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第158段:痩せることと肥るのはどちらが難しい?

痩せることと肥ることでは、痩せた人を肥らせるのが一番難しいのです。
本屋さんの棚に「こうすれば必ず肥れます」というような内容の本が並んでいるのを見たことがありますか?痩せさせることは比較的やさしいので、痩せる方法を書いた本はイヤというほどあります。
(内容が怪しげなのも多いのですが。)

痩せている人を肥らせる本はほとんど成功しないために本がかかれていません。
肥った人を肥らせるのは比較的簡単ですが、痩せている人を肥らせるのは難しいのです。
「食べて寝てれば肥るよ」といわれそうですが、痩せた人は食べるのが苦手だったり、食べても肥らない体質(これを手に入れたい。)だったりでうまく体重が増えてくれません。
やせっぽちの人が確実に理想体重程度まで肥り健康な体が作れるようになる方法が見つかるとうれしいのですが・・・・・

体重の超過している方も最近の研究で、運動しても食べるのを減らしてもあまり体重が減らない体質の人がいることがわかりました。
減量にうまく反応しない人たちです。
遺伝的に体重が増えやすく、減りにくい体質の方があることがわかっています。
減量を指示されそのとおりに努力しているにもかかわらず、体重が減らないので「隠れて食べているのでは?」と疑われたり、うそをつく患者さんのレッテルをひそかに貼られていた方などがおられたようです。

現在すべての肥満の方の遺伝子解析を済ませられている訳ではありませんが、そのような場合が少なからずあるということは公表しておきましょう。
「私も痩せられない体質だから!」と勝手に宣言して努力を怠るのも考え物です。

肥満の遺伝子、痩せの遺伝子ともに解明されて健康的な体になれる生活習慣を見つけられるとうれしいですね。
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第157段:あなたの目は疲れていませんか?

眼精疲労(がんせいひろう)という言葉をご存知ですか?

読書やテレビゲーム、パソコンなどを長時間同じ距離で見つづけることで目の疲労を起こしやすくなります。
症状としては目が疲れる、ぼやける、痛む、充血する、涙が出るですが、全身症状として頭痛、肩こり、イライラ、吐き気などが起こる場合もあります。

目が疲れると眼球を強く押したりする人がいますが、この処置は目を傷つける場合がありますので目の周囲を軽くマッサージする程度で我慢してください。
目薬や蒸しタオルなどでの温湿布もあくまでも一時しのぎに過ぎません目の緊張をやわらげるために遠くを眺めたり目を閉じて目を休ませましょう。
適切な眼鏡も必要です。
他の病気の場合もありますので医師によく相談してください。

ここまで読んであなたの目の疲れは如何ですか?

人間は外部の情報の80%以上が眼から入ってくる(このデータはうろ覚えです。ごめんなさい)といわれています。
目を大事にしてください。
この段は日医ニュースの健康プラザN0.72を基礎資料にしました。

第156段:電話で失礼?

「電話で失礼ですが」と話し始める人、手紙が来るとその中に「手紙で失礼ですが」と書いてあります。
数年前には「ファックスで失礼」、最近は「電子メールで失礼」と書かれる方も多くなりました。

考えてみると失礼だらけですね。
失礼にならないのはやはり直接お伺いしてお話を申し上げることなのでしょうか。
しかし現代社会ではそんなことをしているだけ暇ではありませんね。
むしろ私などは、たいした用件でもないのに出向いて来られる方がたまにあり、自分の時間を制約されるために閉口しております。
電子メールであらかた話を進め、本当に逢わなくてはならないときに逢うことが非常に大切と感じております。

電話は暴力的で相手の都合を考えず掛けますから、トイレに入っている時でもお構いなしです。
でも用件の99%は即座に答えが必要でないものばかりです。
電子メールは便利ですがチェックをしない人がいる。
手紙も好きな時に読めるけど後の整理が大変。ファックスも手紙と同様ですが、機密保持には不適です。
いいコミュニケーションツールはなかなか見つかりません。

やっぱり顔を見ながら話すのが一番良いコミュニケーションでしょう。
テレメディスンという名前のテレビ電話などを使った医療も考えられていますが、医師が患者さんの体に手を直接当てて「手当て」をしないと本当の医療にはならない気がします。
TPOにあわせて最良のコミュニケーションツールを使ってください。
やっぱり電話が速くて便利だけど、暴力的ですね。電話といえば携帯電話、日本国中が電話ボックスになってしまいました。
マナーを守ってください。

第155段:納豆で血が固まる!?

ある患者さんから「納豆は血液が固まるので体に悪い食べ物だそうですね」と言われました。
普段から納豆などの大豆製品は努めて食べるように指導していた私ですから思わず「エッエーッ?」という声を上げ、なぜそんな言葉が出たかを考えました。
答えは2秒ほどで出てきました。
ワーファリンという薬を飲んでいる患者さんからの知識だったのです。

様々な病気で血液が固まりやすくなったり、血液が固まりやすい状態が続いていて新たな病気を引き起こしそうになっている人には、血液を固まらせないためにワーファリンという名前の薬を飲んでもらっていますが、この薬はビタミンKが沢山含まれている食品を摂取することで効力を失う性質があります。
納豆にはビタミンKが大量に含まれており、ワーファリンという薬を飲んでいる人が納豆を食べると薬の効果が失われるわけです。
納豆が血液を固まらせるわけではありません。

他の食品ではクロレラ含有食品にビタミンKが大量に含まれていてワーファリンの効果を減弱させています。
100グラム当たりのビタミンKは納豆が925に対しクロレラ含有食品は3600ですから注意が必要です。
パセリは730クレソンは390ですが、これらはいずれも一度に50グラムも食べることはありませんから安全です。
医師や栄養士、薬剤師の指導をよく守ってください。

ワーファリンという薬を飲んでいる人はケガをする可能性のある仕事や運動は避け、食生活も極端に脂肪が多い食事とか、極端に脂肪を少なくするとか毎日酒を飲んだり、一度に大量の飲酒をしたりするような生活を避けなければなりません。
またワーファリンと同時に使用する薬も、薬によって作用が強まったり、弱まったりしますので注意が必要です。
定期的に受診し、血液検査で血液の固まる力を測定し適切な量の薬を飲んでいるかどうかを確かめる必要があります。
よくご相談下さい。

第154段:優性遺伝と劣性遺伝

優性遺伝と劣性遺伝、言葉は有名ですが、本当の意味をご存知の方は意外と少ないようですね。
優性遺伝というのはその遺伝する条件に出現しやすいのが優性、出現しにくいのが劣性です。
都合のよい遺伝子が優性遺伝で、都合の悪いのが劣性遺伝と勘違いしていませんか?

