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第220段:医師の仕事の細分化

6月になって日本医師会から「実践・小児診療」という本が贈られてきました。
勉強のために日本医師会の会員全員に年間数回さまざまな医学の特集の本が送られてきます。
この本の「序」は日本医師会会長の坪井栄考先生が書かれていますが、その中の一部を紹介します。
若干の誇張はあると考えますが、誤解されても良いと考えましたので紹介します。

「・・・・小児科医の中でも、さらに細分化された専門性が要求されるようになり、たとえば小児の発熱に対応できない小児科医も出現している。一方、少子化によって子どもの人数が減った両親にとって、子どもの健康は最大の関心事であり、子どもが病気になった場合に、専門性を持った医師による医療を求める傾向が強くなってくる。・・・・・」と書かれています。

「小児の発熱に対応できない小児科医は困る」といいながら、専門家を求める風潮は日本全国どこにでもありますね。
それは小児科だけでなく内科でも循環器科や消化器科、腎臓、糖尿病などとどんどん細分化されてきます。
医師の仕事の細分化が進むと、
たとえば眼科では
「私は右眼の白内障の手術の専門家ですから、左眼の手術は出来ません。」とか、
整形外科なら
「申し訳ありませんが、左手の手術でしたら得意ですが右手ですので私には無理です。」などという話が出てきそうですよ。
実は医師の間では以前からブラックユーモアとして語られている話ですが皆さんはご存知でしたか?

私の所にも人間ドックの結果などを見てくださいと持ち込まれる方がありますが、ドックの担当の医師が内科の中でも循環器科、消化器科、呼吸器科など診療科が異なると検診結果に対する評価が異なっているようです。
統一できないかといわれてもちょっと出来そうにありません。
ここらあたりにも医者を選ぶのも寿命のうちという言葉が絡んでくるのでしょうか?
しかしドックの医師は選べませんから、これは天命かなあとも考えます。

こんな話はここ10年から20年ぐらいの話しだろうと思うと大間違いで、以前にも書きましたが、100年以上前のイギリスの医学雑誌にも載っているようです。
専門家を求める心理、その一方で幅広く診察してくれる一般医、両方欲しいですね。そうなるとまた受診するほうは迷いますね。

最近は仕事の細分化は医師だけでなく看護師も細分化してきました。
医師と同じように高度な知識が必要となり循環器の専門の看護師や、糖尿病の専門の看護師なども出現しています。
糖尿病に関しては日本全体である程度の能力を持つ看護師や栄養士などの資格試験が出現しています。
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第219段:男と女

男と女の違いはさまざまですが、おなかの調子は男と女では違いがあることをご存知ですか?
男性は一般に下痢傾向の人が多く、女性は便秘傾向の人が多いようです。
処方箋の中の便秘の薬の必要な人の割合は女性が多いですね。

昔、女は欲張りで溜め込む性格の人間が多いので便秘になり、男は精神的に耐える性格じゃないのですぐに便を出してしまうので下痢になるなんて聞いたことがありました。
これはかなり差別的な発言ですが、これをもとにあれこれと差別うするつもりはありませんので過去の話の紹介と理解してください。

睡眠薬も第216段で紹介したように女性の方が要求度が高い薬です。
睡眠に対する欲求レベルが高いのでしょうか?

男と女の話で思い出すのは女が優秀という話です。
女性の第2次性徴が男性より1歳程度早いのはよくご存知だと思います。
これは女性という性は早熟で完成度が高いために結果的に長生きにもつながっているのです。
最近の研究では目の老化の速度も女性と男性では女性の方が悪くなりにくいという研究もあります。
男と女は冷静に比べるとやっぱり女が優秀ですね。
男の子に一所懸命に親が教育するのは男が不勉強で駄目な子だから力を入れていたのじゃないでしょうか?女の子は上手に勉強して優秀ですからね。
相撲部屋などの女系家系を自然に作っているのも女性が優秀な人間でその血筋に優秀な男性の遺伝子を入れるという自然な法則にのっとっているような印象です。
養子を取る家が栄えるポイントではないでしょうか?
異論がいろいろあると思いますが、男と女優秀なのはやはり女ですよ。
男の人を助けてくださいね。

第218段:健康増進法と喫煙

トピックスの欄でも紹介しました。
健康増進法、医師の間でもその方向性に色々と意見があります。
その中でも喫煙問題については日本の規制は甘いといわざるを得ないというのが私の印象です。

改めて健康増進法の第25条を示しますと

第二十五条 学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、事務所、官公庁施設、飲食店その他の多数の者が利用する施設を管理する者は、これらを利用する者について、受動喫煙(室内又はこれに準ずる環境において、他人のたばこの煙を吸わされることをいう。)を防止するために必要な措置を講ずるように努めなければならない。

となっています。

これを見て禁煙にされない施設の管理者は罰則規定がないからこの法を守らなくても良いと解釈しておられると考えざるをえないのです。
喫煙や飲酒に甘い日本の倫理観が問題なのではないでしょうか?

学校検診である学校を訪れました。
図書室を覗いて見ると雑誌が蔵書として置いてありましたパラパラとめくってみるとタバコの宣伝が堂々と載っています。
これまずいなあと改めて思いました。

学校の敷地内や医療機関の敷地内は当然禁煙ですよね。
私の診療所も建物の中は禁煙敷地の外に灰皿を置くわけにはいかないので屋外の敷地内の1箇所に灰皿を置いています。
元喫煙者として自分はマナーの良い喫煙者だったと思っていましたが、今になって考えると随分マナーの悪い喫煙者だったと反省しています。

最近の喫煙者の様子を見ていると携帯灰皿を持ち歩いている方が多いようですね。
タバコの吸殻は捨てないという意思表示のようですが、所かまわず吸われるので逆に迷惑という声が出ていることをご存知でしょうか?

できれば喫煙者のあなたから25条で指摘されている場所の禁煙を積極的に行っていただきたいのです。
喫煙者が禁煙活動をしてはならないという法律も規則もありません。
この25条は喫煙者の喫煙を禁止しているものではありません。
公共の場で受動喫煙が起こらないようにしようという法律です。

お間違えのないように

第217段:頼りにされない医師?

平成14年12月に公表された資料では、日本人は約5人に1人が不眠症ですが、医師を受診する割合が他の国の国民と比べると極端に低く、寝る前の飲酒の比率が高いという結果が出ていました。

調査に参加した国はオーストリア、ブラジル、スペイン,中国、ベルギー、ポルトガル、ドイツ、スロバキア、南アフリカ、日本の10カ国。
日本人だけでも1万人を調査するという大規模なものでした。
調査全体での不眠の方の割合は25%でしたから4人に1人が不眠の悩みを抱えているというのが実態のようです。

不眠のときに医師を受診する割合が日本では8%で10%にも満たないのですが、スロバキアと中国が20%台それ以外の国は40%から50%の人が受診をしています。

受診の機会が多いといわれる日本人ですが不眠に関しては医師は頼りにされていないのですね。
さらに睡眠薬を使用するかどうかでは南アメリカ、ポルトガル、ベルギー、スペイン、中国、ブラジルなどでは30%から50%の人が使用しているにもかかわらず、日本では20%以下の人しか使用していません。

その代わりに酒を飲む人は30%で堂々の第1位、また「お茶やコーヒーを控える」という手段も日本人は最も採用率が低い国でした。

睡眠については何度もこの「そぞろごと」で取り上げていますが、一般に睡眠薬を希望する、あるいは不眠を訴える人は男性よりも女性に多く、60歳以上の人になるとその傾向が強まります。
健康に問題のある人は不眠に陥りやすいのも我々は良く知っています。

寝酒と睡眠薬はどちらが体に影響が少ないかといえばもちろん睡眠薬です。
酒で寝るのは確かに寝付けますが、睡眠の後半が良い睡眠にならないのが特徴です。
薬に頼ってはいけないという誤った考え方が日本人には多いのではないでしょうか?
眠くないのに寝ようとするのは、満腹のときに食べようとするのと同じと考えて「無理して寝なくてもいいのだ」と考えると随分楽なのですが。

現実はどうも・・・・

第216段:トイレ訓練

子育て中のお父さんやお母さんオムツを早くはずそうとしての「トイレのしつけ」はいつからしていますか?
米国の幼児400人を対象に昼間オムツがはずせるようにするための調査が行われました。
その結果が米国の小児科学会の学術誌に掲載されましたのでその一部をご紹介しましょう。

オムツをはずす時期は日本や米国では、ここ数十年に1年近く遅くなりました。
「子供の発達に合わせようとする育児」が主流になったためです。
日本では昼間オムツはずせるようになるのは2歳半が平均的とされています。

今回の研究では、本格的なトレーニング(1日3回以上トイレに座らせる)を始めた時期が早い子供ほど、昼間おむつを外せるようになる時期が早くなることがわかりましたが、「早ければ早いほど良い」わけではなくて、2歳3カ月より前から本格的なトレーニングを始めた子供では、トレーニング期間が長くなることが判明しました。
 
