしょう。
★かぜをひいても入浴し、皮膚に付着したかぜの病原体を洗い落としましょう。
 かぜの感染経路の半分は手からという研究もあります。

第37段:今すいていますか?

診療所に時々電話で問い合わせがあるのが「いま、すいていますか?」です。
受付けが「はい、すいています」と答えても1分後に患者さんがこられることはありません。
10分とか30分後にお見えになったとき10人以上が待っておられるという事態はしばしばです。
「うそついたね。」といわれる方がありますが、うそついてなんかいません。
あなたが来たい時間には他人も来たい時間なのです。

第二土曜日や第4土曜日の午前10時30分以降は混雑しやすいのです。
土曜日の休みの朝は、ちょっとゆっくりしてから受診しようと考えられるからでしょう。

休みの前日も込みますが、休みの翌日はもっと込み合います。
祝日の1週間前の同じ曜日と祝日の1週間後の同じ曜日も意外と込みます。

松本医院では予約で診療を受けられますのでご利用ください。
診察時間の予約は午前8時10分以降にお願いします。
前日でも2週間前でも1ヶ月前でも予約はできますが、1番最初に見てくれと頼まれてもほとんど不可能です。
夏場は午前4時ころから待っておられる人もありますから、その辺の配慮をお願いいたします。
予約の可能な時間は基本的には午前10時以降だとお考えください。

第36段:垢すりタオルで体をするのは、皮膚に鑢(やすり)をかけている

35段でもふれましたが、ナイロンやポリエステル、アクリルの繊維などの化学繊維は基本的には固い繊維で、細くすることで柔らかさを表現しています。
それ自体は問題無いのですが、繊維の固さが原因で皮膚に傷害を受ける人がいるということを知って欲しいのです。

垢すりタオルでゴシゴシ体をこすりますと垢も落ちますが固い繊維の刺激のために皮膚には色素沈着が出現し、垢を落として白い肌にしようとしたのに返って肌の色が黒くなったり、皮膚に傷をつけたりしてしまいますよ。

第17段でも書きましたが、「いたい+あたたかい=かゆい」の痛いのもとは垢すりタオルで作られていることが多いのです。

皮膚にやすりをかければ皮膚に傷がつき痛くなります。
風呂に入って体をきれいにするのなら、普通の木綿のタオルで十分です。
鑢をかけて皮膚に傷をつける垢すりタオルのご使用を控えてください。
(でもゴシゴシ垢を落とした後はなんとなくすっきりとした感じがして気持ちがいいと思うのですが・・・・・というのが本音ですよ。でも背中は泣いてますよ!ほんとうに)

第35段:ティッシュペーパーは固い、木綿の布は柔らかい

風邪の季節、鼻を何度もかんでいると鼻の下が赤く肌荒れを起こしますよね。
ティッシュペーパーはパルプですよパルプの原料は木です。

そうですティッシュぺーパーで鼻の下をふくのは木のへらで皮膚を引っかいているのに等しいと思っていてください。
顕微鏡的に見ればセルロースのかたまりの繊維の集団ですから意外と固いのです。
木綿の繊維は柔らかく木綿でかぶれたという報告はまだないようです。
ただしデニムは素材が木綿ですが、織り方が固いので若干問題になります。

ついでながら化学繊維についても触れておきます。
化学繊維の柔らかさは繊維の細さによるもので同じ太さで比べるとナイロンやアクリルポリエステルなどは木綿よりも固い繊維ですから皮膚には大敵になる場合があります。

鉄だって細くすればスチールたわしのように柔らかくなります。
化学繊維も細くすれば木綿よりも柔らかくなっているように見えますが、やはり基本の固さが問題となりますから皮膚には刺激が強すぎるのです。

第34段:朝のメイクが夕方まで持ちますか?

皮膚に塗る軟膏は1回塗ると何時間ぐらい有効なのでしょうか?

女性のお化粧は朝のメイクが夕方まで持ちませんよね。
お化粧直ししてるでしょ。

お化粧も軟膏も共に皮膚に塗っているだけですから同じことなのです。
軟膏は約6時間程度しか有効ではありません。
ですからアトピー性皮膚炎などで1日に1回しか薬を塗らないという人は、1日24時間のうちの6時間は治療しているけれども、残りの18時間は治療していないことになりますね。
(実はその18時間の間は悪化させているのです。)
24時間中6時間治療して18時間放置していて病気が治るわけがないでしょ!
お化粧直しは熱心なお母さん子どものスキンケアにも熱心になってくださいね。
1日に2~3回はスキンケアをしてあげないといつまでまっても皮膚はきれいになりませんよ!