例えば血液型のA型、B型はO型に対しては優性ですが、AとBでは優劣はありません。
ですから血液型がA型でも遺伝子の形式がAAの人とAOの人がいます。
ですからA型の人同士の子供でもAAの人とAAの人(男女はどちらでも関係ありません)の子供ではAAの子供しか生まれませんが、AOの人とAOの人の子供ではAAの子とAOの子とOOの子供の三種類の血液型の遺伝子を持つことになります。
どの遺伝子で産まれるかは予測できません。
4人子供が同じパートナーの間で生まれても全員がAAのこともあれば全員がOOのこともありますし、AO、AA、OO、AOとなる場合もあります。
OOとなった人は血液型がO型ですから、A型同士の親からO型が生まれることになります。

身長の低い遺伝子と高い遺伝子は身長の低いほうの遺伝子が優性遺伝です。
食生活が豊かになり様々な社会的な刺激などのために、身長で親を追い越す子供が多いのですが本来は低いのが優性遺伝です。
髪の毛は縮れているのが優勢で、直毛タイプがそれに続き、柔らかいタイプが劣勢の傾向があるようです。
劣性遺伝が現れているのは出現頻度の少ないものが出現しているわけですから貴重なのですよ。

優性遺伝の塊は特徴のない平凡な遺伝子の集合体かもしれません。
優性とか劣性とか言葉にだまされずに本当の意味を知って話をしてください。
遺伝する病気もありますが、生活習慣病などでもわかるように病気の出現には遺伝子の占める割合は少ないのです。
親と同じ病気でも、それは親と同じ食事や生活習慣のためかもしれません。
遺伝子や優性遺伝、劣性遺伝を過小評価したり、過大評価したりすることはすることは慎んでください。
正しい知識が何よりです。

第153段:話すと治る、聞かされると辛い

診察室に入ってこられた患者さん、「今日はどうされましたか?」と聞いたとたん話は延々と続き出します。
途中で話しをさえぎって「私に何を相談したいのですか?」と聞いても
「まず状況を話してからですから・・・・・・」、
「結局あなたはどうすればよいと思いますか?」と問いかけると、
再び集中豪雨のような言葉が襲い掛かり私は小さくなっています。
(身長181センチ、体重90キログラムですが、こんな時には本当に存在感のない小さなおじさんです)

10分以上同じ話を何度も聞かされ、合いの手を下手にいれると余計に喋られますが、なんとか話をまとめてみると結局、話を聞いてくれる人がいなかっただけ、本人はすっきりとして帰られました。
話を聞いてあげるだけで体の不調の訴えが治る場合が意外とあります。
こんな治療も医療のうちですが、聞かされるほうも楽じゃない後でお金がもらえるから聞いているとはちょっと不謹慎な見解ですが、無料で聞かされていたら怒りますよ。医療行為の中の傾聴ですから聴きますが・・・・・

でも聴いてあげると効果は絶大で非常に喜ばれます。
あそこで治ったと宣伝していただき更に喋りに来る人が増えたりします。
黙って座っているだけで金が入ると誤解しないで下さい。
ストレスのたまり方は尋常ではありません。

医師や学校の教員などのように対人関係の職業従事者は一般の方に比べて自殺者の割合が多い職種です。
医師の中では精神科の医師、次いで麻酔科の医師の自殺率が高いことが知られています。
ちなみに医師の中で自殺率の低いのは小児科医です。

生死を扱う職業ですし、責任は大きい割合に評価は意外と低く、そのストレスは大変なものがあります。
看護職などの医療職も同様に自殺率の高い職種になります。
「燃えつき症候群」などの言葉もあるように人を相手にしている職種はストレスがたまりやすいのです。

第152段:これも順番?

90歳の男性から「先生、順番が狂うのじゃないかと心配しました。」とぽつりと言われ驚きました。
「どうしたのですか?」と問うと
「孫の嫁が脳腫瘍で手術になりました。幸い早期に発見されたらしく命には別状なさそうなので安心しましたが・・・、私のような老人が脳腫瘍にでもなればそろそろあの世に行けていいのですが、若い孫の嫁ではあまりにかわいそうです。一時はなんとか自分と代わられないものかと悩みました。年齢の順番に死なないとみんなの都合が悪いですからね。私も何時までも生きているとみんなの迷惑になりますね。」

80歳を過ぎるとボケ症状のない方々からしばしばこのような、「順番を狂わしてはいけない。」とか
「年の順に死ぬのが当たり前、子供が親を追いぬいたりしてはいけないね」という言葉が聞かれます。
「死ぬことは怖いのですが、死を若い時ほど怖いと感じにくくなった。」などという言葉を聞きます。
訪問診療先などでごく自然にこんな言葉が聞かれます。
不思議な気がしています。
仏教のお釈迦様の教えの中にも「順番が狂うことがあるのが当たり前でその苦しみを乗り越えることが大切なのだ」というような教えがあるようです。
この当たりを救うのが宗教の仕事の一つのような気もします。

思い出してみると敬老の日が近づいたり、平均余命が発表されたりすると「まだまだ生きなくてはいけないのですか?」とか
「平均ならあと20年も生きるのですか? いい加減にしてほしい」などと言われる方が少なくないのも事実です。
本心からかどうかは不明ですが、生きることへの執着が弱くなっているのかなとちょっとばかり心配しています。

家族を看取っていても「この年ならもういいでしょう?」、
「これ以上生かしても苦しみを与えつづけるだけですから」というような声がよく出るようになりました。
医師である私にも同様の考えがあります。
一族郎党の順番が守れているのなら、病気や体の衰弱の状態を考えたとき「常に積極的に延命治療を!」という風にご家族を説得することには消極的です。

昭和44年に私の祖父の最後に立ち会った父は「医師として死にゆく人に無駄な治療をすることは、去りゆく人に石を投げつけるようなものだ、最後の最後まで人を傷つけるようなことをすることは医師の良心が許さない」と私に話してくれました。
「だから最後は何もしないで診ていたよ。それが父のやり方であり、自分のやり方でもあった。お前も医師として仕事をするならきっとそうすると信じている」と付け加えてくれました。
(ちょっと脱線ごめんなさい。)

第151段:朝の薬の飲み忘れ

10年ぐらい前から1日1回の薬が増えてきましたね。
高血圧の薬やコレステロールを下げる薬などは大部分が1日1回になりました。
そしてそのほとんどが1日1回朝食後と指示されていませんか?
本当のところ朝食後でなくてもよいのです。
お昼頃に朝の薬を忘れたことに気づいたらあなたはどうしますか?
次の服薬時間まで20時間近く空いていますから私なら飲みますね。
(事実私はそうしています。平成8年秋から高血圧の薬を飲み始めていますが、約3年半で11回の飲み忘れをしてしまいました。99.1%の服薬率です。)