つまり2歳3ヶ月より早くトイレトレーニングを開始しても、最終的におむつを外せるようになる時期は早くならなかったというわけです。

幸いなことに、早くトレーニングを開始した子供でも、便秘になる、トイレに座るのを嫌がるなどのトレーニング上の問題は、ゆっくりトレーニングを開始した子供と変わりませんでした。

子供たちの昼間のオムツのはずせる時期は平均で3歳1ヶ月でした。
(平均が3歳1ヶ月ということは、半分の子はこのときまでにオムツがはずせないことですから、遅れていると考えるのはは誤りです。)

以上から研究グループは「トイレ・トレーニングを本格的に始めるのは、2歳3カ月を過ぎてからで十分」と結論付けています。

いまさらですが、紙おむつと布オムツでオムツの取れる時期には差がありませんし、紙おむつが体に悪い影響があるという確かな証拠もありません。
中学校や高等学校の運動会や参観日に子供たちを見て、「あの子は紙おむつの子供だったから・・・」なんて話は聞かないでしょ?
紙おむつと布オムツではオムツかぶれは絶対に布オムツの方が多いですね。
布オムツを過大評価しないで下さい。
紙おむつはもっと評価されても良いですよ。

第215段:フードファディズム

「体によい食べ物」というと健康志向の世の中ですので注目度が相変わらず高いですね。
医食同源、薬膳などといわれると食べ物には薬の効果がありいいものを食べれば健康になると信じておられる方も少なくないようです。
私の診療所の栄養士と話していたら「食べ物で体に悪いものはありませんよ。
食べ物が悪いのではなく、人間がその食べる適切量を守らないからです。」と答えてくれました。

テレビで「たまねぎ」が体によいと話していたので早速それを食べていますという患者さんに、どの有効成分を摂取するのかを聞き有効成分の分析結果とあわせると、なんと「たまねぎ」50kgで期待の有効量になるという結果でした。
毎日50kgも食べられるわけがないのにもかかわらず、本人は少しずつでも食べれば効果が出ると期待しているのです。
わずかな量の有効成分が含まれている事実と、効果がでる量との関係が理解できていないわけです。
このような現象すなわち、食べ物や栄養が、健康や病気に与える影響を過大に信じたり評価したりすることを「フードファディズムfood faddism」といいます。

赤ワインのポリフェノールには抗酸化作用があるから体によいと聞きアルコールが飲めない女性が葡萄ならいいのだろうと解釈して干し葡萄を大量に食べ糖尿病を悪化させて受診されたことがありました。

酢が体によいという迷信は非常に強く酢大豆、酢卵などなど様々な摂取方法がありますが、すべて科学的な根拠には「?」がついています。
その昔、「高血圧の治療で塩分を制限させるために副食の味をピリッとさせるために酢を使うと良いですよ」とか、「酢を使用することで塩分を少なくすることができますよ」と指導したことが結果的に酢は体によいと誤解を生んだのかもしれません。

どの食品にも人によってよい効果と悪い効果がありますし、成分の割合で変わることもあるそうです。
果物はビタミンB群やビタミンCを摂取するにはよい食品の一つですが、最近の果物は糖度が高く、多すぎる糖分がビタミンの効果を上回る悪影響を与えます。
果物の甘味は砂糖の甘味とは異なる果糖が多いので食べ過ぎに注意して下さい。

人間はでんぷんに多く含まれるグルコースという糖分で体が安定して動く動物です。
自然界の果物の中に多い果糖(フルクトースと呼びます。)に依存する動物ではありません。
このためフルクトースの処理は下手でも体調が乱されることがなかったのです。
しかし現代では果物のフルクトースの取り過ぎで体調を崩している場合が少なくありません。

フードファディズムの犠牲者にならないようにお祈り申し上げます。

第214段:切れる人、むかつく人

今から20数年前、日本では「切れる人」というのは頭の回転が速くててきぱきと仕事ができる人とか、何でも処理できる人とか言う意味でした。
しかし最近は「切れる人」といえば「プッツンして何をしでかすかわからない人」という意味になったようです。
話す相手の年齢や様子を見ながら理解していないと大失敗です。

私などは昔は「切れない人」の典型でしたが、今はややこしい世の中になったせいか、それとも年をとって気が短くなったせいか「すぐにプッツンする中年おじさん」に変身して「切れる人」に変わってしまったようです。
こんなに意味するところが違う言葉になってもいいのでしょうか?

先日もある中学生が診察室で「先生、むかつくの」と話します。「ふーん」と聞いて
(むかつく?、妊娠のつわりかな、食べすぎか、胃腸の不調かな、いやいや、彼女の顔を見ると、あそうか・・・)、
私の答え「誰かに気分が悪くなること言われたのね、どんなこと?」、
彼女は「あのね先生、昨日学校で友達が私の顔を見るなり超むかつくことをいうのよ、それでプッツン切れちゃって手が震えて、夜も眠れないし・・・・」、という会話、
予想は大当たり、(女性のむかつくという言葉を聞いたら妊娠を考えろとは古くからの教えです。医師は女性の健康問題では妊娠可能な年齢ではまず第一に妊娠しているかどうかを判断しなければいけないと教えられています。
薬を投与したり検査をしてお腹の子どもに影響のあることをさせないためです。
不愉快に感じられる女性が多いのですが、医師として誤診を防ぐために絶対に忘れてはならない鉄則です。それとなく、きちんと、何処かでチェックしています。)

言葉の使用法が年代で異なると診察室では苦労しますね。
切れる人やむかつく人は私でもわかりますが、段々若者の言葉がわからなくなってきました。
平成生まれの人たちも、お年寄りにもわかる優しい言葉を使ってくださいね。

第213段:ニュースに対する反応

「犬が人に噛み付いてもニュースにならないが、人が犬に噛み付けばニュースになる」
と古くから言われていますが、似たような話が医師の間でささやかれます。

「自分は手術が成功したことがニュースになるような手術は受けたくない」とか
「手術が失敗したことがニュースになるような手術は自分なら是非受けたい。」と変ですか?
珍しいことがニュースの基本ですから、珍しいことは前例がないわけですから不安に感じるものです。

手術が成功したことがニュースになるということは患者さんにとっては希望の光ですが、そのような手術が頻繁に行われていない証拠ですし、手術の安全性が完全に確立されていない可能性もあります。
また始まったばかりの手術ですから長期間にわたっての手術後の経過や後遺症の有無についても検討されていないということです。

新聞やテレビで取り上げられたニュースになるような新しい治療法にはそんな危険性が隠れていることにはほとんどの方が気付いていません。
これで自分が、あるいは家族や親戚、友人が救われると考える方がほとんどでしょう。
私はそうは考えません。
ただし新しい技術や試行に消極的ではありません。
ただ充分な評価に耐えていないということを改めて認識しているだけです。

その一方で失敗した手術や治療法がニュースで流れるとほとんどの方が
「あんな危ない治療はご免こうむりたい」とか
「危険な手術だと報道された手術はいやです。」と話されます。
でもほとんどの場合は成功してうまく行くはずの手術や治療法が、極めてまれな失敗や状況で思いもかけないことが起こったので失敗してニュースになったのですから、次回の治療や手術はほとんどうまく行くはずです。
だから失敗がニュースになるような医療行為は、是非、挑戦していただいたほうがよいと私は考えるのです。

多くの日本人は
「モルモットになるのはいやだ」とか
「実験的な治療や手術はとても耐え切れない」などとの意見を持たれて欧米で行われるような実験的な治療に賛成していただけません。
このため日本ではなかなか先駆的な医療が開発できないのが現状です。
しかし一度でも成功のニュースが流れると、あの治療法を私にも、あの手術を家族にもと希望が殺到してしまいます。
一度成功すれば二目も三度目も成功すると勝手に信じられる方が多く、逆に失敗のニュースを聞くことで、今後の手術は全て失敗するというように錯覚されるのでしょう。

マスメディアで取り扱われた新しい医学情報は私たちも知らないことが多く、その日や翌日に感想や論評を聞かれても何も答えられません。
また勉強してからお答えします。どういうわけか、お答えが用意できた頃には質問者の方はその質問に関する問題の興味がなくなっていることが多いようですが。

第212段:子どもを大切に育てていますか?

