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第188段:目やにのとり方

鼻のかみ方を第183段で紹介しましたが、今度は目やにのとり方です。私たちには当たり前のことなのですが、意外と知られていないようです。
目は繊細な構造をしていますので、いつもきれいにしておく必要があります。
このため涙を少量ずつ常に流しているのです。
目やにもとるときにはこの涙の流れに沿って拭いてやれば良いわけです。

涙は目じりの外側の上のほうにある涙腺というところで作られ、そこから少しづつ流れ出て目がしらに流れてゆき鼻涙管を通って鼻の中に流れて出てゆきます。
鏡の前で目がしらの下側のまぶたに穴があいているのが鼻涙管です。
そこが涙の出口です。
鼻が詰まっていると鼻涙管も詰まるため涙は下水管が詰まった状態と同じようになり目がしらに溜まります。
この涙にホコリが付着したりすれば目やにになります。
目の炎症だけでなく鼻の不調が目やにを増やすことがある原因はここになります。

目やにを取るときには目じりから目頭に向かってガーゼやティッシュペーパー、綿棒を動かしましょう。
逆に動かせば目がしら集めたホコリやゴミを再び撒き散らすことになりますからね。
もちろん「目の玉」眼球を傷つけないようにそうーっと拭かなくてはいけませんね。
目薬も目じり側から入れるのがいいと思いますよ。(ここは私の独断です。)

目の涙の流れは「しりからかしらへ」が基本です。
大事にしてくださいねあなたの目。
(保育と保健、第7巻、第1号、平成13年1月参照)
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第187段:高齢化のスピード

今月は2001年3月ですから介護保険法が施行されてから11ヶ月をすぎたところです。
もう一度基礎的な数字を振り返って見ましょう。
日本の場合は高齢化の速度は異常に速くそれに対処するために法制化を急いだと考えています。
例を示せば国民の人口の中に占める高齢者(65歳以上)が人口の7%から14%に達するまでにフランスは115年、スウェーデンは85年、アメリカは75年、西ドイツとイギリスが45年かかりましたが、日本は25年で到達したのです。
(アメリカは現在14%に達しておらず推計です。)

ですからヨーロッパ諸国のようにゆっくりと変革できるだけの時間がなかった分だけ急がせたわけですし、国民も実感する間がなかったのが本当のところではないでしょうか。
「まだはもう」ですし「もうはまだ」(定年退職で年金暮らしと思ったら、定年延長、年金の支給開始年齢の繰り延べ)でもあります。

2020年には日本の人口の約27%が老人となる推計がでていますので国民の4人に1人以上が65歳以上となります。
シルバービジネスと呼ばれる高齢者相手の仕事はますます増えます。
生まれてくる人間よりも死ぬ人間が多くなり、当然葬儀屋さんも忙しくなります。

墓や墓地の需要が急増するでしょう。
しかしそんな先の予想はしてもどうにもなりません。
高齢化のスピードに合わせて仕事をすると仕事がありつづけるよと私の友人は話していました。
「団塊の世代の人たちが希望するサービスを提供し続ければいいのですよ」と転職のプロは話していました。

団塊の世代の高齢者は現在の高齢者とは全く違う価値観で生活されるでしょう。
この変化のスピードについていけるかどうかがポイントです。
様々な高齢者のための施設がここ2・3年で一気に作られました。
それらの施設が20年後にくたびれた状態で団塊の世代が利用するのを待っているはずですが、団塊の世代の方々はあれで満足されるはずはないですよね。
高齢化のスピードは世界一の速さです、それに加えて高齢者の意識もそれ以上のスピードで変化しているのを実感します。
施設の運営や設備なども自分が利用するときにあれでいいと思えるかどうかをもう一度考え直してみたらどうでしょうか?

団塊の世代以後の老人は要求レベルが今以上に高いですよ。

第186段:2人に1人は不眠症!?

快食、快便、快眠などと様々な快適な生活の指標を考えつかれていますが、睡眠がすっきりすると気持ちがよくなるという考え方は多くの方が持っているようですね。
高齢者の不眠の調査結果を示しますので、不眠が自分ひとりだけのものでないことを確認してくだされば幸いに思います。

 1976年にKarcanらが1967名の60歳以上の男女を調査したら
       男性で39.1%、女性で54.7%が不眠であることがわかりました。
 1979年のBixlerらの51歳以上の1006名の調査では
       約40%が不眠であるとされています。
 1989年の稲見の65歳以上の1564名の在宅老人の調査では
       約25%が不眠とされています。
 1992年の中沢らの70歳以上の在宅老人382名の調査では
       47.3%が不眠とされています。

いずれの調査でも男性よりも女性が多く不眠を訴えています。
そして女性の多くが睡眠薬を悪い薬、飲まないほうが良い薬と位置付けておりそのために不眠症を悪化させているのです。
一般的に日本人は欧米人に比べて睡眠薬に対する不安感が強く、一生やめられない、量がドンドン増えつづける、ボケてしまうなどという誤ったイメージから、薬を処方してもらっても飲まなかったり勝手に減量したり、中止している人が多いようです。

私の毎日の診療は睡眠薬の誤解を解くこと、副腎皮質ホルモンの正しい使い方の説明、血圧の薬や高脂血症の薬の必要性・・・・・で振り回され診断や治療よりもそのほうが時間がかかってしまいます。

睡眠薬や安定剤(この日本語がよくない。トランキライザーと英語では呼び、穏やかにさせる薬、平穏にする薬、平静にする薬であり、安定という日本語に対する英語はスタビライザーですから訳が違っています。)に関しての偏見は医師や薬剤師にも多く、それが患者さんの偏見を助長しています。
(このあたりは私を含めて再度反省すべきですが)

不眠症の治療で必要なことは患者さんに毎日同じ時間に寝付けるように睡眠薬を積極的に使用して体に寝ている時間と起きている時間のリズムを覚えこませることです。
飛行機での移動などで起こるジェットラグ(時差ぼけ)は完全に新しい土地でのリズムになるまでに約1ヶ月かかります。
ですから滅茶苦茶な睡眠時間になっている人は、最低でも1ヶ月は薬を使用しながら同じ時間に寝なければ治療ができないということです。
1週間飲んで「癖になるから」と睡眠薬を中止していませんか?

第185段:医療費の使われ方

「増えつづける医療費抑制のために・・・・」という文句にはすっかり慣れてしまいましたね。
平成12年の12月に山口県の玖珂中央病院の吉岡先生が日本医師会総合政策研究機構にご依頼された調査の結果を発表されました。
この報告を見ると一人あたりの1ヶ月の医療費の額の順に医療機関から健康保険組合に提出された診療費の請求書(レセプトと呼ばれています。
日本語では診療報酬明細書)を並べて検討を加えられています。

 診療額の多いほうから1%未満のレセプト(患者さんの数)が全体の医療費の24%を使っているという結果が出ました。
(平成10年6月の資料で計算してあります。)

年間約30兆円の24%ですから7兆2千億円くらいです。そして上位から1~5%のレセプトが31%を占め合計で約55%30兆円の医療費のうちの16兆5千億円を使っているわけです。

さらに見てゆくと上位の20%くらいのレセプトで医療費の75%を使用していることがわかります。
ですから受診した患者さんの内、下位の80%が使用している医療費は25%くらいなのです。
通院患者を減らすことを目的で医療費の自己負担を引き上げても医療費の抜本的な改革にはつながらないということです。

更に医療を受けている人の内、入院患者のレセプト割合は3.5%ですが医療費は45%を使っていますので、入院を短くすることが、医療費を減らすことにつながっているということには異論がないと思います。
(第44段の「大安に退院するのが常識?」も読んで下さい。)