出張に薬を持って出かけなかった。
朝の薬の時間に緊急の往診で飲むチャンスを失いそのまま診療開始で忙しさにまぎれ翌日まで気づかなかったりです。
朝の薬を忘れない方法は洗面所で顔を洗う時に水のそばにいるからついでに飲んでしまうという方法です。
食後などと考えているから忘れることが多いのです。
朝一番に飲まれてかまいません。夕方でも気づけば飲んでもかまいません。
でも次の回の薬の飲む時間を少し遅らせてくださいね。
時間を2日で修正してしまえばよいのです。
昼に気づいて明日の朝まで待つなどというのは血圧コントロールの考えからは勧められません。

忘れたことに気づいたらすぐに薬を飲み、次の薬の時間を調整すればよいのです。
飲まないことより遅れても飲む方が大切です。
もう一度薬剤師や医師と相談してみてください。

第150段:砂糖不使用でなぜ甘い

ダイエット嗜好からかキャンディーやチューインガムに砂糖不使用と書かれた包装を時々見かけませんか?

内容をよく見ると甘味は「水あめ」を使用していますから砂糖ではありません。しかし砂糖でなくても糖質の製品で甘く感じる成分です。もちろんカロリーもありますからカロリー制限をしている人には勧められません。

うそは書いてありませんが、その内容を知らなければカロリーが少ないと勘違いをされていませんか?
食用油でも植物性とかいてあるとなんとなく体によいのではと考え多めに使用していたりしませんか? 
上手な売り方ですから真実を理解して購入してください。

砂糖不使用の「のど飴」などと書いてあると糖尿病の患者さんなどは大喜びで風邪をひいたら食べられそうですが、普通の甘い飴とほとんど変わりがなく、病気の状態を悪化させてしまいます。
のどが「すー、すーして楽です。」と答えられますが、体は血糖値が上がってヒーヒー言っているはずです。
宣伝文句に振りまわされないで正しい知識で食品を選んでください。

人工甘味料は確かにカロリーが少なく上手に利用すると効果的です。
発ガン性を問われた時代もありますが、最近の商品はその心配がありません。
カロリーは少ないだけで全くないわけではありませんから大量使用では問題になります。
人工甘味料はやはり一時しのぎで長く使っていると本当の砂糖のおいしさには勝てず味に飽きが来ます。

少量の砂糖で薄味に慣れ、薄味の中で食品の本来のおいしさを味わう方がよいのではないでしょうか?
南米の方(ブラジルとペルー)が日本産の果物を食べて「砂糖が入っている」と驚かれた話を全く別のところから耳にしました。
日本の消費者は甘いものが大好きでお菓子や果物を甘くするとよく売れるようです。
しかし時々は砂糖の危険性も気になるため砂糖不使用に釣られているのではないでしょうか? 

あなたは甘味の少ない食品においしさを感じることが出来ますか?

第149段:注射の後の入浴、けがの後の入浴

採血や注射の後で「入浴してもよいですか?」と聞かれます。
皮膚に穴をあけていますから入浴するとそこからばい菌が入るのではないかと心配されるようですが、全く問題ありません。
ほとんどの家庭の風呂水は水道水ですからばい菌は存在しないと考えられても間違いありません。
井戸水などでも検査を受けて飲むことが可能とされる水であれば問題ないと考えます。

傷のある人の入浴も傷の周囲のばい菌を洗い流せるメリットの方が多いかもしれません。
もちろん出血していたり、傷が開いている場合には入浴は出来ませんが、傷口を縫って48時間以上経過すれば大丈夫なことが多いのです。
24時間でも傷が閉鎖していれば入浴やシャワーは可能とされる場合もあります。けがの処置をしていただいた先生に聞いて確かめておいてください。

温泉によっては傷が治るとか書かれていますが、大勢の人が入りますので、細菌の数などが家庭よりも増えることが考えられますが、温泉の成分などとの関係もあり大丈夫と答えるのにはやや疑問があります。
入浴剤についても完全に大丈夫とは言えない反面、危険だという証拠もありません。

シャワーと入浴の傷に対する影響はその差はほとんどないようですから、始めはシャワーそれで大丈夫なら入浴という考え方は必要ありません。
些細なことに気を取られず清潔を保つことを第一に考えましょう。

第148段:飲み薬の妊娠中絶薬(RU486)

人工妊娠中絶薬ミフェプリストン(通称RU486)が欧州連合(EU)の11カ国で今年中に解禁されそうです。
フランスではすでに1988年から流通が始まっておりフランス国内の人工妊娠中絶の約30%がこの薬によるものです。
開発者の言葉を借りれば「薬の効果は98.6%、感染の恐れもなく、手術より安全」ということです。
(確かに人工妊娠中絶の手術は絶対安全とは言いきれない面があります。)

薬は妊娠49日以内の中絶に限られており、それを越えると効果が十分ではなく、中絶に失敗すると重症の奇形児を出産することの可能性もあるようです。
薬の使用後にショック死した例もあります。
しかし全体でみると安全な人工妊娠中絶の方法です。

昨年ピルが解禁になったばかりの日本ではまだ論議にも、薬としての申請も出ていないようですが、やがて外圧から認可になるかもしれませんね。
この薬とは別に性交後72時間以内に薬を飲むと妊娠しない「緊急経口避妊薬」も最近では欧米で使用され始めています。

日本でこの薬が拒否的な扱いを受けそうな気配の一つに産婦人科医の反応があるようです。
実は日本の産婦人科医の間には中絶手術による収入を脅かされるという懸念があるからのようです。
「中絶に寛容な国」として知られている日本ですがこの薬はどのような扱いになるのでしょうか。

フランスに続き英国、スウェーデン、イスラエル、ロシア、スイス、ドイツ、オーストリア、オランダでもすでに使えます。貴方はどう考えますか?
論議に一石を投じておきます。
(内容は2000年2月6日の読売新聞の記事から抜粋しました。)

第147段:4、9、13をなぜ嫌う? 7は幸運ですか?