島根県のお父さんやお母さんは子どもを大切に育てていないのではないかと疑いたくなるようなお話です。
平成14年の4月に全国一斉に調査されたチャイルドシートの着用調査の結果です。
全国平均の52%でもあきれ返る数字ですが、なんと島根県は27%で最下位でした。

国体の最下位は許せるけどチャイルドシートの最下位は惨めそれもダントツの最下位で47都道府県で20%台を記録したのは島根県だけなのです。
お隣の鳥取県は56%。トップは岐阜県の74%、2位の大分県は71%、調査方法はどの都道府県もほとんど同じ条件ですので偏りはほとんどありません。

チャイルドシートは高いからとか様々な理由があるでしょうが、やはり問題ですね。
子どもの命の値段とチャイルドシートの値段は比べることはできませんよ。
自分は事故を起こさないからとか、事故には遭わないだろうからといって、使用しないのは子どもの虐待です。
子どもを守らなければならないと考えるのなら必需品です。
リサイクルでまわしてあげるのも方法でしょう。
私の使用していたチャイルドシートはすでに近所のお宅に譲ってしまいました。

孫の生まれたお祝いにはチャイルドシートとされたらどうですしょうか?
七五三のお祝いにもジュニア用とかいろいろあります。
身長が1メートル40センチを越える頃までチャイルドシートが必要ですよ。

自動車保険と同じと考えてください。
怪我をしたり子どもを失ってからでは遅すぎます。
子どもを大切にしてください。
あなたの老後を見てくれる子供でしょ。

第211段:健康情報の光と影

健康に関するマスメディアの取扱量は毎日大変な量ですね。
そして何を食べるとどんなよいことがある。
何かを手に入れて使うとここがよくなるというような話ばかりです。
食べて健康になる番組や体によい食べ物の紹介の番組や特集が朝から朝まで続きますね。
本当に食べることばかり、食べると健康になっていくのでしょうか?

足し算でばかり食生活を考えていませんか?
この段では引き算で食事を考えようということです。
たとえば果物、生活を営むために本当に必要な栄養素は如何でしょうか?

果物は糖尿病の食品交換表では1日に必要な量は80キロカロリーの糖質の補給とビタミン類の補給です。
ビタミンの補給を野菜で行えば果物は絶対に必要とはなりません。
果物で得られるカロリーは炭水化物でもよいのですが、お米やパンで補おうとするとそこに含まれるたんぱく質の量が問題になりますが、糖尿病で厳しい食事制限をしていなければある程度は自由が利かせられます。

果物のさまざまな効果に引き寄せられて果物を食べ、大量の糖分を摂取したことを忘れていませんか。

大豆製品の優秀性に目を奪われ、結局摂取カロリー数を増やしていませんか?
乳製品のカルシウムを取ることを目的にして大量のカロリーを取っていることに気付いていないあなた。

運動しすぎて骨や関節を壊していたりと健康情報の光の部分だけを追いかけていませんか?

最近の日本人は運動量がすごく落ちています。
それがあなたはわかっていますか?
日本人の平均的な体を動かす生活というのは万歩計をつけて「1日1万歩」歩く程度の体の動かし方です。
1日1万歩というのは歩幅を50センチとすると1日に5km歩きましょうということです。
あなたは1日に5km歩いていますか?

コレステロールも体に必要な最低量がありますが、その量の目安は卵1個ですが、さてその卵はSサイズか、Mサイズか、LサイズかそれともLLサイズか?

実はSサイズで卵1個50グラムです。(卵の殻と中身の合計)LLサイズの卵は1個が75グラム程度ありますから1.5倍の大きさですね。
50グラムの卵を毎日一つずつ食べると1週間で350グラムの卵を食べますが、75グラムのLL卵を1週間食べますと525グラムなんと3個半も余計に食べています。

牛乳も1日180mlという指示を200mlのパックで飲んでいると、1年経てば約0.7kgも体重が増加する計算です。

食べて健康になるのもいいですが、光があれば陰がある。
そこに気付いて時には栄養の引き算も必要ですね。

第210段:増える女性

男性の平均余命と女性の平均余命は女性のほうが7年以上長生きですね。
ということは、日本全体では女性のほうが人口が多い、そうです2000年の統計では女性を100とすると男性は95.7人、2050年には女性100に対して男性は89.6人になるという推計があります。

生まれてくるときには男性のほうが多いのですが、か弱い(生物学的にエックス染色体が一つなので生命力が劣るという説があります)男性は多く生まれてくるのですが、長く命を保つことができず、40歳前後から死亡者が増え始め50歳台になると男女の割合で女性のほうが増えてきます。
その後は女性が本当に多くなります。
老人ホームでは女性と男性の割合は2対1ぐらいに感じてしまいます。

そう遠くないうちに女性のほうが8年以上長寿になりそうですから、平均的な結婚年齢差が1.9歳(平成11年のデータ、昭和22年には3.2歳の年齢差があり年々年齢が近くなっています。)ほどですので平均的な女性は約10年間の独身生活が夫の死後に訪れることになります。

既婚の女性は夫の死後の羽根の伸ばし方を考えておきましょう?
子供の世話になるので子供に嫌われないように。

既婚の男性はちゃんと奥さんに最後を看取ってもらえますので、サービスしておかないと大変かも?

そして65歳の男性は平均的にはすべてのことが自分でできる年数は12.0年、生活の一部に介助を受ける必要がある年数が2.3年、生活の全面的な介助を受ける年数が1.7年と推計されています。
既婚女性の方4.0年介護をすると自由の身になれますよ。
(えっ?介護保険で世話してもらって自分はのんびりですか?)

一方65歳の女性は16.3年ほどは介助なしで生活できますが、生活の一部に介助を受けることが必要になる年数は3.5年、全面的な介助を受ける年数は2.6年と6.1年の介助が必要な生活が待っています。

しつこく書きますが、男性は平均的には77歳頃に介助が必要になり、79歳半ばから全面的に介助が必要になり、女性は81歳過ぎから介助が必要になり、85歳前から全面的に介助が必要になるわけです。

これだけ世の中の女性が増えてくると、思考が女性的になるのでしょうね。
明治時代には男性のほうが多く、男性103に対して女性100でした。
そんな時代なら男性型社会で通用したのでしょうが、現在は本当に女性社会なのです。
日本の高齢化の問題は実は高齢独身女性も問題でもあります。
今後の商売はここをターゲットにすると良いはずです。
参考になりますか?

第209段:タバコは嗜好品?死向品!

駄洒落でタイトルをつけてみましたが、如何でしょう。
厚生労働省から発表された喫煙習慣者の年次推移を見ると禁煙運動で相手とすべきターゲットの性や年齢層が良くわかります。
昭和63年(14年前です。)には20歳台の喫煙率は33.8%(男性63.2%、女性10.6%)でしたが、
平成12年には同じ年代の喫煙率は39.0%(男性60.8%、女性20.9%)です。
こんな数字を見ると喫煙女性亡国論を唱えたくなりませんか?

男性はわずかながら減っているのに、女性が倍増!女性はタバコの害を聞いて育っていないのでしょうか?
なげかわしいっ!
(タバコは口臭、歯の黄ばみ、肌荒れ、シワ、シミ、ソバカス、黒ずみ、肩こり、首のこり、視力低下、まぶたのはれなどを引き起こします。)
妊娠中の喫煙は胎児虐待と同じとみなされるようになっている実態を再度確認してください。

40歳台はどうかと見ると昭和63年が30.4%(男58.1%,女9.3%)で平成12年が30.8%(男55.1%、女13.6%)と女性は増えていますね。
お父さんたちがタバコを止め始めているのに、お母さんたちがタバコを吸い始めている。
子供の生活習慣に影響を与えるのは母親のほうが強いということをご存知ですか?

孫を抱える60歳台は
昭和63年には喫煙率が27.7%(男52.8%、女9.2%)
平成12年には喫煙率が21.1%(男37.0%、女6.6%)とやっと下がり始めます。
ちなみに50歳台の女性も平成12年のほうが喫煙率が高くなっています。

タバコは嗜好品だから自由に吸わせてくれというご意見もあるのは承知の上で書いています。だからあえて書かせてください。

「人間には健康で快適な生活を享受できる権利があります。
タバコを吸っている人は健康で快適な生活をしたい人の権利を侵害する権利はありません。
タバコを吸うのなら、健康で快適な生活をしたい人の権利を侵害しない場所で吸わなければなりません。
自由と平等、権利と義務が正当に守られている国では「タバコを自由に吸いながら、健康に生活したい人の権利を侵害するような権利は認められていない」ことを認識してください。
その上での喫煙であれば何ら規制はいたしません。

嗜好品だからといわれる方には、次の例でお考えをお聞かせください。
嗜好品のアルコールは仕事中に飲んだり、車の運転中に飲んだりすることは誰もが認めた権利でしょうか?
病院での飲酒が問題になり強制退院させられるアルコール類は誰もが認める嗜好品です。
タバコが嗜好品であるというなら入院中はもとより、通院されている場合も嗜好品としての取り扱いをしておかしくないのではないでしょうか?
まだまだ日本国内ではタバコを吸う人の意見のほうが強いようですが、世界的には喫煙できる場所がどんどん減り、タバコの値段も上がるという傾向です。
アメリカでは平均的な20本入りのタバコが一箱800円(7ドル)以上します。タバコの値段が上がると子供たちも吸わなくなります。
(益田保健所の調査では、小学校5,6年生127名の調査で一度でもタバコを吸ったことの有無を聞いてみたら、男女合わせて32%が喫煙の経験者でした。さて皆さんはどう考えますか?)