平成10年の6月のデータを示すと
外来患者さんの数は46,814,347でその割合は96.50%で696億円余り、
入院患者さんの数は1,700,349でその割合は44.40%555億円余りの医療費でした。

眼科と内科と整形外科を受診した人は3人と数えますので、実際の患者数とは実態は違います。
(国民の3人に1人が受診しているわけではありません。)

もう少し詳しく見てみると1ヶ月の診療費が100万円を超えるような高額医療費のレセプトは43,700枚で全体の約0.1%このレセプトの医療費が全体の5.5%です。
しかし上位5%のレセプトは5~6万円の医療費ですし、上位10%は3~4万円、上位20%は25,000円程度で、全体の通院の患者さんの平均は15,000円足らずですから、私の診療所での診療でも上位の10%以内に入る患者さんがいらっしゃるわけです。
入院の平均は33万円足らずです。
「1日の入院が1万円ちょっと」と考えてください。
ただし急性の病気や検査が目白押しのような場合にはこんな金額では収まりません。
胃の内視鏡検査だけでも1万円を超えますからね。
1週間の入院や2週間程度で退院した場合もその金額を1ヶ月の日数で割りますので金額が少なくなります。
医療費の計算は非常に複雑でこの欄では書ききれません。

また色々とご感想をお寄せください。

第184段:正しい鼻のかみ方

インフルエンザや風邪、花粉症の季節になると鼻を上手にかめないための問題が出てきます。
鼻は体にとって異物になる花粉やホコリが入ってくると体の外に押し流そうとして鼻みずを出します。
ウイルスや細菌などの病原菌に感染すると膿の混じったどろっとした鼻みず(黄色い感じですが、アオバナと呼ぶ人もいます。)になります。
鼻水はすすって押し戻そうとせずに鼻をかんでできるだけ出してやるようにしてやるのがよいのです。

 正しい鼻のかみ方は
①片方ずつかむこと(きちんと反対側に鼻を押さえること)
②鼻をかむ前には口から息を吸うこと(鼻を押し出すために多めに息を吸うほうが良いです)
③ゆっくり小刻みにかむこと(一気に出そうとせず少しずつかみましょう)
④強くかみすぎないこと(耳がツーンとするのは強すぎます)

両方の鼻を同時にかむと細菌やウイルスが鼻の奥のほうに追い込まれ難治化することがあるようです。
また中途半端に鼻をかんで、残った鼻みずのなかで細菌が増えることもありますので注意が必要です。
鼻くそほりも強くしすぎると鼻の粘膜を傷つけて逆に悪化させることもありますから注意が必要です。
幼児の場合は薬局などで「ズルズル」などと呼ばれる親が子供の鼻みずを吸い取る道具がありますのでそれをご利用ください。
子供はちょっと嫌がりますが、積極的に使うと風邪の期間が短くなったり、明らかに呼吸が楽になるようです。

 ティッシュペーパーは硬いのでできるだけやわらかいものを利用するか、ぬれたガーゼが皮膚にはやさしいと思います。
鼻の下がカサカサ、ヒリヒリしてもなめたり指でこすると余計に症状がひどくなります。
適切な軟膏を処方していただきましょう。

たかが鼻みず、されど鼻みず、不適切なかみ方で副鼻腔炎を起こしたり、気管支炎や肺炎になる方が少なくありません。
やさしくかんで早く鼻みずにお別れしましょう。

第183段:おもてなし

糖尿病などで食事内容に制限のある方にはお客様との食事では気を使いますね。
料理によっては脂が多く(これがおいしいものに多い)すぐにカロリーオーバーになってしまいます。
果物もおいしいといわれるものは糖度が高くここでもカロリーオーバーになってしまいます。

肉も値段からいうと昔に比べると相対的に安くなり、魚のほうが蛋白質の供給源としては高くなってきています。

「健康的な食生活を進めるために必要な食事方法は?」ときかれると説明するのが難しかったのですが、
「健康な食事は牛肉と豚肉を食べないこと」という単純な発想の方々と出会いました。
「菜食主義者ですので鶏肉と魚は食べますが、後は野菜だけ」というお話でした。
宗教的なタブーでもなく健康に良いと信じていると話していました。
アルコールもほとんど飲まず、タバコも吸わずでした。ただしたくさん食べていて肥ってはいましたが・・・
 
昨年お正月にインドネシアからの留学生が私の家に遊びにきましたが、豚肉はだめ丁度ラマダン(断食の月)の季節で(日の出から日の入りまでは食べ物を口にしません。)本当に厳しい神との契約を守っていました。

日本人は宗教に対する対処法がいいかげんで各地で様々な問題を起こしているようですが、真剣に考えないといけないようですね。
宗教上の戒律を単なる風習としか理解していない場合があるようで真剣に取り組んでいないのではないでしょうか?

沢山食べることを進めたり、アルコール類をどんどん進めるのは考え物です。
昔ながらの付き合い方でつい食事や飲み物をすすめてしまうのも事実ですが、もう一度相手の立場を考えて適切な食事のマナーとしたいものです。

おもてなしも飲ませて食わせて、腹いっぱいにさせればよいという考え方を改めなければいけない時代です。

次いでながらお客様に灰皿を出すのもそろそろ嫌がられる時代かもしれませんね。
喫煙するのが当たり前と考えていると時代に取り残されますよ。
灰皿はなくて当たり前、室内での喫煙はしないのが常識という考え方になってください。
オーストラリアなどでは公共の場での室内の喫煙は法律で禁止されています。

第182段:安全とは何か?

労働衛生コンサルタントとしての仕事もしていますので、安全についてもご紹介をしましょう。

日本と欧米の安全に対する考え方には大きな違いがあります。
日本では安全を「安らかで危害または損失のおそれがないこと」とされているようですが、欧米では「危害をまったくなくすことはできないので、些細な怪我は発生してもやむを得ない、しかし、重大災害は決して起こしてはならない」という考え方のようです。

「事故0を目指して・・・」とか「・・・根絶」などという絶対にできないことを目標にするために端から見ていると「本気でやっているのかな?」と疑いたくなります。
「事故を半減しよう」とか「重大事故・災害の回避」程度のほうが現実味がありますね。

英国の労働災害と日本の労働災害を比較すると事故の発生率は日本の方がやや低いのですが、就業労働者数に対する死亡者数は日本のほうが数倍高いのが現実です。

日本が「信頼性技術と人の教育・訓練に依存した安全を進めてきた」のに対して英国や欧州では「人はミスを犯す、人のミスのほうが機械の故障よりもはるかに可能性が高いので事故防止には可能な限り人に依存せず、さらに、人のミスより可能性の低い機械の故障に対してさえも、いずれ必ず故障が発生することを前提として、安全性の立証できる技術を開発し、実施してきたこと」との差が現れているようです。

 日本の考え方では「災害は努力すれば2度と起こらないようにできる」
 欧米の考え方では「災害は努力しても、技術レベルに応じて必ず起こる」

 日本では「見つけた危険をなくす技術(危険検出型技術)」
 欧米では「論理的に安全を立証する技術(安全確認型技術)」

 日本では「度数率(発生頻度)の重視」
 欧米では「強度率(重大災害)の重視」

 日本では「安全は基本的に、ただである」
 欧米では「安全は基本的に、コストがかかる」

 日本では「災害の主原因は人である。技術対策よりも人の対策を優先」
 欧米では「災害防止は、技術的な問題である。人の対策よりも技術対策を優先」

 日本では「管理体制を作り、人の教育訓練をし、規制を強化すれば安全を確保できる」
 欧米では「人は必ず間違いを犯すものであるから、技術力の向上がなければ安全を確保できない」