ちなみにクリームやローションは有効時間がもっと短いようですし、よくこすれるところは軟膏でも1~2時間で有効性が消失する場合もありますので医師や薬剤師とよく相談してください。
(知らない専門家もいますので、ご注意!!)

ついでにもうひとこと、湿布や吸入器にも有効時間があります。
4~6時間しか有効でない湿布を匂いがあるからといって2日も貼っている方がありますが、有効時間の過ぎた湿布はかぶれるために貼っていることになりますのでご注意ください。
湿布を長時間貼ってかぶれた人にかぶれを治すための軟膏を処方したら1日1回しか軟膏を塗ってもらえなくていつまでも治らなかったということがありました。

こまめにスキンケアをして下さい。

第33段:あなたの予定日、私の予定日

病気になって受診するときこの病気なら1週間ぐらいで治るだろうとか、これだと5~6回通院すれば治るだろうとなんとなくイメージを作って受診していませんか、あるいは3~4回通院してみてもちっともよくならないので「ここじゃだめかな」と思ったりしませんか?
6~7回通ってもだめだと医者が信用できなくなって医者を変えていませんか?

医師が4~5回で治るか改善してくると予測しているときに、患者さんの方が2~3回で治ると信じていると、「3回来ても治らないから、よそに変わろう」となってしまいます。
怖がらずに治療の流れを医師に聞いてみてください。
「後どのくらいで体調がよくなるのですか?」とか
「いつ頃になると楽になりそうですか?」と聞けば必ず答えがあるはずです。

敏感な医師なら次のステップの医療を期待しているなと感じ取りますから新たな展開が生まれてきます。
上手に聞けば医師も気持ちよく診療を展開しますよ。
「まったく治りませんね?」とか「よそに行った方がよいのではないでしょうか?」などと露骨に聞かれればいやな気分になりますよ。

治療は患者さんと医師や医療スタッフとの共同作業です。
気持ちのよい会話と笑顔で、素敵な治療を作りましょう。
あなたの病気に対する考え方を聞かせていただくと、私の方からもあなたの病気に対する考え方を提供します。
こうして共同作業で不安のない医療を作ってゆきたいのです。

第32段:そうろう、早漏?、早老病?、糖尿病!

糖尿病といわれて何を思い出しますか?
私は「糖尿病は早く老ける病気」と説明しています。

さまざまな研究や調査から生活習慣病(成人病という表現からこの表現に1997年12月から変わりました。)の範疇に入るさまざまな病気が糖尿病の人には早く現れるということがわかってきました。

ですから暦年齢で50歳でも糖尿病の人は55歳の体力とか60歳の老化した体になってしまっているのです。
動脈硬化がどうだとか、脳卒中の発生率が高いとか、心筋梗塞になり易いとか、難しいことは話しません。
糖尿病の人はそうでない人よりも老化が早く進んでいるから、老人に多い病気が早い年齢から出てくるのだということを認識してください。
ですから糖尿病は早老病なのです。

ある調査によれば現在40歳以上の日本人の10人に1人は糖尿病といわれています。

あなたの周りの人を思い出してください。
10人で1人ですよ。
あなたが40歳以上ならあの学校時代のクラスの40人のなかにはすでに4人以上が糖尿病を発症しているのです。

糖尿病の症状は初期のうちには何もありません。
無症状なのが特徴です。
老化するのがかなり早いだけですから、老化を感じられ人はほとんどいませんよね。
先月と今月とで老化を感じますか?
去年と今年を比べてすっかり体力や気力が落ちたと感じますか?
5年前と比べればはっきりしているけれど2~3ヶ月では老化を感じることはできません。

健康診断で糖尿病が疑われたときには必ず受診をしてください。
どこも悪いと感じていないから大丈夫なのではありません。
現在の健康診断はあなたが気づく前にあなたの歪んだ生活習慣を見つけ出してしまうほど感度がよいのです。
自分の体の状態を理解して素直に病気を受け入れて歪んだ生活習慣を改めましょう。

先手必勝ですよ。
プロフィール

taijindo

Author:taijindo
島根県益田市にある松本医院(内科・小児科・アレルギー科)の院長です。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。