ご意見をお待ちしています。
タバコは嗜好品というより死向品と書いたほうが適切なような気がします。
間接喫煙で病気の元を分けていただかなくても結構です。

第208段:出生に関する統計

私の大好きな統計ものから、話に行き詰まると様々な統計は話を提供してくれるので大好きです。
日本の女性の話です。
昭和52年の妻の平均初婚年齢は25.0歳(25年前です)、平成4年の同じ統計では26.0歳(10年前です)、平成12年には27.0歳(2年前です)でした。
平均の晩婚化が15年間で1歳遅くなっていたものが、8年で1歳遅くなりました。
晩婚化がスピードアップしたわけです。
昭和42年以降に生まれた女性では平均すると30歳までに産んだ子供が一人に満たないというわけですから、母親の出産の高齢化も進んでいるわけです。

第1子の出生までの結婚期間も昭和50年には10ヶ月がピークだったのですが、平成12年には6が月が増加していて、結婚期間が妊娠期間より短い出生が増加傾向で、嫡出第1子の出生数の4分の1程度となっています。

結婚式を挙げたときや同居を始めたときには既に妊娠していた可能性が高い出生が多いということです。
母親の年齢を見ると十代後半の母親の8割が該当し、20代後半の母親の6割となっています。

最近の性の早熟化を愁う声も聞かれますが、はたしてそうでしょうか?
子守唄の「・・・・十五で姉やぁは嫁に行き・・・・」と歌われた時代が日本にはありましたね。もちろんあの時代は数え年ですから15といえば満14歳、今なら中学2年生ですね。
発展途上国では十代前半の子供の婚姻や出産が日常茶飯事で、日本だけが早過ぎるわけではありません。
源氏物語を年齢を考えながら読み返してみてください。
新しい世界が見えてきますね。

また皆様からのご意見をお待ちしています。

第207段:子供の能力

子供の判断能力や表現力をを過大評価していませんか?

診察室の中で子供に来院理由を説明させようとしているお母さん(なぜか父親はこの行動が少ない。)が目に付きます。
そしてほとんどの子供がそれができません。
こちらも暇じゃないので付き添ってこられたお母さんに説明を促すと、残念ながら母親が説明できないことが多いのです。
子供の前で医師に手際よく病気の説明をして見せることが子供に対する教育なのですが、子供の能力を過大評価している親はできない子供のそれをさせようとしています。
いつからどのような症状に気付いたのか?
それが伝えられない。

『いつ』『どこで』『誰が』『なにを』『どうした』かが伝えられない人が多いのです。
受診までの出来事の要約ができていません。

「就寝中も痛みが続いていました」といえば済むことを「右を向いて寝ていても痛いし、左を向いても痛いし時には仰向けになっても痛みがとならないし、背中をさすってもらっても痛みは取れないし、話してもわかってもらえないような痛みが続いて、右を向いても・・・・・・・・」と話されると私の耳はフリーズしてしまいます。
子供の話に戻してと

子供の能力は思いのほか低いのです。
中学生卒業までは保護者が同伴で通院して欲しいのです。
生命保険の審査などでも15歳未満は保護者の同伴が必要ですし、実際の診療の場でも話が通じません。
うちの子供は大丈夫と過大評価していませんか?
薬の管理も高校生でもまだ安心していません。
多くの子供たちはきちんと管理ができていません。
必ずチェックが必要です。
大人だってきちんと管理ができていないのだから子供にできるはずがありません。

子供に「信頼してるからちゃんとやってね」とお願いしても何度も裏切られた経験はありませんか?
自分自身の子供時代に親の命令や指示にあなたはきちんと従ったのでしょうか?
急性の症状のある病気のときの薬でさえきちんと飲めないのに、慢性の自覚症状の乏しい病気での薬の管理は親の責任です。

子供の能力を正しく評価して適切な教育や育児をしましょう。
(私自身への反省もこもっています)

第206段:歯磨きしてますか?

国の進める「健康日本21」歯についても目標がありましたね。
先日、歯科の先生とお話をしていて「いつ、どのように歯を磨くか」という話題になりました。
「食後3分以内に3分間」できそうですができませんね。
解決策をいくつか提案されました。ご存知なかった方はもうけものですね。
まず、歯ブラシをどこに置くか?
食卓の上にコップを置きその中に歯ブラシを立てておくこと、食後すぐに口の中に歯ブラシを突っ込むと自然に洗面台のところまで素直に行けます。
お試しください。
口をすすいできれいに洗った歯ブラシはまた食卓の上に持って帰りましょう。
このときの歯ブラシは歯と歯の間の食べ物のカスを取るのに適したブラシがいいようです。

ということは、そうですご想像どおり、一人が1種類の歯ブラシで歯磨きをするのではないのです。
お風呂の湯船で歯ブラシを口にくわえてゆっくり歯茎のマッサージをしてみるのは如何でしょうか?
ということなのです。
湯船の中で歯磨きしていて唾液が口からあふれてきても身を乗り出して洗い場に唾液を流せばほとんど問題ありませんよね。
歯茎を磨く歯ブラシと歯と歯の間のごみを掃除する歯ブラシは使い分けが必要ということです。

歯ブラシ売り場には様々な形態の歯ブラシがあります、それどれの特徴を生かした使い方をするのが健康な歯と歯茎を作るもとなのです。
食卓の上と風呂場に歯ブラシをおいてみましょう。
(もちろん使わないとだめ)

8020(ハチマルニイマル)運動と呼ばれ80歳で20本の生きた歯を保てるようにという運動があるのはご存知ですね。
歯周病(歯槽膿漏)で歯を失わないように上手に歯磨きしてください。

歯磨き粉とか歯磨き剤どうやら不要なようですね。
積極的に勧められる歯科の先生に出会ったことがありません。
ついでながらタバコを吸う人は歯周病が進行しやすくここでも健康の敵です。
タバコを吸いながら白い歯を求めるよりも、タバコを止めたほうが手っ取り早いですよ。

第205段:ストレスがたまっていませんか?

なんでもストレスのせいにしていませんか?
ストレスがたまっているかどうかテストしてみましょう。
以下の設問に心当たりがある項目を数えてみましょう。

簡易ストレス度チェックリスト

1.頭がすっきりしていない
2.眼が疲れる
3.ときどき鼻づまりすることがある
4.目まいを感じることがある
5.ときどき立ちくらみしそうになる
6.耳鳴りがすることがある
7.しばしば口内炎ができる
8.のどが痛くなることが多い
9.舌が白くなっていることが多い
10.今まで好きだったものをそう食べたいとも思わなくなった
11.食物が胃にもたれるような気がする
12.腹がはったり、痛んだりする
13.肩がこる(頭も重い)
14.背中や腰が痛くなることがある
15.なかなか疲れがとれない
16.このごろ体重が減った
17.何かするとすぐ疲れる
18.朝、気持ちよく起きられないことがある
19.仕事に対してやる気がでない
20.寝つきが悪い
21.夢をみることが多い
22.夜中の1時、2時ごろに目がさめてしまう
23.急に息苦しくなることがある
24.ときどき動悸をうつことがある
25.胸が痛くなることがある
26.よくカゼをひく
27.ちょっとしたことでも腹が立つ
28.手足が冷たいことが多い
29.手のひらやわきのしたに汗の出ることが多い
30.人と会うのがおっくうになっている

該当するのが0~5個:問題なし
      6個~10個:軽いストレス状態です。休養が必要です。
      11個~20個:中等度のストレス状態です。医師と相談しましょう。
      20個以上:強いストレス状態です。治療が必要です。
 さて如何でしたか?