 日本では「安全にコストを認めにくい。目に見える具体的危険に対して最低限のコストで対応し、起こらないはずの災害対策に、技術的深耕をしなかった」
 欧米では「安全にはコストをかける。危険源を洗い出し、そのリスクを評価し、評価に応じてコストをかけ、起こるはずの災害の低減化努力をし、様々な技術、道具が生まれた」

というような比較がありました。
医療事故の問題や交通事故などに置き換えて考えてもらえれば日本と欧米との考えか他の差が良くわかると思います。

参考文献:国際化時代の機械システム安全技術(日刊工業新聞社刊)

第181段:お母さんを困らせる子供

幼児期には人前で「ウンコ・ブリブリ」、とか「おしっこ・かけるぞ」とか親が困って顔を覆いたくなるような発言をする場合がありますね。
ここ一番のおりこうさんにして欲しいときに、突然思いがけない言葉を我が子に浴びせられて赤面したことはありませんか?
子供を嗜(たしな)めると更に調子に乗ってその言葉を繰り返したり、エスカレートさせますね。
大人が本気になればなるほど手かつけれれなくなります。
子供は完全に遊びモードに入っていますが、大人は緊張モードのままですから、子供にとってはすごく面白い状況なのです。

こんなときには子供を無視するしかないでしょう。
しかしその状態になる前にもう少し子供とリラックスした状態を作っておくべきではなかったのでしょうか?
親の注意を引くためにいたずらをしたり、親が嫌がる言葉や行為をしている子供は多いようです。
その子が本当に手のつけられない子ではなく、遊びたがったり、緊張を和らげようとしたりの行動だとわかれば安心ですね。

かぜや下痢で受診されたときにこのような子供さんの行動を相談される方があるのです。
理由を聞いてほっと一安心、保育園や幼稚園果てはお友達などに責任を転嫁されいる方もありました。

こんな子供の様子をみてしつけの一環でしかりつけたり、無理やり止めさせようとしていると、ついつい手が出てしまいます。
話が大袈裟になれば児童虐待です。
様々な方の意見や育児の経験者を聞くと安心できますね。育児書にも書いてある話なのですが、肝心なときにはそのページが開かれていないのです。

目的を持って子供と遊ばないで自分も子供になって遊んでみるので一つの解決方法かもしれません。
いい子に育てようとばかり考えていると、子供にそこを見抜かれているのかもしれません。そして子供はわざと親を手玉にとって遊んでいるのかもしれませんよ。
子供に遊んでもらっていますか?
それとも子供と遊んでやっていますか?

第180段:注射のあとは揉まないで

私は治療で注射をするのはあまり好きではありませんが、インフルエンザの予防接種はしています。
予防接種などは皮下注射といって筋肉内には注射液を入れないように接種しています。
注射薬を早く散らすという考え方から注射部位を揉むと指導される先生もおられますが、私は局所反応を広げないほうが良いとの考えから注射部位を揉まないように指導しています。

幼児の三種混合ワクチンなどは揉むことにより手が余計に腫れることが多いように感じていてなるべく揉まないように指導されているはずですが・・・・・

打撲などで痛いところは揉んでやると一時的に痛みが和らぐ感じがしますので、注射のときも同じと揉んでしまっているのが実状ではないでしょうか?

予防接種のあとで揉むか揉まないかの話をしながらのインフルエンザワクチン接種です。

血管からの採血や静脈注射のあとはもちろん揉んではいけません。
痛みを和らげるためかもまれている方を見かけますが、親指できちんと押さえましょう。
絆創膏を貼っておしまいとか、肘の部分で採血された時には肘を曲げるだけで十分と考えていませんか?
きちんと止血できません。
揉まずに押さえておきましょう。

ついでながら、アルコールを含んだ綿で採血部位や静脈注射部位を押さえていませんか?
アルコールには血液を固まらせる作用を弱める働きがありますから乾いた消毒済みの綿や乾いた消毒済みのガーゼで押さえてください。
(アルコールが血液を固まりにくくするというところを読んでそれを目的に酒を飲んでも効果はありません。念のため)

筋肉注射は私も揉んでもらいますが、入念には揉んでもらっていません。

筋肉注射や皮下注射は一見同じように見えるため区別もされていない場合があるようですが、皮内注射、皮下注射、筋肉注射、静脈注射など注射の針も違いますし(針の太さ、長さ、針先の角度)、それぞれをきちんと使い分けなければなりません。
余りに無神経なスタッフがいて仕事をする気が失せたことが過去にはありました。患者さんの前では叱れませんからね。

この段は私の独断と偏見で書いている可能性がありますので、他の医師からのご意見も戴きたいのですが、如何でしょうか?

第179段:視点

医師に対しての戒めの言葉の中に「病気を診ず、病人を診よ」というのがあります。

「木を見て森を見ず」という言葉と一致しています。

私自身もそれでよいと考えていました。
ところが保健婦さんたちと話をしていると彼女たちはもっと違った視点から患者さんを診ているのです。
「家庭とか地域の中からの視点で見ていると病人に対しての治療や指導が生きていない」と映ることがあると話してくれました。
人間は家庭生活や社会生活の上に存在していますので、病気を診ずに病人を診ることに熱心だった私にはショックでした。
「家庭を診る」、「地域を診る」こんなトレーニングはほとんど受けた覚えがありませんでした。

「先生たちの治療や指導はあの家庭では受け入れることができませんよ」とか
「あの地域にそのような指導では患者さんがよくなる方法はありません」などといわれると
「えっ!どうすりゃいいの?」という感じです。

いわれてみればその通り、思い当たる節がありました。

医学教育特に医師の教育は専門医として技術や能力を磨くことに中心が移っているからではないでしょうか?
欧米ではその弊害をなくすために一般医を厚遇しすぎた傾向もあり、いま再びその流れが変わろうとしています。
日本は相変わらずの専門志向で進んでいるようです。

もっとも100年以上前のイギリスの医学雑誌には「最近の医学は細分化してしまって理解ができない」というような話が載っているようですから今だけが混乱しているのではないようです。

医師の視点も大きな病院に勤務しているときと開業してからは随分と替わるようです。
看護職や他の職種も同じで同じ医療機関といっても病気や病人家族や地域を診る診方が随分違うのです。

主治医が複数いたり様々な立場の人とお付き合いすることで自分の視点を変えてみることは大切なことだと思います。
治療するだけが医師の仕事ではないようですね。
(私の場合、視点を変えに出かけ過ぎていますか?)