病院やホテルで部屋番号の末尾の4や9あるいは13のないところをしばしば見つけます。
日本人だけでなく数字に意味合いを持たせて嫌う風習はどこの世界にもあるようですね。
でも本当はそんなことはありません。
例えば4は「し」と読み「死」を連想させるといいながら4葉のクローバーを見つけて幸せと喜ぶ姿は変だと思いませんか?
「し」は「しあわせ」の「し」と考えても良いのでは。

9は「く」と読み「くるしい」、「苦痛」、「苦難」などというイメージがつ強いようですが、辞書で「く」で始まる言葉を捜してみるといいイメージの言葉が見当たりません。
ここまできていいイメージを与えようとする自分の縁起かつぎの馬鹿さ加減に気がつきました。数字に意味を持たせてもそれは何にもなりません。私の診療所の住所などは429-23ですから「死に苦・・・」で最悪じゃないですか。

ビデオで「アポロ13」という映画を見てから余計にこれらのことを考え始めました。キリストが十字架にはりつけられ処刑された日が13日の金曜日でこの日を嫌う風習があるようです。
有名なレオナルド・ダビンチの「最後の晩餐」の絵でもわかるようにこの時のメンバーの数が13人でしたね。

このページの上の方の「そぞろごとストック」をクリックして第44段を開けば「大安に退院するのが常識?」という文があります。
縁起を担ぎたくなるのはわかりますが、少しばかり行き過ぎているきらいがあるとは思いませんか?
ラッキーセブンと「7」を喜ばれていますが、古来日本では7は縁起の悪い数字だったはずです。
時代で数字にもたせる意味合いが変わるというのも、いかに数字に縁起を託すことに意味がないかがわかりますね。

医療の現場はある意味では自然科学の最先端です。
この病院の中で4、9、13などの数字を使用しないというのは、「非科学的なことを病院でしているのでは?」という疑問を逆に生じさせているのではないでしょうか。

第146段:深夜のコンビニと徘徊老人

深夜、私の子供がお腹がすいたとキッチンに入り込み冷蔵庫や棚の食品を物色していました。
その姿をダイニングから見ていた私の頭に、腹をすかせて食べものを探しまわる徘徊老人の姿が重なってしまいました。
(家庭に仕事を持ち帰るダメな父親です。)
徘徊老人の多くは腹が減ると食べものを求めて動き出します。
そして、あちこちの引出しを空けたままにしているようです。
次々と連想的に目的が変わるようですが、おなかを満足させることで一息つけるようです。

私が嘱託医をしている老人ホームでは小さなおにぎりを用意させ、うろうろし始めるとおにぎりを食べさせていただくようにお願いしてあります。
痴呆老人をかかえているご家庭にも
「ラップフィルムに小さなおにぎりを一つずつ包み冷凍しておき、お腹がすいたらすぐに電子レンジで温め食べさせたり、常時食べ物を身近に置いておくと徘徊が減ります。」と説明しています。
実行してみると徘徊が減って実に介護が楽になりました。

たくさん食べ過ぎて障害を起こさないかと心配されるかもしれませんが、意外と大丈夫ですし、肥り過ぎにもなりません。
1日中3人分も食べる人はいませんから大丈夫です。
便秘も解消され、今のところは糖尿病以外では問題になりません。

お腹をすかせた方が徘徊しているわけだはありませんが、深夜のコンビニで食品を買い求める姿を見ていると、徘徊老人も腹をすかせて食べ物を求めてさまようのと似ている気がしてきました。
腹が減っては戦は出来ぬ?
衣食足りて礼節を知る?
など満腹することで人間は落ち着き、次の落ち着いた行動に移れるのかもしれません。

空腹感は辛いものですが、深夜の夜食は朝食の食欲を減らします、そうすることが朝の元気なスタートをつまづかせます。
腹が減ったらすぐ食べるという徘徊老人の行動パターンから、健康的な食事をする生活パターンに変えませんか?
(私自身も反省しています。)

第145段:私も加害者? アトピー性皮膚炎の不適切治療

日本皮膚科学会の「アトピー性皮膚炎の不適切治療」についての調査が全国の大学病院の内の11施設を対象に行われました。(1998年~1999年)

その結果アトピー性皮膚炎の悪化のため入院もしくは入院が必要と判断された患者さんは319人、その内主治医が悪化の原因が
「不適切治療と診断したものが44%」
「自然悪化が40%」
「患者が治療に消極的が10%」
副腎皮質ホルモン(ステロイド)の副作用は1%でした。

不適切治療と判断された治療の内、
皮膚科以外の医師の治療を受けていた患者さんは37%
皮膚科の医師の不適切治療を受けていた患者さんも26%おられました。

不適切治療の内容を見ると活性酸素を抑える軟膏や健康食品を使ったり、診療もしないで薬だけを送る悪質なケースや、いまだに厳格な食事療法をしているなどと指摘されていました。

金沢大学の皮膚科竹原教授は「・・・・背景にあるのは情報の混乱による医療不信とそれにつけこむアトピービジネス・・・・・」と説明されています。
医師の責任も少なからずあり(もちろん半数以下ですが)、患者さんの側にも責任があり、もちろん自然悪化もあるということは、責任の所在を求めても根本的な解決には至らないということです。
もちろん自分の責任であることが疑われれば、これを改めることが必要なことはいうまでもありません。

副腎皮質ホルモン(ステロイド)については何度も紹介していますが、この薬の安全性がほとんど理解されていないことに、「私は怒りを覚えます。」
正しく使えば問題のない薬です。

不適切治療の芽は患者さんの側にも少なからず存在していることを認識してください。
危険な薬剤として使用禁止を求めて厚生省に陳情された団体(ごく一部の医師もその中に参加していたようですが)もあるようですが、副腎皮質ホルモンで良くなられた極めて多くの患者さんのことをご存知ないのでしょうか?

診療もしないで薬を送りつけたり、それで良いと考える患者さんのほうも無責任ですね。変わりがないようでも診察を受け適切な治療で健康な肌を取り戻しましょう。

第144段:漢方薬の話 その3

漢方薬の副作用は第58段でも触れましたが、一般には漢方薬は副作用の少ない薬として認識されているようですね。
しかし意外と副作用の例は多く、健康被害が出現することもまれではありません。
体力の低下した人や虚弱な患者さんに体力のある人の薬や屈強な体質の方に使う薬を飲ませたりするとしばしば副作用が出現します。

さらに長期間飲まなければ効かないという迷信?もあります。
第123段でも紹介していますが、効果の発現は意外と早く2~3分という超即効性のものもありますが、あまり知られていません。
長く飲み続けなければ効果がないというものでもありません。
漢方診療に詳しい先生とお話をさせていただくと、
「長期間飲んでいると効目が悪くなることがある」といわれる先生もあります。
私もそれを感じることがあり時々薬の内容をを変えたり薬の量を変えて
「体に揺さぶり」を与えています。

実は漢方薬が一番沢山使用されている時代は現在なのです。
昔は薬も買えない貧しい時代で今ほど漢方治療は一般的ではありませんでした。
昭和51年に健康保健で漢方薬が使われるようになってからが漢方ブームになりどんどん花が咲きつづけている状態なのです。
漢方薬は歴史が長く、昔はみな漢方だったと錯覚していませんか?
昔は漢方を含め医療に接することなく命を落としていた方々が大多数だったのです。