第204段:まだまだ遅れています。麻疹・精神病などなど

本人の平均余命は世界一長寿、健康寿命も世界一など様々な健康の指標が優秀であることは知られています。
しかし麻疹(はしか)発生状況や精神科の病気を入院させる傾向が多いとか、タバコの対策が遅れているとか、結核対策が手ぬるいとなどとWHO(世界保健機構)から批判されているのも事実です。

麻疹(はしか)は日本では1年間に80人もの子供が命を失っています。
ところが1億300万人の中の80人なので、ほとんどの方はこの怖さを認識されていないようです。アメリカでは0です。
アメリカでは麻疹や風疹の予防接種がしてないと学校に入学することができない州もあります。
アメリカからのレポートでは日本から麻疹が輸出されていると非難されています。事実日本からの輸入例が一番多いのです。

ポリオについても南北アメリカ大陸は日本を含む東アジア、オセアニア地域よりも早くから撲滅が完了していました。
長寿世界一は誇れますが、まだまだ諸外国のレベルに追いついていない健康の指標も多く存在していることを認識してください。

精神分裂病と呼ばれていた心の病気も統合失調症という名前に変わりました。
歩みは遅くても日本の精神病の治療や概念が少しずつ変わってきてはいます。
しかし、精神病の患者さんの処遇もおよそ先進国らしくない水準でした。
人口あたりの精神病院の入院患者数が正式に比較できるようになりこの数字も多いほうで世界一でした。
それは世界の標準からすれば余りに入院しての治療が多いということなのです。
様々な改善には市民の正しい理解が必要です。
昨年も精神障害者の家族会でお話をさせていただきましたが、病気の本人だけでなく家族も本当に大変な思いをされています。
またどこかでお手伝いをさせていただきますのでお気軽にお声をかけてください。

第203段:医者は詐欺師か恐喝屋か

痛くも痒くもないのにこの薬を飲むと心筋梗塞になる確率が下がりますとか、脳出血になる可能性が減りますとか、ワクチンを接種すると肺炎になりにくくなりますとか都合のいい話を医者からずいぶん聞かされていませんか?
薬の副作用の話も出てくるけど、「本当にどのくらいの効果があり」、「どのくらいの危険度があるのか」よくはわかりませんよね。

死亡率が1.9倍とか死亡が70%阻止できるとか説明されても確かめる方法もないし、「はぁ?、ああそうですか。結局先生の言われる通りにするのがいいんでしょ?」と答えていませんか?
医師には患者さんに理解できるように説明する義務がありますし、患者さんには理解できるまで説明してもらえる権利があります。

手術やガンの治療などで手術をしたい医師、手術をしたくない患者、あるいは口をはさみたがる友人や家族などのさまざまな人の思惑が絡むと、どうしていいのかわからなくなる場合が多いのではないでしょうか?
病院内で検査に追いまくられ、お見舞いの人との対応に終われていて、本当に冷静に考えられるとか理解できるのでしょうか?

私が敢えて「詐欺師か恐喝屋か」と書くのは患者さんが落ち着いて考えられるような環境も作らずに説明している現状を知っているからです。医師から時間を指定されて、落ち着かない場所で病状と今後の展開について説明を受け始めると、いくらリラックスして聞いてくださいといわれてもリラックスできるものではありません。
私自身10年以上前に手術を受ける前に友人の医師から説明を受けましたが、いつもの気楽な友人関係ではなかったことを思い出します。
(まな板の上の鯉でハイ、ハイと同意していました。理解はしていたつもりですが・・・)

だからこそ医師として自分たちは患者さんのほうから見れば、詐欺師や恐喝屋と同じように見えているのではないかと考えてしまうのです。
この手術を受ければ、あるいはこの治療をすれば、よくなりますと言われると、そうかと思い込んでしまう詐欺の商法に似ていませんか?
これをしないと命を落とす可能性がありますとか、何もしなければ非常に危険な状態になりますと、不安感が生じるような話をされたことはありませんか?
恐喝と紙一重とは思いませんか?

医師だから人格者とかってにきめつけていませんか?
医師だって普通の人間ですし間違いを起こすものです。
疑ってかかるほうが良いに決まっています。
全知全能の医師など絶対にいません。
人格だってどこかは必ず歪んでいると考えるほうが自然です。
少なくとも私は医学部に入っても人格教育らしいことをカリキュラム上で学んだ覚えはないような気がしますね。

医師と患者の関係を冷静に考えてみると随分力関係に差がありますね。
その差を感じさせないように説明をしているつもりが、実はパターナリズムとか父権主義といわれる、医師の私が守ってあげる、医師の私に任せれば大丈夫という錯覚を起こさせているのです。
20年以上前の私の学生時代には自分の家族を見る気持ちで患者さんに接しなさいと教育されましたが、これが父権主義です。
現在はインフォームド・コンセントといわれる説明と同意の時代です。
パターナリズムや父権主義は詐欺師や恐喝屋と同じで私に任せなさいといっています。
しかし説明と同意も喋り方をちょっと変えれば詐欺師や恐喝屋と同じになってしまいます。

医師を怒らせると損につながると考えてハイ、ハイと答えてあとでだまされたと言わないですむようにしたいですね。
病状を理解し今後の方針を自分で決めることは簡単なことではありませんが、大切な自分の命ですから騙されないようにしてください。

第202段:痴呆とのお付き合い

「最近、物忘れが多くて」と心配して受診される患者さんが少なくありません。
「老人力がついてきたので忘却力に自信がつきました。」などと冗談で済ませる人は非常に少なく、
「ボケるのじゃないかな」と心配される方が多いのです。

痴呆の特徴は記銘力といわれる覚える能力に支障が出て日常生活で目立つことです。「昨日約束したことが何だったかは思い出せないけど、今日は何か用事があったはずだ」というのは思い出せないだけで、一度は覚えているのです。

ところが痴呆になると「そんな約束などはしたことはない、約束したことを忘れるはずはない」(思い出せないのとは違います。)と言い張ります。
覚えていないのだから忘れることもできない。
忘れるためには一度覚えなくてはならないのです。

介護をする人や、家族がこの点に気づかなければ毎回言い争いですね。
痴呆の状態に入った方はほとんど元に戻れないことが多いので、家族や介護をする人が痴呆の人の言葉を肯定してあげる、つまり痴呆の人に痴呆だと説明してもそれが覚えられなくて本人は正常だと言い張っているのですから、そうだといってあげることが上手な介護の仕方なのです。

「蛇が部屋の隅にいる」といわれたら「冬に蛇が出ることなんかない!あんたはボケているからそんなことを言っている。
どこにも蛇はいないよ」と答えるのではなく、
「どこにいますか?追っ払いましょう。」と棒切れを持って追っ払うまねをする。
そこで
「追っ払ったからいないでしょ?」といってはいけません。
「いなくなりましたか?」と聞いてみる。
「まだあそこにいる」といえば指し示されたところに出向いて蛇と格闘する。
「今度はいなくなったね」と痴呆の本人から答えがでれば大丈夫。

「外の工事の音がうるさい」といわれれば外に出て数分経過して「工事を静かにしてもらうように頼んできた」と言い、「外で誰かが話にきている」といえば話を聞きに言ってみる。
とんぼ返りではいくら痴呆の人でも気づいてしまう。
30分も1時間も間を空けるたら、痴呆の人は何の不満を言ったのかを忘れてしまう。
ちょうど良いころあいを見つけて帰ってきて説明をして幻覚が消失したことを本人が認めるまで繰り返す、こうして痴呆の人を落ち着かせるのが大切です。

幻聴や幻視などの幻覚症状は否定されてもそれを感じている人には納得できないのです。
痴呆の人は痴呆でない人には合わせられませんので、痴呆でない人が痴呆の人に合わせるしか方法はありません。

忘れているうちがまだ花です。
覚えなくなると忘れることもなくなり本人は困りませんが、周囲は困りますね。

第201段:治りたくない病気・治したくない病気

そろそろ話の種が尽きたのでしょうか?前回の更新から2ヶ月以上も更新できませんでしたね。
第200段という区切りに特別な話ということも意識しておりませんでした。
気がつけばこのホームページも開設以来4年が経過して表紙のカウンターも20000を越えましたね。
ここ数ヶ月は本当に忙しい日が続いていて気もそぞろで落ち着いてパソコンの前に座っていないことが多かったようです。加えて新聞や雑誌の定期的な原稿依頼があり、締め切りのないこのページは後回しにしていました。

公にできる理由があると様々な仕事を断れる理由になりますが、病気もその一つですね。
私のホームページの更新ができない理由を書いていると、患者さんが「病気があって仕事ができないと診断書に書いてくれないか」と頼みにこられたときの話に似ているなと思いました。

医師の私は完治してはならない病気で患者さんが受診されることも知っています。
病気はつらいものですぐに治したいと考えるのが一般的ですが、様々な事情から
「治りたくない病気」、
「治したくない病気」が存在します。
もちろんこれらの病気は命取りになるような病気ではなく普通の生活は問題なくこなせるが、それ以上になるとうまく体が動かなくなるという実に巧妙なバランスの上にたった病気です。

様々な病名を付けて理由付けをして若干の休養が必要であったり、過重な労働ができないようにして欲しいと要求されます。
心療内科で比較的よく用いられるの病名をつけると
「精神的な病気だと診断されると自分が弱いことになるからその病名はいやだ」といわれます。
治らない病気の原因がストレスというのは好きな人が多いようで、すぐに「ストレスですか?」と聞かれてこられますが、医師からすればストレスが原因と断定するのはきわめて難しいのです。
とにもかくにも医師としてはうその診断書はかけませんので丁重にお断りしています。

ずいぶん前に嘘の診断書は書けないといったら、バンソウコウを譲ってくれとせがむ患者さんがいました。
理由を聞くと「町内会の仕事が回ってきそうだから、医者でしょっちゅう注射をされているような状態だから仕事はできないということを暗に見せるためにバンソウコウが必要」との話でした。
「診断書が書いてもらえないのなら体についているバンソウコウで通院証明をしているのか」と考え込まされてしまいました。
私は注射のあとにバンソウコウを貼らない主義ですので「注射のあとに貼るバンソウコウはうちにはないよ」とばっさり話の腰を折ってしまいました。
(可哀想なことをしていたなあ)