第178段:毒娘と漢方

殺人事件でも利用される鳥兜(トリカブト)、附子(ブシ)、烏頭(ウズ)などとも呼ばれることがあります。
使用する根の部分によって名前が異なります。
確かに「きれいな花には毒がある」といわれるように、ハナトリカブトはきれいな紫色の花をつけます。
このトリカブトは加熱してやると毒性が弱まるため、医師が強心薬や利尿剤として用いるときには加熱をしたものを使います。
冷え性の治療薬にも含まれていることが多いのです。
ですから使い方を誤らなければきわめて有効な薬です。
毒性をあらわさないように少量から飲み始めてゆくと副作用や不都合な反応を押さえることができるからです。

昔の話で真偽の程は定かではありませんが、トリカブトを少量づつ食べると体が毒に慣れ(医学的には耐性を獲得したいいます。)初めて食べた人なら中毒死する量でも、慣れている人間は何ともないという状態にすることができます。
こうして毒に慣れた娘を相手方の組織のトップに嫁がせ一緒に食事をするとトリカブトを食べたことのない人はすぐに中毒死してしまいますが、一緒に食事をしていたために食品には疑いが掛けられないので娘には疑いの目が向けられないという話です。
このように薬草や毒物に耐性を獲得した娘を毒娘と呼んだわけです。

トリカブトの持つ不思議さと、慎重に扱えば毒も毒ではなくなるという証拠の話です。
また漢方薬の奥深い世界にはこのようなトリカブトの中毒を見つけた時の解毒法(救命法)も書いてあるようですが、私はその方法を知りません。

この話のもう一つのポイントは漢方薬でも同じくすりを長く飲んでいると時には効かなくなる可能性もあるという点です。
抗生物質などが効かなくなるメカニズムとは若干違いますが、長期に連用すると効かなくなるという点では同じかもしれません。
漢方薬だから長く飲まないと効かないという話は真理ではないと以前に書きましたが、トリカブトの効き方を見ているとそれを如実に感じます。
冷え性の患者さんなどは夏と冬とではトリカブトの量が3倍くらいに増えたり減ったりします。
手を変え品を代えながら治療しているのです。

第177段:入浴の指示と根拠

3~4歳の子供が風邪にかかったとき小児科医がどのような入浴についての指示を出しているかが集計されました。
条件付で入浴を許可した239人の小児科医の回答です。
(入浴を許可しなかった医師の数は不明)

『長時間入浴しない』が39%
『風呂でよく温まる』が17%、
『ぬるい湯に入る』が6%で
『熱い湯に入る』が2%、
『疲れない程度に入浴する』2%

など様々な回答がありました。

「湯冷めしない』が35%で第2位、『入浴後すぐ床に入る』が32%などが多い回答でした。
『2~3日に一度の入浴にする』は2%の回答で『入浴後しばらくして寝る』は3%でした。回答が正反対のものが含まれていて診察室で困ってしまうお母さんやお父さんの顔が見えてくるようでした。

その論文の考察の部分から一部引用します。
「身体に対する入浴の影響は、42℃の湯温では脈拍の増加、収縮期血圧の上昇、拡張期血圧の低下、呼吸数の増加を、一方37℃の湯温では脈拍はやや増加、収縮期及び拡張期の血圧の低下呼吸数の増加をもたらす。
入浴が体温に与える影響に関して、40℃および42℃の湯温で11分浴では直腸温の上昇を認め、発汗、顔面紅潮が見られ、40℃の湯温で5分浴および38℃の湯温で11分浴では、40℃および42℃の湯温で11分浴に比べ直腸温の上昇は有意に低く、発汗や顔面紅潮は認められなかった」と引用してあります。

温度計でお風呂のお湯の温度を測ってみたことがありますか?
42度のお湯に入ってみてください。
37℃のお湯に入るとどんな状態ですか?
一度経験してご報告をいただけると喜びます。(私はどちらも経験していますが)

湯船に11分つかっているのは結構しんどいですよ。
そこまでやっても人間の体の変化はごくわずかということです。
安心してご入浴ください。
直腸温が高くなったということは本当に体の芯まで温まったということです。
直腸温が上がる前にふろから上がれば心底温まっていないはずですが・・・・・

今年も風邪の季節が近づきまた患者さんと入浴するかしないかで混乱するのでしょうか?
今年はやる風邪も入浴した方が早く治る風邪です。
皮膚を清潔にしたほうが、風邪は早く治りますよ。
(論文はプライマリケア vol23 No.3 20009月号234頁~)

第176段:減らない結核

平成12年9月22日厚生省は結核の発生動向を発表しました。
それによると新規に登録された結核患者数は48,264人で前年に比べ4,248人増加していました。
平成8年から9年が243人の増加で、平成9年から10年の増加が1,301人でしたから増加のスピードは著しいものがあります。
結核による死亡者数も増えて2935人でした。
死亡原因の22位から21位に上昇しています。
死亡者数も前年より140人の増加でした。

人口10万人あたりの罹患率は38.1です。諸外国と比べてみるとオーストラリアが4.9、スウェーデンが5.0、米国が6.6、オランダが7.7、英国9.6、デンマーク9.6、イタリア10.0、フランス11.5、ドイツ12.7でした。日本が飛び抜けて高いことが分かりますね。

医師にも国民にも過去の病気という認識が多いようですが、先進国の30年以上前の数字にはるかに及びません。
他の病気などでの指標は優秀なのですが結核だけはまだまだ安心できません。
長引く咳や発熱体のだるさを感じたら必ず受診をしてください。
胸部のレントゲン写真を撮ることが早期発見の手がかりです。

都道府県別に見ると大阪は74.9、兵庫は53.0、和歌山が50.0、徳島が49.4、大分が48.4、低い方の長野が17.3、山梨が23.4、宮城が26.9、栃木は27.1ですが、低い方の県でも桁違いですね。
真剣な対応が求められていると思います。
ちなみに島根は29.6でした。

第175段:包帯が巻けない看護婦

整形外科では現在も包帯を使用することが多いと思いますが、私の経営しているような小さな診療所では包帯の在庫はほとんどありません。
傷はガーゼと絆創膏で処理してしまいます。

新人の看護婦さんたちの包帯がうまく巻けないという印象はかなり前からあったようです。
昔の包帯は巻くのにかなりの技術を必要としましたが、今の包帯はそれほどの技術を必要としなくなりました。
包帯の巻き終わりも昔は割いて結んでいましたが、クリップになりやがて絆創膏で止めるようになったり、包帯そのものがくっつくような素材のものまで表れています。
包帯法を勉強するより様々な他の看護の知識を学ぶ時間が多くなったせいもあるでしょう。
包帯も満足に巻けないと愚痴をこぼされるベテランが少なくありません。

医療技術や処置に用いる材料が大きく変わり医療の現場では毎日のように新製品が出てきます。
それぞれを評価してどれが適切かを思案している暇がないほどです。
新しいものを理解する時間がかかり過ぎ、古くからの技が伝達しにくい現場です。こんなところからも包帯が巻けない看護婦が出てくる要因があります。

第174段:人間の寿命

人間の寿命はどのくらいなのでしょうか?
私の住む益田市はあまり汚くはありませんが「清流?、高津川」が流れています。
(橋の上からの写真集でお楽しみください。)
その高津川も鮎が取れることで知られています。
(日本一の鮎の川を宣言される川が全国にあります。)
その鮎は寿命はほとんどが1年(天寿を全うする前に食べられるのも、鮎に生まれた悲劇。)です。
自分の子供と遊ぶこともなく死んで、あるいは殺されます。

目を人類に向けてみると人間は20年近く生きて子孫を残すことが可能になり、子は言うに及ばず、孫、ひ孫、玄孫(やしゃご)まで見ることが可能な動物です。
野生の動物としての人類の時代なら歯が抜ければ獲物は食べられないし、骨粗しょう症などで骨折をしたりすれば動けなくなり命を失っていたはずです。
目が悪くなれば獲物も取れません。
筋力も落ちれば走っても逃げ遅れます。
自動車があればこそ60歳や70歳でも時速60キロで自分で移動できるのです。

体の動きなどは人類の発生時期に自然に寿命が決まっていたわけではないでしょうが、20代から30代がピークでしょう。
スポーツの世界でも40才代のチャンピオンが地位を維持できないのがそのを証でしょう。
内臓も同じようにいつのまにか老化します。
関節などの骨も磨り減り不調をきたしてきます。
脳も内臓と同じですから老化してくれば不調をきたします。それが痴呆でしょう。

ギリシャ時代の記述に人間が流行病や大怪我をしなければ70歳ぐらいまでは生きられるとかかれているようです。
そのあたりが神様が創ってくれた人類の寿命かもしれないとギリシャ時代の人は考えたのではないでしょうか。
人生80年時代といわれますが、肉体はどこまで寿命を延ばすことができるのでしょうか?