朝鮮人参を手に入れるために身売りをする少女の話が存在するのがその証です。
衰弱した老人に人参を含む漢方薬を処方して元気になられるのを見ると、作り話ではないなと感じることがあります。
そんな歴史の中での漢方薬の使用でしたから経験している患者さんの数は極めて少なかったといわざるを得ません。

ですから本当に「副作用の怖さ」や「薬と病気の関係から長期間服用することについての安全性」にはまだ疑問があるのが本当の姿です。

私自身は漢方診療を身近なものとして行っていますが、やはり薬は薬、副作用はいつ起こるか分からないという姿勢です。
診療中に
「漢方薬で治療しますよ。」
とお話すると患者さんの顔が安堵の表情に変わることがしばしばですが、
「漢方薬だから安全と勘違いしないで下さい。」
と必ず釘をさします。
医療行為には危険はつきもの、決して絶対安全はありません。

第143段:痛みの感じかた

痛みについては第40段、第46段などでも触れていますが、今回は痛みの感じかたについて書いてみましょう。
先輩の医師の方々のお話を伺うと
「最近は痛みの我慢ができない人間が多い」というようなことを言われます。
私も医師になって約20年を経過しましたが、そのような印象がなんとなくあります。

我慢ができなくなった患者さんが多い!
「たかがこの程度でこんなに騒ぐのかな?」
「この処置でこんなに痛みを訴えるのかな?」
と感じることがしばしばあります。
痛みに対しての感じかた(痛みの閾値)が過敏になっていると想像しています。
以前は(昔話をするのは年をとった証拠ですが)本当に軽度の骨折などでは受診されていなかったようでレントゲン写真で昔の傷を聞くと「受診しなかったけど痛みがずいぶん長引いたよ」などと平気で話される方がありましたが、最近は如何でしょうか?

怪我をした後や病気が起こって痛みが発生したとき周囲の人間が必要以上に気遣うと返って痛みが強くなるようです。
スポーツの現場などでは骨折していてもプレーを続けていて試合後に骨折がわかるなどという例が結構あります。
全てが精神的なもので支配されているとは決して言いませんが、ある程度の痛みの強さは気持ちでコントロールできるのではないかなと考えています。

第142段:本当に必要?学級閉鎖や学校閉鎖

インフルエンザの流行期には学校閉鎖や学級閉鎖の処置がとられますね。
この処置は学校長が決定するもので、学校医の意見を参考にされるだけです。
実は診療をしていますと、この学級閉鎖や学校閉鎖に不満のある保護者が意外と多いのです。

元気な子供さんも学校に行けなくなり、家で遊んでいるため昼食の準備が問題になります。
働くお母さんの数は飛躍的に増えており、突然お休みにされると困られるのです。
ある程度の年齢より上の子供さんなら大丈夫なのですが、小学校の1年生や2年生となると幾分不安があるようです。

私は益田市立西益田小学校の校医をしていますが、数年前からインフルエンザの流行期に児童の欠席数が増えると、学校長や養護教諭から電話があり「インフルエンザやかぜ症状のある児童は出校停止にします。
クラスや学校は閉鎖しません。
元気な児童は出校して授業ではなく、自由学習や教諭と児童のふれあいの時間にさせてもよいですか?
出席数が増えた時点で授業を再開します。」というような内容の伝言があります。
私自身はもちろん了解しています。

校長先生が変わられても同じ対応をして戴いております。
保護者の方にも理解を得ていて非常に喜ばれています。
病気で出席できない子はきちんと休むけど流行性の疾患の時には出校停止扱いで、元気な子供は学校で授業ではないけど別のことを学ぶというシステムは非常に優れた方式です。
学級閉鎖や学校閉鎖をしなくても流行の規模が拡大しているという印象はありません。データをお持ちでしたら教えてください。
益田市立西益田小学校方式についてのご感想をお待ちしています。

第141段:ベルツの日記から

明治時代の教育費は国家予算の約3分の1だったということを聞いたことがあります。
その予算の中で外国人教師を雇い日本人を教育しました。
小説で有名なラフカディオ・ハーン(小泉八雲)、「少年よ大志を抱け」のクラーク博士、東大のベルツなどがその代表例です。
講義の最中は役人が講義を聞きながら不良外国人講師ではないかとチェックを入れていたそうですから、相当教育に力を入れていたようですし、変なことを学生達に教えさせないようにもしていたようです。

ベルツは26年間東京帝国大学医学部で教鞭をとった後、1901年に東大を去りました。
送別会に日に
「私たち外国人教師の使命は、日本に科学の樹を育てることでした。
しかし日本人は、西洋の科学の木に育った実だけを、私たちから受け取ろうとしたのです。私たちの実を欲しがるだけで、この実をもたらした精神を学ぼうとはしないのです。」

ここまで読んで私は「和魂洋才」という言葉を思い出しました。
いいとこ取りの日本といわれる所以でしょう。
この頃からあったのかと考えましたが、辞書には「和魂洋才」はもじりで、本来は「和魂漢才」という言葉であったようです。
つまり外国のやり方をとり入れると自国人間のの魂まで変わってしまうという考えなのです。
そしてその起源は昔の中国から学問が入ってきていた当時からあった日本独特の考え方なのです。

漢字と漢文に「ひらかな」と「カタカナ」を加え和字(国字)を創作し、読みも「やまと言葉」を当てはめるという大変化をさせ、中国本土の漢字とは相互交流できないほどにしてしまいました。
(本家の中国も簡体字で昔の字に決別をしましたが・・・・)
昔も今も、外来語をよくとり入れ、日本語は保守化することなく、どんどん新しい言葉をとり入れたり作ったりしていますので、不滅の言語かもしれませんね。
(正月休の間のそぞろごとでした。)
ベルツの日記の一文からあちこちにと話が飛びまわりました。

第140段:元気な高齢者

日本と韓国の後期高齢者(75歳~85歳)の女性の体力測定をして比較してみると敏捷性や柔軟性、バランス能力で明らかに韓国を上回っていることが示されました。
全身の移動能力や胴体の柔軟性などは甲乙つけがたく、筋力は韓国の方が上回っています。
全体的に見ると日本の女性の方が体力的に優れているようです。
米国との別の研究での比較でも日本の高齢者は運動能力が優れていることがわかっています。

これらの研究成果を紹介された東京都老人総合研究所疫学部門部長の鈴木先生は、「どの国であろうと人間の寿命限界が同じである以上,日本のように平均寿命が延びれば延びるほど元気な高齢者が増加する・・・・
病気の発症や障害、いわゆる「寝たきり」や「ボケ」など、かつては早期に起きていたものが、最近になればなるほど遅れて後ろ送りになっていることを明確に示しているのである。・・・」と述べられています。

4月からの介護保健の実施を控えて色々と話が出ているでしょうが、予測ほど本当に介護が必要な方が多くないかもしれませんね。
2025年の日本の高齢者のピーク時には予想より介護の必要な方が少なくなっているかもしれません。
元気な老人で介護の必要がない状態を保つためにも、生活習慣病の概念を取り入れた生活を作る必要がありそうです。

第139段:薬はお茶で飲んではいけませんか?