第200段:セデスの供給停止から

頭痛の治療薬であった。
セデスという薬の供給が中止されました。
(頭痛以外に、歯痛、月経痛、咽喉痛、耳痛、症候性神経痛、外傷痛、感冒の解熱などにも使われていましたね。)乱用による腎臓の障害が目立つためのようです。
死亡に至った方の使用量は尋常な量ではなく、「これだけ飲んだら、そりゃあ、副作用が出るなあ」という印象です。
今回問題になった成分はフェナセチンと呼ばれる成分でした。ずいぶん古い薬でしてファンの患者さんも少なくありませんでした。

現在(2001年8月)も在庫があれば使用してもよい薬で、すぐに販売を中止するとか回収をするとかの対策にはなりませんでしたが、医師の間では代わりの頭痛薬を何に変更するかが一時期話題になりました。
私はすぐに使用を止めて様子を見ていました。

何人かの患者さんはセデスの代わりに漢方薬で肩代わりができました。
しばしば頭痛を訴えていた患者さんの何人かは最初の何日かは薬がないからと不平が多かったのですが、そのうち諦められたのか頭痛の話がなくなりました。

どうやら頭痛薬の中毒患者さんを私が作っていたようでした。
今回のフェナセチンという成分を含む頭痛の薬には薬が切れると頭痛を誘発する作用があり、薬が切れての軽い頭痛に対して、患者さんが自ら頭痛薬を飲むという悪循環があることが知られていました。
この悪循環に入っていた患者さんが何人かおられたのではないかと考えています。
不必要な薬を出して中毒患者さんを作り医療費の無駄使いをしていたようです。

痛み止めとして使用するとよく効きますし、使用法を再三注意しても結局ファンになられた人たちのある程度は、薬の誘発する頭痛症状に薬で対応されていたのでした。
反省しています。

古くからある薬の安全性は確立しているものと考えていましたが、話を聞いてみると長期間の使用に対する検討がされていないままで薬として認められていて現在の薬の認可基準では認可されない薬もあるということがわかりました。
薬が認可される時点では現在の水準までの安全性は求められていなかったわけです。
新しい基準が確立しても古い薬にまでその基準を当てはめることを要求していないようです。
古い薬は安全で、新しい薬が危険と考えるのは必ずしも正しくないわけです。

薬の効果や副作用などは常に調査がなされています。
それでも薬害が絶えることがありません。
医師や薬剤師とともに患者さんにも協力していただき不幸な転帰を取らないようにしたいと思っています。

第199段:ただ(TADA)ほど怖いものはない(ドラッグ)

ただ(TADA)ほど怖いものはないシリーズの3回目はドラッグ(薬物)です。いわゆるヤクやドラッグと呼ばれるものには様々なものがあります。
脳の働きに影響を出す薬物は100種類以上主なものをご紹介しましょう。

 ①抑制剤といわれる種類のものでアヘン、モルヒネ、ヘロイン、シンナー、マリファナ、アルコール、睡眠薬、せきどめシロップ精神安定剤などがこのグループです。 

 ②興奮剤と呼ばれる種類のものにはコカイン、覚せい剤、せきどめシロップ、カフェイン、タバコが含まれます。

 ③幻覚剤と呼ばれるものがLSD、シンナー、マリファナなどです。

上に掲げたもののうち多くは法律で使用が禁止されているか持っていても違反となる場合があります。
しかしタバコやアルコールは20歳以上ならだれでも持つことも買うこともできますし、睡眠剤や精神安定剤は私のような医師から処方して使用しても問題はありません。
この段のポイントの一つはアルコールやタバコもドラッグとしての認識であるということを覚えていただきたい点です。
アメリカではヘロインやコカインなどは麻薬性や習慣性が強いのでハード・ドラッグと呼ばれアルコールやタバコ、カフェインなどはソフト・ドラッグと呼ばれています。
ところがこの分類が問題でハード・ドラッグは明らかに脳や体に影響しますが、習慣性の強さはソフト・ドラッグもハード・ドラッグもほとんど変わりません。
禁断症状が軽いので危険性が低いと考えられているだけです。
(タバコの毒性は今回は省略)

『アルコールシンドローム』という雑誌に掲載された話を紹介しましょう。
「『シンナーを吸うと脳細胞がやられ、幻覚を見たりする』という警告は、むしろ自分たちの好奇心をあおった『シンナーを使って、ものすごい体験をし、アッと驚くものを見ているのに、いつも思い出せない』この悔しさが密売人のところに走ってゆく原動力でした。
ある晩ラッカーシンナーを吸っていると、部屋中に散乱している使い古しのビニール袋が、水晶状に結晶し、ゴジラのギザギザの背中みたいに青白く光っている。
あわてて写真を写真をとったが現像してみると、シワシワのビニール袋だけだった。

シンナーの世界を実況中継しようとしてカセットに録音してみたがスー・ハー、スー・ハーという吸う音とときどき『ウー』とか『アァー』とか、耳をふさぎたくなるような自分自身の獣のような唸り声だけが吹き込まれていたでけで、がっくりきた。」この話を紹介されたのは元ドラッグの世界にいて今は薬物リハビリセンター活躍中の倉田さんという方です。

私自身も病院内でモルヒネ中毒の方のインタビューをしたことがありますが、「絶対いい、友達はもとより親兄弟にうそをついて借金してでもまたやりたい!女房を質に入れてでもアレが手に入るのなら手に入れたい。それで死んでも文句は言わない」とはっきり断言されました。

最初は自らの好奇心で踏み込む場合もありますが、「疲れが取れる栄養剤」とか「ハッピーになれる薬」とかいう不明確な言葉につられてその世界に入り込み気がつけば完全な中毒患者という方も少なくないようです。
薬は責任のある医師の処方でそして甘い言葉に誘惑されないようにしてください。
大人も子供も同じように狙われています。

第198段:環境ホルモンの現状

環境ホルモンという言葉が一般的になったのはコルボーンらが書いた「奪われし未来」(1997年)のころからです。
内分泌攪乱化学物質(ないぶんぴつ・かくらん・ぶっしつ)とも呼ばれるもので、環境汚染物質の中で内分泌系(ホルモン系)に影響を与え、野生生物の生殖に異常を起こしている例が世界各国で数多く報告されています。
そして野生動物や実験動物に疑いのある環境汚染物質を与えてみると自然界で観察される異常が同じように観察されたことで可能性が強まりました。
人間では実験という手段が取れないことと、人間の寿命が長いこともあって正確な結論が出るまで待つということはできそうにありません。

現在いくつかの化学物質がホルモン系を攪乱させる可能性が考えられています。
この言葉の言い回しがポイントです、「人にとって完全な内分泌攪乱物質です。」とは書いておりません。
「疑いがある」あるいは「非常にその可能性が高い」としか科学的にはいえない状態だということです。
アルキルフェノール類といわれる界面活性剤は環境ホルモンとしてでなく他の面でも人体に影響を与えているようです。
プラスチック可塑剤といわれる物質の中でビスフェノールAも強く疑いがもたれています。
DDTやDDTの代謝物などの残留性の高い農薬なども環境ホルモンの可能性があります。ゴミ焼却炉で一躍有名になったダイオキシン類も環境ホルモンとしての作用が強く疑われています。
(塩素を含んでいるものを燃やすとダイオキシン類が発生しますので、これが混乱を増長させています。ダイオキシン類はタバコの副流煙にも含まれるということも知っていてください。)
疑われているものは他にもたくさんありますがこれ以上は省略します。

これまでは環境汚染物質は毒性が弱く分解性が高い物質なら低濃度に希釈すれば問題ないと考えれていました。
ところが最近になってどうもそうではないという証拠が出てきて研究がされている真っ最中です。ですから昔から危険だとわかっていたものを放置していたのではなく、最近になって危険ではないかと疑いがもたれるようになったのです。

有害な可能性が否定できないとか、有害な可能性があると報道されるとすぐに規制強化、健康診断の実施など様々な要求がなされますが、どのような変化が確実に現れるのか、どのような検査を実施してそれを判定するのか、どこを基準値として決めればよいのかなどがわからないので益々我々を不安に陥れます。
人が一生涯その物質を体に取り込んでもそれが原因で死亡する人が10万人で1人以下にするというのが国際的な規制濃度の目標です。
疑問のもたれている物質のほとんどがまだその基準値さえ検討中というのが現状です。
怪しいものから順に使用を止める努力をしなければならないでしょうが、その順番や対策すらまだできていないのが現状です。