第173段:人間50年

「人間50年・・・・」というくだりはしばしば用いられます。
本当に人間の人生は本来50年ぐらいのものなのでしょうか?
手元の資料で1985年以降の各国の調査結果を見てみました。
調査は50歳以上の人の死亡者が国全体の死亡者の何%を占めているかです。
もちろん日本が一番で92.6%
(逆にいえば死亡者全体の7.4%が50歳未満ということです。)

日本     92.6%
イスラエル  88.9%
アメリカ合衆国86.7%
キューバ   82.4%
チリ     79.6%
メキシコ   62.6%
コロンビア  57.2%
フィリピン  55.3%
クウェート  52.0%
イラン    46.1%
ペルー    42.5%
バングラデシュ32.5%

人生50年という言葉にも達していない国が意外とあるものです。
バングラデシュの32.5%という数字には私自身も驚きました。
10回の葬式のうち7回近くが50歳以下の人の葬式という勘定ですね。
人間の寿命については173段で考えてみます。

今年は国勢調査の年でした。
集計が出るとまた私なりの偏見で解説を加えてみましょう。
統計はどんな色眼鏡で見るかで解釈が大きく変わります。

第172段:生後半年は病気をしやすい!

「赤ちゃんが風邪をひきました。母乳を飲ませ手育てたのに・・・・」と話され、
医師の私が「そんな話をどこで聞いたの?」と聞き返します。
むかしはそんな話があったのですね。

出産の後から5日目頃までが初乳、約3週間ぐらいの間は移行乳と呼ばれる普通の母乳(成乳)とは少し色の違うお乳が出ます。
このお乳の中には分泌型IgA(ぶんぴつがたアイジーエイ)と呼ばれる抵抗力の成分が含まれていますが、この免疫成分で全ての感染症の免疫を受け取れるわけではありません。

生後半年までくらいの間には赤ちゃんが感染症をもらわないように乳首もきれいにして授乳していますし、哺乳瓶なども消毒して使っているはずです。
風邪を引いている人が近づかないようにしていたりいろいろと気を使っているのは、赤ちゃんが病気を移されやすいからです。
自然の内にしている行動なのに体調を崩すと「赤ちゃんは病気をしないと聞いたはずなのに」と問い掛けられます。

大人以上に病気にかかりにくい状態ならあそこまで清潔にしないでも良いはずです。
普段の行動と自分の持っている知識とが一致していないことに気付かれましたか?
日本の乳児死亡率は世界で最も低く1000人の新生児のうち最初の1年間に死亡する児は4人以下です。
発展途上国などではこの数字が100台ですから本当に桁違いの数字なのです。

話は元に戻りますが、誤った知識での育児や健康法がまかり通っています。
もう一度知識の整理をしてみてください。
風邪を引いて熱が下がった方が良いのならどうして裸で外に出ないのでしょうか?
大した熱でもないのに熱さましを飲んで、体が冷えて振るえながら布団にくるまって体を温めようとしていたり、清潔が一番とアトピー性皮膚炎の患者さんや老人性皮膚ソウヨウ症に薬用石鹸を使ってかゆみを増加させていたりといいかげんな知識で健康障害を受けている人たちが以外と多いようです。

母乳に含まれる分泌型IgAでは全ての病気を防ぐことはできません。
清潔な環境で病気にかからないようにしてあげましょう。

第171段:医師の喫煙率と喫煙問題

日本の医師の喫煙率が明らかにされています。男性の医師が27.1%、女性の医師が6.8%、一般国民の男性が52.8%、女性が13.4%ですから医師は約半分程度といえますね。
呼吸器科や循環器科の医師はタバコ関連疾患が多いためか喫煙率が低いようです。

この調査では医師のタバコに対する意識調査もしており、「医師という立場上、タバコを吸うべきではないとおもうか?」との質問に対して、喫煙者でも41.4%(ニコチン依存度が中等度の医師)が「はい」と回答しています。
非喫煙者の中では83.3%の人が「医師はタバコを吸うべきではない」と回答していますが、16.7%の非喫煙者の医師は態度を明確に医師のタバコを否定していないところが興味があります。

タバコは何度も書きますが、ニコチン依存症つまり薬物中毒です。
飛行機の中が全面禁煙になっても日本人だけは隠れてタバコを吸っていると批判があります。行儀が悪いようです。
シンガポールはタバコに厳しい国でレストランの中では禁煙ですが、入り口に大きな灰皿がありそこを通って店内に入るとき煙を吸ったり(間接喫煙)嫌な匂いをかがされるので気分的にはよくありませんでした。

心筋梗塞や脳卒中の対策に起こってからの対策が取り上げられますが、タバコを止めさせるキャンペーンや指導の方がはるかに効果的です。
結果としてみれば税収の落ち込みよりも健康獲得で医療費の軽減の方が大きくなっているデーターがあります。
世界的に見てもタバコは旗色が悪く元気の良いのは日本ぐらいです。自動販売機やテレビや雑誌での宣伝もほとんど野放しなのは日本ぐらいでしょう。

でも古い映画の中でのタバコのシーンはかっこいいですね。
タバコに嫌悪感を持ち始めると名作の価値が落ちてしまうような気がして・・・・
今それが悩みの種です。
これからの時代はタバコを吸うシーンにかっこよさを感じてはいけない時代なのでしょうか?
(ちょっと寂しい?? でもタバコはだめ!)

第170段:労働者の健康問題

10月1日から7日までは全国労働衛生週間です。
(労働省としての最後の年度です。)

今年のスローガンは
「ミレニアム つくろう 心とからだの健康 快適職場」です。
(政教分離を掲げる日本の政府が「ミレニアム」などというキリスト教のお祭り用語をスローガンに掲げるのはなんともこっけいですが、内閣や他の省庁も使用していて、日本では宗教用語という認識がないのが、日本の非常識さを表していますね。)

日本の労働者は1年以内に1回は(1年に1回ではなく1年以内に1回です。)定期健康診断という健康診断を受けなくてはなりません。

この検査の平成11年の結果の全国集計を見てみましょう。

なんと有所見者(つまり正常と考えられる基準値に入っていない人)の割合が
全国で42.89%、
島根県では49.81%(ちなみに島根県の平成10年度は54.64%!)でほとんど2人に1人は有所見者という事態になりました。


いくらなんでもちょっと多すぎませんか?
健診項目については第166段にも書いていますがこんなに所見を持つ人が多く、そのほとんどが自覚症状がないわけですから検診後の説明には大変な労力を強いられます。
先ずなぜ所見があると診断されたかを説明し、今後の起こりうる病気の可能性を説明し、今対策が必要かどうか、必要ない場合には次回の検査までの注意、必要があればその内容と多岐にわたります。

昔のように症状があって受診されるのならまだ理解もできるでしょうが、現在の生活習慣病の対策などでは「なんで医者のあんたにこんなことまでも文句を言われなきゃいけないの?
俺の人生だ好きにさせてくれ」と文句ばかりを言われます。
トピックスでも紹介したように、最近は高血圧や糖尿病も判定基準値が厳しくなり受診者数は3倍ぐらいに増え、説明の難しさは3倍ぐらいになり以前よりも9倍も10倍も説明に時間がかかる感じがします。
(正直言ってもう勘弁して欲しい!)