「薬はお湯で飲まなくてはいけませんか?お茶じゃダメですか?」
としばしば質問を受けます。

実はお茶でもかまいませんが、
「お茶でよいですよ」と答えたら
「抹茶はどうですか?」
「紅茶でも同じでしょ?」
「コーヒーでもよいですよね」
「昆布茶はどうですか?」などなど機関銃のように質問をされて閉口したことがあります。

出涸(でが)らしのお茶ならほとんど問題ないと思うのですが、そう答えると「何回目ならよいですか?」と聞かれるとまたまた困るのです。
ですから面倒なので「お湯にしてくださいとお願いしています。

昔は貧血の治療薬で鉄を含む薬はお茶で飲んではいけないなどといわれていましたが、詳しい研究の結果ほとんどが意味のないことが解りました。
しかしグレープフルーツを食べて薬を飲むとある種の薬は効果がなくなる場合や、血液を固まりにくくする薬の効果が納豆で消えてしまうなどという事実が発見され、服薬指導の現場で問題になっています。
牛乳で効果がなくなる薬や牛乳で飲むと味のまずさが感じにくくなる薬とか、薬の効き目をうまく引き出すために飲み方は複雑になっています。
よく聞いて正しく服用して下さい。(薬剤師さん頑張って!)

漢方薬の葛根湯は熱いお湯で飲まないと効果が出にくいようです。
ぬるま湯や冷たいお水で飲むと薬の効果が半減するようです。
しかし加味逍遥散(カミショウヨウサン)とか五苓散(ゴレイサン)とかいわれる漢方薬は水で飲まないとその効果が弱まりますし、飲みにくいようです。
それぞれの薬にそれぞれの使用法がありますのでよく確かめ理解してから薬を使いましょう。

第138段:妊娠反応検査

私は産婦人科医ではありませんから妊娠の可能性がある患者さんが受診されると尿検査で妊娠反応を診ることにしています。
しかし極めて初期の妊娠状態は反応が出ません。
妊娠の診断はある観点からは楽ですが、そうでない場合もあり奥義は深そうです。
月経が規則正しい方なら最後の月経から分娩予定日の予測をしますが、妊娠38週から40週の間の2週間程度が予定日になりますね。

薬局で買える妊娠反応検査薬も市販されていますが、子宮外妊娠やその他の異常妊娠の状態を知ることはできません。
産科を受診してきちんと診断していただきましょう。
検査を実際にしてみると反応が中途半端で妊娠かそうでないかがわからないことが時にあります。
そんなときには2週間ほど間をあけて再検査となります。
検査結果の判定というのは意外と難しく頭を悩ませます。
疑問のあるときには医師とよく相談してください。

妊娠を希望されていた方が偶然私の診療所で妊娠が判明すると大喜びです。
あのうれしそうな顔を見ると子供を授かる喜びってこんなに凄いのかと驚いてしまいます。
でも一人目を育て二人目を育てていると「もう一人」と声をかけても「もういいです。」の答えが帰ることが多くなりました。
少子化を肌で感じます。
妊娠反応検査の試薬も利用回数が減っています。

第137段:花粉症の漢方薬

花粉症の患者さんに使用する漢方薬はいくつかありますが、第一に選ばれる薬は小青龍湯(ショウセイリュウトウ)でしょう。
眠気の副作用のない鼻水を止める薬です。
鼻づまりが中心の症状の方にはあまり有効ではなく、水のような鼻汁が流れ出る場合によく効きます。
様々なアレルギーを起こしにくくする薬がありますが、今、医師の間で使用できる薬の中でもっともアレルギーを起こしにくくする作用が強いのは、この小青龍湯です。
(インビトロと呼ばれる研究室の中での試験管内の実験系での研究結果で、薬を飲んだ状態での判定ではありません。このあたりが医学の難しいところなのですが・・・・)

私の集計でも花粉症の患者さんの80%以上で有効性があり、眠気もないため非常に喜ばれています。

次によく用いるのが麻黄附子細辛湯(マオウブシサイシントウ)です。
冷え性の強い患者さんの花粉症の薬です。
名前からわかるように附子(ブシ)つまり鳥兜(トリカブト)が入っている処方です。
鳥兜の毒の成分を加熱処理して毒になる成分を減らしていますから問題ありません。
この薬も眠気は出ませんから車の運転や高所作業などでの注意力の低下もありません。

鼻づまりが主体の患者さんには葛根湯加川きゅう辛夷(カッコントウカセンキュウシンイ)という薬が用いられます。
この薬のポイントは飲むときのお湯の温度を飲める限りできるだけ熱くするというのが効かせるポイントです。
この薬も眠気を副作用として持っていません。
いわゆる抗ヒスタミン剤と呼ばれる薬や抗アレルギー剤には眠気や口が乾くなどの不快な副作用が付き物ですが、漢方薬にはそのような作用がほとんどありません。
その上即効性があるので鼻汁が出始めたり目が痒くなってから使用を開始しても間に合います。
効き目の早く出る人は5分とか10分ぐらいで楽になったといわれます。

漢方薬の使い方は急性の病気に用いる治療法を主体にした治療体系の古方派と慢性の病気の治療を主体にした後世方派、中国本土の中医派というようにいくつかに分けられていますがそれぞれの利点を生かした治療を心掛けています。
鍼や灸も治療の一つで薬と併用するばあもあります。
現代医学だけでなくある程度の経験の積み重ねで有効と思われるものにチャレンジしています。

花粉症は今の状況で完治するものではありませんが、薬を利用することで快適な生活を営むことができます。
薬を怖がらず利用して生活の質を高めては如何でしょうか?