私たちは様々な科学技術に支えられて生きています。その恩恵の浴していることを時に忘れているようですね。
不自然な化学物質や文明の利器で昔の人が考えられなかったような豊かな生活をしていますが、その代償に環境ホルモンのようなものとも取り組まなければならないのです。

環境ホルモンの問題が解決するころにはさらに新しい問題が出てきて頭を悩ませるのでしょう。

第197段:消毒液で皮膚炎を作る

手荒れのひどい保育士の女性が受診しました。
原因を聞いてもはっきりとしませんでしたが、仕事が休みの日には若干改善するとの話から仕事上の問題はないかと考えていただきました。
結果は保育園で使用しているクレゾールの液が問題のようでした。
実は消毒液をちょっと規定よりも濃く作れば消毒が完全になるとの考えからクレゾールの希釈が不十分だったのです。
話を聞いてもう一度希釈の量を再確認していただきましたら10倍以上濃い液を作っておられました。

そこで今度は消毒液を使用している様々な施設にの方々に、使用中の消毒薬の希釈を規定どうりに行っているかどうかを確かめてみました。
結果はご想像どおり、いずれの施設も2倍から3倍以上の濃い溶液を使用されていました。
あきれた回答には「色がついていればいいでしょ」と答えられた医療職の方もありましたし(ピンク色の5%のヒビテン液での話です。)、いつも大体出来上がった消毒薬の臭いで決めていますという話もありました。
(ついでに農薬や肥料などについても同じような皮膚炎を起こされた方にも伺いましたが、ほとんどの方は濃い目に使用されているようですね。)

「職場や家庭で手が荒れている人はいませんか」とお伺いすると「私以外にも手がガサガサの人がいますよ。」とお答えになります。
消毒液を規定の量にお願いすると「そんなに薄くしたら消毒の効果がなくなる」と叱られたと愚痴をこぼされた方もありました。
「消毒を完全に」という考えがついつい消毒薬の希釈倍数を誤らせ皮膚に障害を起こしているのです。一度障害が起こった皮膚は完全に安定した状態にまでなるのにしばらく時間がかかります。(時には数週間)

洗濯や食器洗いのときの洗剤や漂白剤も多めのほうがきれいになると錯覚していませんか?食中毒防止として塩を多めに使ったりと、日常生活では規定の量を守っていないことが意外と多くないでしょうか?
(私の車での速度超過も規則破りの一つですが)
薬を飲むときでも同じで大目に飲む患者さんや少なめに飲む患者さんなど様々です。
もう一度適正量を確認して生活しましょう。

第196段:日本の人口動態

平成12年度の人口動態統計が発表されました。
一般的な話をはずしてちょっと気になる点を紹介しましょう。

出生率、死亡率、合計特殊出生率(1人の女性が一生に生むと計算される子供の数で2.08以下になると人口が減ってくるといわれています。)では国際比較をしてみましょう。
 
出 生 率 死 亡 率 合計特殊出生率
日本 '00) 9.5 '00) 7.7 '00)  1.35
イギリス '99) 11.8 '99) 10.6 '99)  1.68
イタリア '99)  9.1 '99)  9.9 '99)  1.19
スウェーデン '99) 10.0 '99) 10.7 '99)  1.50
ドイツ '99)  9.4 '99) 10.3 '99)  1.36
フランス '99) 12.6 '99)  9.2 '99)  1.77
アメリカ合衆国 '99) 14.5 '98)  8.6 '99)  2.08
人口千対 人口千対


平均初婚年齢は男性が28.8歳、女性が27.0歳でした。
(調査の25年前の昭和50年は男性27.0歳、女性24.7歳でした。)
平均初婚年齢が最も早いの男性では岡山県、香川県、宮崎県で27.9歳、遅いのは東京都で30.1歳。
同じく女性では福島県で26.1歳、遅いのはやはり東京都で28.0歳です。

第1子出生時の母親の年齢は28.0歳(昭和40年には25.7歳)でした。

14歳以下の母親から生まれた子供は43人、昭和30年には8人でした。
(生める環境になったのか?性の早熟化の現われか?
ちなみに19歳以下の母親から生まれた子供は昭和30年が2万5千人余り、平成12年が1万9千人余りでした)

45歳から49歳で出産した母親から生まれた子供は昭和30年には1572人でしたが平成12年には396人です。

昭和30年には50歳以上で出産した母親から生まれた子供は134人でしたが、平成12年には6人でした。

35歳~39歳の母親から生まれた子供の数は昭和30年に13万8千人余りから減り始め昭和50年には6万2千人台でしたが、晩婚化が進み、平成12年には12万6千人にまで増加しています。

死亡統計からは15歳~29歳までと50歳~79歳までは男性は女性の死亡率の2倍以上で男は長生きできないことが証明されています。
全年齢で見ても男性が女性よりも死亡率が低いときはなく、女性が強いことが証明されています。
(だから男性に優しくしてください。)

乳児死亡率について今から102年前の明治32年の統計と比較させてください。
明治32年の乳児死亡率は出生数千に対して153.8でした。
1000人子供が生まれると最初の1年以内に153.8人死んでいたということです。
平成12年には何と3.2と減少しました(先進国の中でもトップです)。
2桁違います。
ところが発展途上国ではまだこの数字が100を超えている国が少なくありません。
子供が死ぬことが非日常的な日本人の感覚とそうでない国の国民の感覚の差が生じている可能性があります。
100年の間に日本人は子供はめったに死なないと信じ込んでいるのではないでしょうか?
意外と死に近いところにいる状態なのです。
早めの受診をお願いします。

第195段:ただ(TADA)ほど怖いものはない(アルコール)

アルコールは適切な量が守られれば、多くの人には楽しめる飲み物ですね。
でもちょっと飲む機会や量が多すぎる人、ちょっと飲むには若すぎる人などが、問題です。ちょっとテストをしてみませんか?

酒が原因で、大切な人(家族や友人)との人間関係にひびが入ったことがある
   ある3.7点  ない-1.1点

せめて今日だけは酒を飲むまいと思っていても、つい飲んでしまうことがある
   あてはまる3.2点  あてはまらない-1.1点

周囲の人(家族、友人、上役など)から大酒飲みと非難されたことがある
   ある2.3点  ない-0.8点

適量でやめようと思っていても、つい酔いつぶれるまで飲んでしまう 
   あてはまる2.2点  あてはまらない-0.7点

酒を飲んだ翌日に、前夜の事をところどころ思い出せないことがしばしばある
   あてはまる2.2点  あてはまらない-0.7点

休日には、ほとんどいつも朝から酒を飲む
   あてはまる1.7点  あてはまらない-0.4点

二日酔いで仕事を休んだり、大事な約束を守らなかったりしたことがときどきある
   あてはまる1.5点  あてはまらない-0.5点

糖尿病、肝臓病、または心臓病と診断されたり、その治療を受けたことがある
   ある1.2点  ない-0.2点

酒がきれたときに、汗が出たり手が震えたり、いらいらや不眠など苦しいことがある
   ある0.8点  ない-0.2点

商売や仕事上の必要で飲む
   よくある0.7点  ときどきある0点  めったにないマイナス0.2点

酒を飲まないと寝つけないことが多い
   あてはまる0.7点  あてはまらない-0.1点

ほとんど毎日3合以上の晩酌(ウイスキーなら1/4本以上、ビールならおおびん3本以上)している
   あてはまる0.5点  あてはまらない0点

酒の上の失敗で警察のやっかいになったことがある
   ある0.5点  ない0点

酔うといつも怒りっぽくなる
   あてはまる0.1点  あてはまらない0点

得点を合計して

2点以上は「きわめて問題が多い、重篤問題飲酒群」
2点~0点は「問題あり、問題飲酒群」
0点~(-5)点は「まあまあ正常、問題飲酒予備群」
(-5)点以下「まったく正常、正常飲酒群」

という判定です。あなたはどうですか?
(KAST:Kurihama Alcoholism Screening Test)

第194段:耳垢(あか)の話

耳の穴(外耳道)の皮膚は、常に鼓膜から外に向かってゆっくりと移動しています。
これが耳の入口の軟骨部と深いところの骨部の境ではがれ落ちて軟骨部にある耳垢腺や皮脂腺から出る分泌物と混ざり合って耳あかとなります。
ですから耳あかは耳の入り口付近にだけたまるのです。

耳あかをきれいに掃除しようとして耳の置くまで綿棒を突っ込んでいませんか?
耳垢を耳の奥に押し込んでしまいますよ。
もう一度自分の耳掃除の仕方を点検してください。

耳あかは自然に排出されることが多いのですが、時には耳の穴をふさいでしまうこともあります。
高齢者で「最近どうも耳が聞こえない」といわれ耳の穴をのぞいたら、耳あかが詰まっていて薬でやわらかくして取り出したことが何度かあります。
栓のように詰まった耳あかがステンレスの膿盆という皿のような容器に落ちてカタンという音を立てたこともありました。
耳あかが取れた途端に難聴が治ったと喜ばれたこともありました。