健診であれこれ注意するより、健康教育に力をいれてタバコを止めさせる方がはるかに効果的ですよ。21世紀(ああキリスト教に毒されている)の医師の仕事はタバコの害から国民を守ることです。

平成12年9月の国際肺癌学会「禁煙」東京宣言の一部を紹介します。

「肺癌は世界で癌死の最も高いものである。男女共にその発癌発病率の急増は警鐘を鳴らす状況にある。肺癌の9割は喫煙及び受動喫煙によるものであり、そのため予防可能なものといえる。喫煙はその他の多くの癌、循環器系疾患及び慢性肺疾患の主な原因ともなる。子供の喫煙によるニコチン中毒は世界的な流行病であり、速やかな対応を必要とする。
禁煙は肺癌発生の抑止と、高騰する医療費の抑制を計る最良の方法であり、ひいては世界人類の公衆衛生の向上と豊かな生活を成就することができる。」

第169段:「ちょっと、おもらし」意外と多い

尿失禁と呼ばれる「おもらし」は意外と多い状態なのに人に言えない悩みの一つですね。
日本人での調査では40歳以上の3500人に調査をした結果、男性の10.5%、女性の53.7%が過去1年間に尿失禁をしていることが判明しました。
結構『おもらし』をしているのですよ。
ご安心下さい。

原因の病気も様々ですが、受診をして尿が近い、間に合わないなどと話されればかなりの方は改善する方法があります。
薬や体操で筋肉を鍛えることで対応できます。
適切な治療を行えば平均144日で約9割の方が悩みから開放されます。
5ヶ月近くかかるのが平均ですから、1~2ヶ月で結論を出さずにじっくりお付き合い下さい。

この尿失禁は病気と意識している人が少ないことも受診されない原因の一つでしょう。
病気と認識している人は4人に一人、治癒が可能と考えている人も38%しかいません。
3人に2人は治らないと思われているようです。
そして63%の方々が年齢によるものとして半ばあきらめておられるようです。

診察の現場では、しばしば
「年齢のためですから」とか
「年には医学も勝てませんから」などとお答えする場面が多く、
受診される方も
「尿失禁もきっと年齢のせい」、
「恥ずかしいところの話で・・・・」などと考えられると、快適な生活を失うことになりますね。
思い切ってお話ください。

「ちょっと、もれます。」

第168段:バリアフリーは危ない?

最近の住宅や公共施設のバリアフリー(社会的弱者に対する設備の配慮)はかなり進歩してきました。
車椅子のままで利用できる場所の拡大、段差の解消によるつまずきの解消がなされて、生活しやすい環境になりました。

ところが、いわゆるアウトドア生活をさせてみるとバリアフリーになれた人間は、地面の上にでこぼこがあるという意識が低くなりましたのでよく転びます。
更に最近の特徴として転び方も下手になったようです。
子供たちの怪我を見ると倒れるときに手をつかず、いきなり顔面を地面や壁に激突させ怪我しているようです。

段差の多い幼児施設で育った子供はバランス感覚が良く転倒や怪我が少なく、バリアフリーの幼児施設で育った子供は転びやすく怪我が多いという報告もあります。
危ないから自分が注意をする。
危険すら感じないから何もしない。
この差が出ているわけです。
不自由なところを利用するから利用しやすいように工夫をしたり、様々な技術を得ようとするのが人間です。
安全に簡単に利用できるようになると工夫も技術の習得もなくなります。

技術の習得といえば、最近の子供はマッチで火がつけられないようですね。
「マッチ1本火事のもと」なんて言葉は最近の子供には理解できないのではないでしょうか?

火の話のついでにやけどの話を2つ、子供さんが手のひらを火傷して受診してきました。
祖母が安全だからと購入した電磁調理器で火傷をしました。
加熱したナベを調理器からはずした次の瞬間に孫が自然冷却する前の熱い電磁部を触ったからです。
「安全だと信じていたのに・・・・」という言葉が忘れられません。
幸い傷跡が残るような火傷ではありませんでしたが、過信は禁物です。

もう一つはファンヒーター火が見えないストーブですから子供がファンヒーターの送風口に背中をくっつけていて火傷して来たことがります。
背中の3本の火傷の線とファンヒーターの送風口の間隔が物差しで計ったらきっちり一致しました。
火が見えないから安全ではありません。

安全装置がついていたり、バリアフリーにすれば全てが安全で問題なしと考えていませんか?
そこで問題が起こると大騒ぎになるのが常ですね。
なぜそうなったのかと大騒ぎをする前に、バリアフリーなら大丈夫という考えが誤りだということに気付いてください。

第167段:検診の有用性

人間ドックという考え方は日本では非常に良く受け入れられていますが、諸外国ではどうでしょうか?
外国では多項目検診として知られていますが、ドックなどという言葉は存在しません。
私は多項目検診を否定するつもりはありませんが、効果的な検診かどうか疑問はもっています。

医療に限らず一般に、日本では制度、施策について実施後の評価が欠如しているといわれています。(私も同感です。)
検診などでは見直しで検診内容が簡略化されたことは、学校検診でのきょうぶX線検査や胸囲・色覚検査などでそれ以外はほとんどが追加と拡大の見直しでした。
やらないよりはやったほうが安心とか一人でも異常者が見つかればコストは無視するという考え方が根底にあるようです。

米国や英国、カナダなどでは健康な人に年1回の定期健康診断をすることに対して実施し始めてからその効果についても評価しています。
1922年から定期健康診断を提案した米国医師会は1989年に予防医学に関する研究班報告が作られ、「定期検診に含むべきという確かな証拠(evidence)がある」という検診項目に『A』をつけられたのは血圧のみでした。
「定期検診に含むべきという証拠(evidence)がある」という検診項目に『B』をつけました。
Bに含まれている検診項目は身長・体重と血液中の総コレステロールの2項目でした。「定期検診に含むべきか否かの証拠(evidence)が乏しい」という検診項目には『C』をつけ視力、聴力尿糖、貧血検査、中性脂肪、HDLコレステロール、血糖、心電図などがこれに相当します。胸部のX線検査での肺がん検査は「定期検診に含めないとする証拠(evidence)がある」とされる『D』のランクです。

 約10年前のレポートですので最近の研究結果からは否定的な結果が出ているかもしれませんし、日本人とアメリカ人の病気の頻度の違いなどで同一視はできませんが、興味のある話です。
(私の本音の感想では2000年の9月の段階でも確実な証拠のある検診項目は増えていないのが現状です。現在、証拠探しをしている最中ですし、今までよりも精密な検査方法が開発されていますので結果を待っているところです。)

この段での私の本意は検診結果で精密検査の必要を認めなかったからからだの全てが健康と錯覚してはいけないということと、検診内容については意外と疑問な点が多いのだということを知って欲しかっただけです。

もちろん私としては更なる健診制度の充実を望んでいますが、それより先にタバコ対策をといいたいのですが・・・・・

第166段:山の中で溺死

数年前のことです。
夜の10時半を過ぎた頃に警察から死体検案の要請がありました。
大都市と異なり私の住んでいる田舎では、病気以外の不審な死亡者の死亡原因を確定するために開業医が呼び出されることがあります。
夜の町でお酒を飲んでいるところに電話が入ったので、タクシーを呼び運転手に行先を言うと「そりゃどの辺りですか?」と聞かれ、道案内をしながら約20キロメートル以上離れた現場へと向かいました。
車を降りるときに帰り道を運転手に指示した後、警察の鑑識の方々と検案を開始しました。
標高300メートルくらいの山の中での溺死でした。

水道のない地区ですから山からの湧き水で生活をされていたようです。
その日、水源からのパイプが外れて水が家まで届かなくなり、修理に出かけたところでケイレンの発作が起こり、倒れたところが水溜りで水を吸い込み溺死されたようでした。