第136段:訪問診療先での会話

「92歳の祖母がずいぶん弱ったので診に来ていただけませんか?」との往診要請があり出かけました。
診察してみると以前からあった咳と痰が(慢性気管支炎の急性増悪)急激に増え呼吸困難を起こしておられました。
「先生、もう年だから長生きせんでもいいからすぐに楽に行かせてください」と苦しい呼吸の中から訴えられました。
「だめですよ、私が診察し始めてすぐに死なれたら、私が藪医者という評判がたつから1回は元気になってください。長い人生の最後に医者の私にも花を持たせてください。お願いします。」と答えました。
笑いながら
「それなら先生のことを聞きましょう。好きなようにやってください」と答えられ、1ヶ月足らずで回復されました。ボケ症状もなく訪問すると切れ味の鋭い話を聞かせていただいていました。若い頃には田舎の夫婦漫才をしており、とても90歳を越えた人の会話とは思えないほど速度が速く、冗談がポンポン飛び出て笑いつづけながらの訪問診療でした。結局、煙草も吸ったまま好きなようにして戴いておりました。

診察を始めてから3年くらい経ったある日、訪問をすると本を読んでおられました。
「何を読んでいるのですか?」
「いまね、歎異抄を読んでいるのです。心が休まります。」
大きな天眼鏡を片手に答えられました。
「そろそろ極楽往生させてもらいたいのだけれど、先生のおかげでそれもできない。仲良くやってね。」
「ここでお話を聞かせていただくのが私の楽しみですから元気でいてくださらないと・・・」

「先生窓の外に桜の木が見えるでしょ。私が嫁にきた頃に植えた桜です。大きくなりましたが、今度の道路の工事で切られるそうです。私の命もそこまでです。あの桜の花が見られないのなら、私も死んだも同然・・・」
やがて工事が始まり夏には桜の木は切り倒されました。

その後診療に訪れても桜の木の方向の障子は閉まっていることが多くなりました。
最初に診察してから約4年、96才の彼女には桜の木が自分の生活の楽しみだったのでしょう。
3月19日切られた桜の花がが咲く時期の少し前に極楽往生されました。

訪問してお話を聞かせていただくのも私達の楽しみです。
豊かな人生経験の中からのお話をお伺いできることは貴重な体験です。
現在も30人以上の方々のご家庭を訪問しながら勉強させていただいています。
痴呆があってもこちらがびっくるするような会話が成立する場合もあり
「ン?ンーーン?」と考えさせられる場合もあります。
楽しく笑いながらのターミナルケアを目指しています。

第135段:風邪の注射

風邪やインフルエンザのの患者さんから注射をせがまれることがよくあります。
実は先日まで健康保健で風邪の症状を軽くする注射があることを知りませんでした。
(注射薬の中で感冒(風邪の医学用語です。)に効果があるとされていて健康保健で使える薬です。)
3種類ありました。
いずれも、くしゃみ、鼻汁、咳の症状を緩和するとい使用目的でした。
1日1~3回と指定してあります。風邪の注射のために2回も3回も通院する人がいるのですかねえ?

そこで何人かの医師に風邪の注射について質問をしてみました。
その回答の一部をお教えしましょう。
「患者にせがまれて仕方なく注射をしていますが、本当はしたくない。説明する時間も無駄だし、喧嘩をするのは嫌だから」とか
「そんなものはないと一言で否定する」とか
「ビタミン剤の注射でごまかしている」さらに
「なんとなく、仕方なくやっています」などの返事が返ってきました。

もちろん
「そんな注射が存在していたことを知らなかった」と答えられた医師もおられました。

風邪の注射ってその程度の認識なのです。「注射してくれ」、「注射してくれ」とお願いをされますが、する医師の方はその注射の意義や効果に疑問を持ちながら笑顔でやっているのです。
ご批判はあるのは覚悟で書いています。
しかし現実を知っていただきたいのです。

私自身は風邪の注射は効くかもしれないが、使わない主義ですし、それよりももっとよく効く薬がありますからそれを使っています。
インフルエンザや風邪の流行期に注射をするしないで水掛け論をするつもりはありません。
忙しい時期なので注射をして欲しいと粘らないで下さい。
(本当にお願いします。)
脱水症を伴うような場合にはちゅうちょすることなく点滴とかその他の処置を行いますが、風邪の症状改善のための注射はしていません。

第134段:頭を冷やしても体温はさがりません

今年もインフルエンザの季節になりました。
「熱がさがらないので頭を冷やしましょうか?」と質問されたり、熱さましを目的(?)としたシートを額に貼って受診されたりと、熱をさげることに熱を上げられる方が相変わらず多いので説明に苦慮しています。

頭を氷や水で冷やしたくらいでは体温はさがりません。
人類は冬眠するような動物と違い、体温を常に一定に保つように調節する動物です。
風邪などで一時的に高体温になるのは病原菌やウイルスを体の外に排除したり殺したりするのには体温が高い方が都合がよいことがわかっています。
風邪などの場合の病気の初期に解熱剤を使用すると病気が長引くという報告もあります。

強い解熱剤は必要以上に使うとそれがもとで死亡率を高めるという報告も出ています。
本当に体温をさげることが必要な場合にはそれなりの処置をしますのでご安心下さい。
いわゆる「頭がパーになる」状態は41.5℃を越えてから出ないと起こりません。
高熱はそれ自体でも体力を消耗しますので小児では39.5℃越えてから、大人でも38.5℃を超えてからの解熱で充分です。

体温がさがれば病気が治るわけではありませんから、熱をさげるのに熱を上げすぎないで下さい。
いわんや頭を冷やして病気が治るわけはありません。
頭を冷やして気持ちがよいといわれるのをやめろという気はありませんが、冷やせば治るという考え方を直していただきたいのです。

第133段:交通事故死

平成11年の日本での交通事故死亡者数は9000人を切ることができませんでした。
1970年には日本の交通事故死は16765人でした。
この年西ドイツでも19193人が交通事故でなくなりました。
この年が両国での最悪の年で、その後別々のアプローチで交通事故対策が本格化したようです。

日本はその後9年間で8466人にまで半減させましたが、その後次第に増加に転じて平成11年は9000人を少し上回る状態になっています。
一方西ドイツは4割減らすのに15年かかりましたが、その後も着実に死亡者を減らしつづけています。
1987年には6割減らし1997年には6067人にまで減少させることができました。
アプローチの違いが死亡者数の違いのようです。

車の車間距離の考え方も私が免許を取った当時には「近づくと追突する可能性があるからあけろ」と教わりましたが、外国では「近づくことで前の車の運転手の恐怖感をあおることになり、冷静な運転ができなくなるので事故を誘発する」と教えているようです。
外国での理論の方が適切な感じがしますが如何ですか?