ところで耳あかカサカサの乾型と褐色アメ状の湿型がありますね。
日本人では乾型が約85%と多くアメ状の湿型は病気と間違われることもあるようです。
欧米人では逆に湿型が一般的なようです。(私は湿型です。)

耳の穴の掃除は皮膚が薄いため非常にキズがつきやすいので硬いものでこすったり力を入れて掃除するとすぐに傷をつけ感染の原因になります。
自信のないときには耳鼻科の先生に見ていただききちんと手入れの仕方を教わってください。

第193段:ただ(TADA)ほど怖いものはない(タバコ)

「ただ(TADA)ほど怖いものはない」というタイトルの本を見つけました。
1995年の出版です。(日本禁煙協会、宮崎恭一著)

「T」はタバコ・Tobacco、
「A」はアルコール・Alcohol、
「D」はドラッグDrug、
「A」はエイズ・AIDSのことです。

10代の健康読本という副題がついています。
子供たちにそれぞれのことを正しく理解させどう対処するかが書かれています。
その本のタイトルを借用して私の考えを紹介します。

タバコの禁煙教育は小学校の4年生ぐらいから開始しなければ間に合いません。
中学校とか高等学校ではすでに遅すぎると報告されています。
しかし遅すぎるからやる必要がないのではなく常にタバコの危険性について情報を流しつづける必要があります。

「タバコは大人になってから」というJTのキャンペーンがありますが、タバコを売りたいタバコ会社は、「未成年の喫煙は有害であるし悪いことだ」と認めて、この言葉で子供たちに喫煙をしないように啓蒙しているという立場のようです。

しかしこの言葉は「大人になったらタバコを吸うものだ」という意味を含んでいるように感じませんか?

成人の喫煙者を見るとそのほとんどが20歳未満からタバコを吸っています。
「タバコは一生吸わないものだ」というキャンペーンが必要なのです。

「タバコには税金が含まれていて国の財政にも貢献している」という声がしばしば聞かれます。
ところがほとんどの集計では「多くの病気がタバコで起こるため、健康問題での国の出費や火災などでの損失が出ていることを含めると赤字になる」とされています。
ある控えめな調査ではタバコ1本で25円の国家の財政支出があるとされています。
つまり20本入りのタバコを1箱吸うと500円ほど国の支出が増えるということです。
タバコが1箱500円を超えることはありませんから、タバコではいる税金よりタバコのために出てゆく国の負担金のほうが多くなっているのは明らかですね。
タバコを吸わせつづけると国民が滅び国が滅亡します。
別の集計ではタバコの関連の病気で年間4万人以上が死んでいます。
交通事故では1万人前後が死んでいるわけですから反タバコキャンペーンの看板や幟は交通事故防止関係の4倍は必要と考えますが如何でしょうか?

タバコを1箱700円~800円くらいにして売上数量が落ちても国の税収やタバコ店の収入は変わらず売上本数を減らして健康を得るという対策ができます。
葉タバコの栽培農家には転作奨励金で対策が可能でしょう。
ニコチン依存は麻薬やアルコールと全く同じ薬物依存ですから急に全員がやめるわけではありませんし、値段が高くても吸う人は吸います。
外国では20本1箱が500円前後から700円前後ですから世界的な価格と日本人の所得を考え合わせると法外な結論ではないと考えます。

タバコの害は改めて説明するまでもなく子供のような成長過程の人間が吸うことで遺伝子などの異常が起きやすく吸い始める年齢が早ければ早いほど障害も大きくなることがわかっています。
タバコは吸わないものです。
薬物依存症の1種ですから手を染めないことが一番なのです。
 
ついでながら本数を減らすと体に悪いという話です。
タバコの本数を減らしてもニコチンの量をある程度体が要求しますので、喫煙時には深く吸い込んでしまいます。
このとき一酸化炭素も多く吸うことになり本数を減らしたりタバコを軽いものに変えると、ニコチンの摂取量は変わらず一酸化炭素の吸入量は増えますからかえって危険です。
一酸化炭素は吸入すると心筋梗塞や狭心症を誘発しますので非常に危険です。
慢性刺激で起こる危険な点だけにとらわれて本数を減したり、軽いタバコにすると逆に死を呼び込んでいますので完全な禁煙を目指してください。

第192段:ベッドと椅子はセットで

介護保険が導入されて1年ほど経過しました。
ベッドの貸し出しを受けている患者さんもいますが患者さんのほとんどはベッドに1日中寝かされています。
時には車椅子に乗っている方もありますが、この車椅子がとても長時間の使用に耐えられる代物ではありません。
移動をさせるために車輪をつけていて更に折りたためるような構造ですから座り心地が良いはずはありません。
嘘だと思ったら連続3時間以上座ってみてください。

私の診療所ではベッドを貸し出すときには高齢者がいくらか動ける場合には椅子も一緒に貸し出します。それも比較的高級な木製の椅子です。
(値段は4万円以上です。)

北欧製の肘掛つきの椅子ですが、実に座りやすく長時間座っても疲れが出ません。
使用されているご家庭で話を聞いても非常に評判がいいようです。
「ベッドは寝る道具」、
「車椅子は移動の道具」、
「椅子は座る道具」です。

以前にも書きましたが日本人の多くは椅子にお金をかけていないように感じています。
椅子の上に座布団を敷くのは椅子の座り心地が悪いからです。いい椅子には座布団は不要です。
お試し下さい。
(ついでながら車の座席のシートカバーも使用するとシートの本来のすばらしい性能を味わうことができません。)

布団の生活なら布団から出たところの畳に座りますが、(移動は這ったり躄〔いざり〕で十分です。)ベッドの時にはそうはいきません。
ちゃんとした椅子が必要なのです。

移動の道具の車椅子は座るための道具ではありませんのでベッドと椅子はワンセットと考えています。(もちろん車椅子も必要ですが)

高齢者にベッドを使用させるとき同時に椅子も用意する必要があることを認識してください。
畳の生活にベッドを持ち込んでも違和感があるのは椅子がないからなのです。
もちろん机やトイレその他の生活用品もベッドにそろえなくてはなりません。
畳の上を這ったりいざったリすることを止めることがベッド生活の原点です。
下肢の筋力が低下するとベッドと椅子の生活が楽になりますのでベッドだけで十分という考えは通用しません。
床に座ると立ち上がるのが困難でますます動くことが億劫になります。
さらに立ち上がるときの転倒の可能性も高まります。
高齢者に生活様式を突然変えさせるのは困難ですが、骨折をさせないように転倒防止を考えることが必要になります。

ご相談を承りますのでよろしく。

第191段:胃のもたれ

人間の胃袋はゴムのように縮みしますが、この伸縮性が損なわれたりすると、いつまでも食べ物が胃の中に残って、膨らんでいる感じになります。
この状態が長時間不快に続くのが「胃もたれ」の症状です。
原因は胃の炎症や潰瘍、悪性腫瘍(ガン)があって伸縮性が損なわれている場合や、食べ過ぎのため、消化して腸へ送り出すのに時間がかかる時に「胃もたれ」を起こします。

胃の運動は体が起きていれば正常に動いているのですが、横になって寝てしまうと運動が止まってしまいます。
子供の頃に「食後すぐに寝ると牛になる」と祖父や祖母に叱られたことを思い出しました。
「胃もたれ」の原因になりそれを昔の人は知っていて注意したのでしょうか?

日本人の生活時間帯が夜にシフトしていっているのは様々な研究で明らかにされています。
そして夕食の時間が遅くなっているのも事実です。
そんな状況ですから、食後すぐに寝るという習慣が出来上がり「胃もたれ」を作っているのではないでしょうか?
夕食後にすぐに寝ないで2時間から3時間ぐらいは起きていたほうが良いでしょう。
もちろん夜食などは「胃もたれ」の原因を作っていますので控えたほうが良いでしょう。

朝食抜きの日本人が増えている原因の一つに夕食が遅く食後すぐに寝るので「胃もたれ」が発生し、朝の食欲が出ないのではないでしょうか?
朝、空腹で目覚めると朝食が美味しくなります。英語では朝食をブレックファーストといいますが、breakは「中断する」あるいは「壊れる」、「折れる」という意味ですね。
fastは「断食」という意味ですから英語では朝の食事の朝食ではなく、断食を中断する食事なのです。
ですからお腹が減っていて当たり前なのですが、遅い夕食のあとすぐに寝て「胃もたれ」で空腹感のない朝食を食べさせるのはブレックファーストとはいえなくなります。

夜食や遅い夕食で「胃もたれ」を作っているという事実を確認できれば胃薬の使用量も減りますよ。
私はいわゆる胃薬を処方するのがきらいです。
生活のリズムを整えることで不必要な胃薬から開放される可能性もありますのでご一考ください。
プロフィール

taijindo

Author:taijindo
島根県益田市にある松本医院(内科・小児科・アレルギー科)の院長です。

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