近所の人たちも時々ケイレンで倒れられるのを目撃されていましたし、受診していた病院との連絡でも薬の飲み方が不規則だあったことが判明しました。
独居の50才代の男性でたまたま肉親が彼の自宅を訪問した日の出来事でした。
訪問がなければ発見がさらに遅れていたでしょう。

死体検案が終わった頃には午前1時近くでした。
お酒の酔いも消え、疲れが襲ってきました。
警察の車で送っていただきながら車中、「水道がついていれば・・・・」と田舎の悲しさに思いをめぐらせていました。
訪問診療をさせていただく山間部のお宅には現在も上水道はもとより簡易水道もありません。
都会の方々には信じられないような生活がここにはあります。自然の中でうらやましいという言葉はよく聞きますが、現実の生活はやはり厳しいものです。

今年も雨の少ない夏ですが、山水を利用している患者さんが風呂の水が確保できないと話されているのを聞き、水道の水の話から山の上での溺死の話を思い出しました。

第165段:日本の医療システムのランキング

2000年7月12日にWHO(世界保健機構)が世界191カ国の医療システムを初めて評価しその結果が発表されました。


気になる結果は、日本は191カ国全体で10位、主要諸国の中では第6位でした。
主要諸国中第1位はフランス、そしてイタリア、スペイン、オマーン、オーストリアと続いていました。
第1位のフランスの評価が高かったのは今年から始まったフランスの医療保険制度が不法入国者も含めて健康保険が使えるようにするというシステムを導入したことでした。
一般的に医療保険制度の充実している北欧よりも南欧の方が評価されていることも注目されています。

医療費負担の公平性、国民の健康状態とその偏りの有無、患者ニーズへの対応、など5項目と医療費総額をもとに、評価を行っていました。
5項目のみの総合評価では日本は1位でしたが、医療費を考慮に入れた最終評価では10位にとどまったようでした。
健康状態の指標として使われた、障害の程度を考慮に入れた平均寿命では、日本は第1位でしたから様々な指標があり一面だけでは評価しきれないものだということを感じました。

日本人が気にするアメリカは医療費の対GDP(国内総生産)比が191カ国中最も大きいものの、医療システムとしての評価は37位でした。
日本の高い医療費というキャンペーンがしばしば行われますが、諸外国と比較してみると高い人件費の日本の医療費の低さが目立つのですが如何でしょうか?
新しい資料を見つけたらまた紹介します。

第164段:劇薬と毒薬

文字だけ見るとどちらも怖そうですね。
毒薬の方が劇薬よりも毒性が強い薬です。
副腎皮質ホルモンの軟膏のチューブに「劇」の字がついていたので塗るのが怖くなったと話された患者さんがありました。
たしかに劇薬を塗っていただいていますが、それよりもはるかに効果の強い飲み薬の副腎皮質ホルモンは劇薬に指定されていません。(プレドニゾロン)
改めて調べてみると意外な事実に気付きました。
(正直なところ劇薬を処方するという意識が私にはほとんどありません。)

子供の解熱剤でよく使われるカロナール細粒(アセトアミノフェンという成分)も劇薬です。
ところがアスピリンは劇薬に指定されていませんが、医療の現場ではアスピリンはライ症候群という症状を引き起こし、小児には危険だということで使用しないように注意が促されていますが、劇薬ではありません。
子供にとって危険といわれる薬が劇薬の指定がなく、推奨される薬の方が劇薬という事実をどう考えられますか?

劇薬も毒薬も厚生大臣が薬事法により指定している薬です。
保管や取り扱いに厳しい制限がありますが、劇薬指定になっていなかった薬が、ある日突然、劇薬に指定されることもありますし、薬の成分が1錠に100ミリグラム含まれているときには劇薬ではないが、200ミリグラムになると劇薬の指定を受けている(テオフィリンという成分)気管支拡張剤とかを見ていると劇薬に対して感覚が麻痺してしまいます。

漢方薬でも、殺人事件に使用されたトリカブト(附子{ブシ})は劇薬ですが、トリカブトを含む麻黄附子細辛湯(マオウブシサイシントウ)は劇薬ではありません。

高血圧や狭心症でよく使われるアダラート(ニフェジピンという成分)、アムロジン・ノルバスク(ベシル酸アムロジピンという成分)なども劇薬ですが、かなり多くの患者さんが飲んでおられる薬でのはずです。

厚生省の薬事行政や法律を非難するつもりはありませんが、こんな状況ですから私自身は劇薬という言葉を患者さんが考えられるほど慎重に処方をしていませんでした。
もう一度自分の処方した薬を点検してみます。

第163段:選挙のポスターの背景の色

平成12年の7月は益田市の市長選挙と市議会議員選挙がありました。
ポスターを見ていて市議会議員の上半身~顔写真の背景の色が目にとまりました。
市長候補の2人と市議会議員の候補者32名で合計34名のうち21名が薄い水色か青のバックで、青い空と白い雲の背景の3人を入れるとなんと24名が青系の寒色を背景に使用されていました。

黄色が1人、黄緑が2人、庭の景色が1人、暖色系の方や白の方が6人です。
青には清潔なイメージがありそれを利用されたのかもしれません。
夏の選挙なので涼しげなブルーが好まれたのかもしれません。
青は寒色系の色として嫌う人も多いのはトピックスの欄で取り上げたこともありますが、選挙用のポスターの背景にこんなに多いとは思いがけませんでした。
もちろん肌色を際立たせる効果も青系にはありますし、見た目に良いのが青系だったのかもしれませんね。
あなたの地区の選挙ではどのような背景の選挙ポスターが使用されていたのでしょうか?
次回の選挙の時の結果を教えてください。

青は気持ちを落ち着かせ、時間の経過を短く感じさせるのでお客さんの入れ代わりが多い方が良い商売では嫌われてしまいます。
暖色系の赤系統の色は時間を実際よりも長く感じてしまいますので、結果的には客の回転率が高まり儲けが増える色なのです。
たかが色でと考えないで下さい。
意外な事実があるのです。

第162段:飲む薬が16種類!

「私は2人の先生(もちろん別の疾患で)から薬を処方されているけれども、全部で16種類もあるのです。飲むのも大変だけど、薬同士で作用が増強したり、減弱したりしないのですか? 本当にこんなに飲んでも大丈夫ですか?」と質問された看護職の方が「答えに困った」と相談にこられました。

私の答えは「薬剤師がそれぞれの処方に対して専門的な立場から判断していますので、心配は無用でしょう。
次回薬局を訪れたときに確かめてくださいと答えて下さい。」でした。
ずいぶん冷たい答えのようですが、こうしか答えようがありません。

しかし私は続けてこうも説明しました「たった16種類ですか? 私は漢方薬をよく使いますが、漢方薬には数種類多いものは十種類以上の薬草などが混じっていて、一つ一つの薬草には数種類、多いものでは十数種類の以上の有効成分が確認されていますから、有効成分の数だけで比べれば漢方薬のほうが薬品数は多いのですよ。」
相談に来られた看護職の方の驚きが大きくなりました。

日本の厚生省は、基本的に一つの錠剤には1種類の成分だけを含んだ薬を認める方針ですから、漢方薬や一部の例外的な薬を除き、中身は1種類の薬品です。

錠剤やカプセルは薬がある程度の時間をかけて解けるようにしたり、長期間保存できるようにとか、錠剤として固めるための成分とかを混ぜ合わせひとつの薬にしています。
このため薬が多くなると、でんぷんや乳糖というような無害の成分をかなり飲まなくてはなりません。
量もさることながら数も増えますから大変です。
でも漢方薬のような作り方だと、飲むのは1種類に見えますが実は数多くの薬品や自然の化合物が含まれているのです。