スピードを落とさせれば死亡事故が減るというのも理屈としては通りますが、人間が車に乗るという理由には、基本的に早く快適に移動したいという欲求がありますからスピードを落とさせることだけが事故死を減らすことにはならないと思います。
基本に立ちもう一度自分の周囲を点検しようと考えました。
(このページの数字はカーアンドドライバー誌から抜き出しました。)

シートベルト(特に同乗者や後部座席)、冬場のスタッドレスタイア、ヘッドライトの早目点灯、ブレーキのチェック、丸坊主のタイアなどなど点検しておくことや常識的なことができていないドライバーが多く事故を誘発しています。

第131段:暦の疑問

今年は平成12年、西暦(キリスト教暦)では2000年、ユダヤ教暦では5760年、仏教暦では2544年、日本の皇紀2660年、昭和からなら75年、大正からなら89年、明治からなら133年です。
世界中には様々な暦があリそれぞれの文化として存在していました。
ところがキリスト教を基礎にした文明が地球の大部分をカバーしたために、いつのまにかキリスト教暦の西暦が標準的な暦とされてしまったようです。
勘違いされている方が多いようですね。
コンピュータの時代ですから様々な暦の自動変換システムが構築され、それぞれの国や地域でその文化にあった暦が自由に使えるようになることが本来の姿でしょう。

「新春」と今から寒くなる1月にいうのも日本の歴史的な暦の太陰暦では立春がお正月になっていたからですね。
キリスト教暦の特徴は復活祭(イースター)が春分の日の後の最初の満月の後の日曜日になるように(聖書のとおりになるように)調整された暦ですから現在の形になっています。
使い続けているからとか便利だからという意見も承知の上で、敢えて言わせてもらえば日本では昔の太陰暦の方が生活上はよく合うはずです。
閏の月があリ残暑が厳しい理由がわかったり、春がなかなか訪れない冬があるのも納得できます。
自然と共に生活すると太陰暦の方が理に適った暦であることが解ると思います。

千年紀という考えもキリスト教のお祭りですから、政教分離を掲げる日本の首相が千年紀を利用して政策を遂行しようとするのには疑問を持っています。
もちろん他の様々な宗教行事に対しても政治が不介入という方針があると思いますが・・・
それも変更されるといわれるのならそれはそれで理解しますが、マスメディアからその批判が出てこないことが不思議です。
日本のマスメディアは、神道には厳しく(大東亜戦争の責任を負わせている宗教というイメージが強いような気がします)仏教にはやや甘く、キリスト教には多いに寛大なように思えるのですが。
(宗教の話はこれで止めます。宗教間のいざこざに巻き込まれると必ず殺人や戦争にまで発展し良好な人間関係がこわれます。)

第130段:しゃっくりの治療

しゃくりは医学的には吃逆(きつぎゃく)と呼ばれ立派な病態の一つです。
横隔膜や吸気肋間筋がけいれんして起こる調節できない呼吸の状態をいいます。
突発的に起こることが多く、そのほとんどは数時間以内に治りますが、48時間以上続く場合には積極的な治療が必要となります。

漢方薬には昔から芍薬甘草湯という薬で筋肉のけいれんを押さえる薬がありますのでそれを飲んでもらうと早いときには2~3分で止まってしまいます。
煎じた柿のへたとか催眠術や鍼治療などというようなものまで医師向けの本に書かれているところを見ると有効な治療法が少ないのだなと再確認した次第です。
(呉茱萸湯ゴシュユトウも著効があると浜田市の北村先生からお教え戴きました。)

この薬1度飲んで効かなかったからダメとあきらめないで下さい。
実は効力がすぐ現れやすい患者さんとしばらく(3~7日ぐらい)続けて飲まないと効果のでにくい人とがいます。
漢方薬の効き目を強める作用が腸の中の細菌(ビフィズス菌などがその代表例)にありこの細菌の多い少ないが有効率を左右しているからなのです。
この話しはまた別の機会にしましょう。

「しゃっくり」、「わきが」、「どもり」、「対人恐怖症」、「赤面症」などは医療機関で対応するものではないと考えていませんか?
遠慮せずに相談してください。

第129段:睡眠を要求するのは 心か? 体か?

「昨日の夜はうつらうつらでほとんど寝ていません良く眠れるようにして下さい。」と睡眠剤を要求されます。

「ちょっと待ってくださいね。今朝からの身体活動は普通にできていますか?」
「別に支障なくこなしていますよ。」

こんな会話が繰り返される私の診察室です。
体が睡眠を要求しているときには車を運転するような緊張状態でも睡魔は襲ってきます。
体が睡眠を要求していなくても、心が昨日はうまく眠れなかったと思えば気持ちのよい睡眠を要求してきます。

どちらの要求に答えるべきでしょうか?
心の要求?
体の要求?

ともに心地よい眠りを得られるように援助させていただくのが私たちの仕事です。
しかし、睡眠の欲求がどこから起こり、どのように解決をすればよいかも理解していただければ不用の薬を使用する必要はなくなります。
最近の睡眠導入剤などでは習慣性や依存性といわれるいわゆる「くせになる、やめられない、量が増えてくる、ボケる」などというような副作用はほとんど見られません。(乱用した場合は別ですが・・・)

眠るための薬を求めて受診されますが、その薬の副作用を気にしてその薬が飲めない。
「お気の毒」としかいえない状態です。
睡眠薬の中毒(依存や習慣)を気にするのならそのことをご相談下さい。
10日や20日飲んで中毒になるようなことはありません。
1ヶ月や2ヶ月連続して服用しても問題になることはほとんどありません。
習慣性や依存性が生じたことを診断するのは医師の仕事です。
依存性や習慣性が生じてもそこから脱するまで付き合うのも医師の仕事です。
必要なときにはきちんと飲んで体を休め、心の要求には診察のときに不安や疑問を良く話し合いましょう。
体が求める睡眠不足解消より、心が求める睡眠不足解消の方が治療が困難なのです。

第128段:シーンという静かな音は耳鳴りの音

シーンという静けさをあらわす表現の「シーン」はじつはあなたの耳鳴りの音が聞こえるほど静かなのです。
耳鳴りで悩まれる方は「シーン」とか「キーン」とかいうような高周波成分の音と呼ばれる種類の音で悩まされる方と、「ざーっ」というような低周波成分の音で悩まされる方があります。
「シーン」や「キーン」のような耳鳴りの音は誰でも僅かながら聞こえているのですが、日常の環境の音にごまかされていてその音を認識していないだけなのです。

シーンという音が出てくるのは、静かで「かすかに聞こえてくる自分の耳鳴りの音」だという事実を認識してください。

耳鳴りが気になる人は、夜寝るときにラジオを小さな音で聞きながら眠ると耳鳴りは聞こえにくいようです。
耳鳴りが気になる患者さんが、静かな音のない部屋でぐっすり寝たいと話されますが、音がうるさい部屋でも結構ぐっすり寝ている人が多いので「それはあなたの贅沢です。」と否定してもよいのですが、ちょっとかわいそうですね。

低周波成分の耳鳴りなどでは治療で良くなる場合もありますので専門医の診断を受けてください。
耳鳴りの苦しさは本人だけしかわかりません。
理解してあげようとする態度が応対する人に求められているのではないでしょうか。
プロフィール

taijindo

Author:taijindo
島根県益田市にある松本医院(内科・小児科・アレルギー科)の院長です。

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