たとえば風邪のときに比較的よく使用される葛根湯(かっこんとう)という薬では葛根(カッコン)、麻黄(マオウ)、生姜(ショウキョウ)、大棗(タイソウ)、桂枝(ケイシ)、芍薬(シャクヤク)、甘草(カンゾウ)という7つの生薬(ショウヤク)と呼ばれる漢方薬の原料の草や木の実、根や茎などを加工した後煎じるわけですが、この中の葛根の主要成分ではdaidzein, daidzin, puerarin, genistein, formononetin, puerarol, kakkonein, soyasapogenol A, sayasapogenol B, kudzusapogenol A, kuzdzusapogenol B, kudzzusapogenol C, kudzusaponin A1, kudzusaponin B1, kudzusaponin C1, sophoradiol, D-mannitol, miroestrol, succinic acid, allantoin など20種類が主要成分として考えられています。このような成分が7種類の薬草で混ざり合っていますから、100種類以上の成分を漢方薬では飲んでいるのですね。

普通の錠剤やカプセルがいかに少ない種類の薬品で体を治しているかが良くわかると思います。
しかし漢方薬ではこれだけのものを飲ませても対した副作用もなく病気を治すことが出来るのですからこれまた凄いことです。
漢方薬は自然治癒力を援助する効果もありますから、薬の力も凄いけど人間の力も凄いなと感じませんか?

だから錠剤やカプセルが16種類といわれても私は別に驚きません。
(でも、飲むほうの身になるとやはり多いと感じますよね。)
薬が多いなと感じるときには、医師や薬剤師に少し多すぎると注文をつけても良いですよ。
でも減らすことができない薬が多いのも事実ですが、文句をつけると怒られるとか、怖い、お互いの関係が気まずくなるので我慢するというお考えの方もありますが、結局損するのはあなた自身です。

直接、医師や薬剤師にはいえないけれど他の職員なら何とかなりそうだとかいろいろ手立てがあるようです。
「薬が多い」と言ったら医師が怒り出すのは医師の方にも責任があることを認めますが。
けんかを売るような口調で文句を言われると私でも怒ります。
そのあたりの会話を上手に成立させてください。

「それにしても、やっぱり16種類は多いなあ・・・・・」
「沢山薬を出して、患者さんを困らせているのは私かな? そう言えば怒ったこともあるなあ・・・・・」

反省、反省、反省・・・・

第161段:出生率低下の一因?

2000年の6月の日本心身医学会での発表の中から目を引いたものを紹介します。
日本人の性交回数についての報告です。
日経プロフェショナルメールから引用しました。

「性交回数は男女ともに30代で最も少なく、月2回にも満たないという調査結果が出た。22日から東京で開催中の第41回日本心身医学会の一般口演で、天理よろづ相談所病院診療内科の岡部憲二郎氏が発表した。」
                
調査の対象は健康な社会人311人。
アンケートを実施したところ、276人(男性118人、女性158人、平均年齢36歳)から回答が得られた。
60代二人を除く既婚者124人の年間の性交回数について、年代別の平均を見ると、
20代が42回、30代が21回、40代が30回、50代が26回、
と、30代で最も少なかった。
なお男女間には有意差がなかった。        

結果に対し、100人程度の面接調査でも同様の結果だったとするフロアの医師から、
「この世代は情報過多の時代に育ち、人対人の関係におけるQOL(第1段を参照してください)向上の手段としてセックスを位置付けていないのではないか」との意見が出た。                                        
この結果を低い出生率と結びつけるのは問題が多いとは思いますが、日本人の性交回数の少なさがここでも証明されているようです。
第119段のピル解禁でも書きましたが、実際の数字を見るとフランスやアメリカとはけた違いに少ないことがわかりますね。
何人かの方々にこの数字をお見せしましたら、私は平均以下ですというお答えを戴いていてやっぱりと思いました。

第160段:「なし」と「りんご」どっちが好き?

漢方薬の勉強会である先生から「人間には暑がりの人と寒がりの人と中間の人がいますね。
そのうち暑がりの人(漢方では熱症と呼びます。)の人は、「りんご」と「なし」では「なし」がすきと答えることが多く、寒がりの人(漢方では寒症と呼びます。)は「りんご」が好きと答える傾向があるようです。」と聞きました。
確かに梨を食べると水気が多くて冷える感じがします。
林檎にはそのような印象がありませんね。

野菜や果物は一般的に生で食べるとカリウムが豊富ですので体が冷えやすいのですが、茹でてしまうと茹で汁の中にカリウムが出るため暖めた野菜を食べても体が冷えないわけです。
生の野菜サラダや果物ばかりを食べていると冷え性が多いのはそのためなのです。
野菜は生で食べるとごわごわしていますから思っているほど量を食べません。
茹でると嵩が減って食べる野菜の量が増えますので健康的です。
調味料のドレッシングにも油があったり、マヨネーズはカロリーが思いのほか多いので注意が必要ですね。

夏の水気の多い果物は体を冷やしますのでご注意ください。
カリウムはナトリウムといわれる高血圧のときの嫌われる塩の効果を減らすことが出来る物質ですから摂取されることをお勧めしていますが、体の冷えの原因にもなるものです。
過ぎたるは及ばざるが如しですからほどほどに。

第159段:捕って食べるから買って食べるへ

人類が地球上に現れたころには植物や動物を捕って食べていたようです。
その後、農業の始まりにより自然に育っている植物を排除し、自分たちに都合の良い植物を栽培してその実などを食べるという「環境破壊の第一歩を踏み出しました。」その時代が作って食べる時代でした。

やがて仕事が分化し始めてからは食材を作る人、料理を作る人のように別れてはいましたが、作って食べる時代でした。
いまや食事は外食、家庭で食べる場合も金で買って家で食べるだけという時代です。

この時代の生活の仕方を否定しても受け入れてもらえません。
買って食べる時代にお母さんの手作りの料理をと叫んでみても自分が孤立するだけです。
第97段や第104段でも同じようなことを書いていますが、健康的な食事をするために健康的な調理済み食品を選択して買うという行動はどうでしょうか?
とお店には売れる商品が並ぶという原則がありますから健康的な薄味の油の少ない調理済み食品を売り出してもらえるようにしてはどうでしょうか?

外国ではハンバーガーの肉が大豆蛋白を使用した物やカロリーを減らしたファーストフードなどがあります。
ジャンクフードなどと馬鹿にしないできちんとした栄養が取れる食品を巷に氾濫させるのもひとつの方法ではないでしょうか?

買って食べるのが当たり前の時代は、「おふくろの味」ではなく「袋の味」の時代ですが、中身をどうするかが問題です。
袋の食品が悪いのではありません。
中身をどのようにするかが問題なのです。
21世紀の「袋の味」が20世紀の悪評のすべてを書き換えてくれる日がくることを望んでいます。
加工食品の関係者のみなさん頑張ってください。
応援してますよ。

多くの技術革新は常に批判されながら成長し社会に受け入れられています。
過去の経過を見れば、新しい技術はやがて古い技術を完全に打ちのめしています。
牛車、馬車、籠や人力車が移動の主体でなくなり、車、鉄道、飛行機などに変わり、時計もぜんまいを巻く機械式から電池で動く水晶発信の時計になりました。
ノスタルジーで過去の技術を大切にすることを否定はしませんが、電話が毎回、交換手でつないでもらっていた時代に返されたらインターネットなんて絶対に出来ませんからね。

買って食べる時代にふさわしい食品を作って売ってください。
プロフィール

taijindo

Author:taijindo
島根県益田市にある松本医院(内科・小児科・アレルギー科)の院長です。

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