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2005年春は、花粉症にご注意! 04年の10~20倍の大量飛散の予測

この夏の猛暑の影響で2005年春には、スギやヒノキの花粉が2004年比で10~20倍も多く飛ぶという予測が出た。
11月4日にNPO花粉情報協会が開催した「2005年スギ花粉飛散予測セミナー」で、気象業務支援センターの村山貢司専任主任技師が明らかにしたもの。

例年に比べても2、3倍の花粉量に相当し、花粉の大量飛散が避けられない見通し。
花粉症の人にはつらい春になりそうだ。

今年の夏は暑かった。
東京では39.5℃の最高気温を記録、真夏日の日数も観測史上1位。
このため、日照時間が長く、雨が少ないという、花粉の生育に絶好の条件がそろった。

実際、スギ花粉をたわわに抱え込むスギの雄花の生育状況は良好で、「観測史上最高を記録した1995年に次ぐ、10年来の大飛散になる見込み。
ヒノキも多い西日本では、観測史上最高の飛散量になるおそれもある」と村山専任主任技師は指摘する。

前年の冷夏の影響で飛散量が激減した04年と比較すると、「特に飛散量が多いと予測される関東北部から近畿にかけては、前年比で20~30倍飛ぶ地域もある」(村山専任主任技師)。
なお、この夏の集中豪雨や10個の台風上陸は記憶に新しいが、「いずれも被害は局地的で、花粉飛散量にはほとんど影響ない」(村山専任主任技師)という。

飛散開始は、暖冬の影響で例年よりもやや早くなる見込み。
最も早く飛び始める関東・近畿・四国の南部と九州の北部では、2月10日が飛散開始予測日とされる。
この「花粉飛散予測前線」は約1カ月かけて北上していくが、「飛散開始が1週間程度早
くなる可能性がある」(村山専任主任技師)という。

また、花粉の生育状況が良いだけに「飛び始めと同時に、爆発的に飛散する可能性がある。
ヒノキもよく育っているので、5月の連休までダラダラと多量の花粉が飛びそう」とNPO花粉情報協会理事長の佐橋紀男・東邦大学薬学部教授は分析する。

“狂い咲き”で11月も要注意

実はもう、スギ花粉は飛んでいる。

例年、秋に生育を終えたスギ花粉は、冬の寒波で休眠し、2月中旬から飛び始める。
ところがここ数年、猛暑や暖冬といった異常気象の影響で、休眠を待たずに秋に花粉が飛散する“狂い咲き”現象が起こっているようだ。

特に今年は「すでに10月中にも2桁(1日、10平方センチメートル当たり)の花粉が観測された。
これは過去に例がない」と佐橋理事長。
秋の狂い咲きは「11月に一番多くなる。
最高気温が20℃を超える暖かい日は要注意日」(佐橋理事長)という。

日経メディウェーブより
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健康保険が使えないインフルエンザの予防薬

健康保険が使えないインフルエンザの予防薬の話です。
65歳以上の高齢者とハイリスク疾患患者(慢性呼吸器または心疾患患者、代謝性疾患患者(糖尿病など)、腎機能障害患者)(ただし13歳以上)の方で家族や共同生活者など同居の方がインフルエンザに罹患したときに最大10日間予防薬を飲むことができます。
(治療薬のタミフルカプセル75を使用します)

予防接種をしなくてすむわけではありませんし、予防接種に変わるものでもありません。
インフルエンザにかかった人たちと接触して48時間以内のできるだけ早い時期に飲み始めないと効果が期待できません。

お値段はまだ決めていませんが、健康保険が使えませんので多分予防接種のほうが安くなるのではないでしょうか?

国の薬価基準と呼ばれる「いわゆる公定価格」では1カプセルが360円余りの値段ですから10個で3600円余りという計算にはなりません。様々な経費を加算しないと赤字になりますので医療機関が困ります。

とりあえず緊急避難的な予防法も日本で可能となったということだけお知らせします。

やはりポイントは予防接種ですね。

2003年から2004年のインフルエンザのまとめ

2003年12月~2004年3月までのインフルエンザの流行は、過去10年間では一番患者さんが多く発生した週(ピーク時)の多さ(高さ)は6番目で流行の規模は中の下くらいだったようです。
集団生活の場の幼稚園や小学校、中学校での発生調査調査では前の年よりも40%程度少なかったようです。

私が嘱託医をしている養護老人ホームでは58名の入所者中(定員60名で、流行期以前に他の病気で2名入院していました。)16名がインフルエンザを発症(もちろんワクチンを接種していました。)しました。
しかし、肺炎を併発して入院された方はありませんでした。

医師の間では予防接種のワクチンの型が外れたという話が出ています。
真偽のほどはわかりませんが、かなり精度の高い予測をしていましたから「本当に外れたのかな?」と考えています。
本当に外れていればかなりの流行になった可能性がありましたが、大流行に至らなかった点を考慮すると当たっていたと判断すべきと考えています。

すでに2004年~2005年のシーズンのワクチンの型は決まっており

A型株はニューカレドニア/20/99(H1N1)(ソ連型)
     ワイオミング/3/2003(H3N2)(香港型)
B型株は上海/361/2002

となりました。

ニューカレドニア/20/99(H1N1)(ソ連型)という株は、ここ数年連続してワクチン株として採用されています。
ということは、次のシーズンも大流行はないかな?それとも新種が主体となるか?
香港型が大流行するか?
いずれにしても、「暖冬の年にはインフルエンザが大流行しない」という予測は今年も当てはまりました。

次のシーズンのワクチンはすでに予約を済ませました。
前年度のインフルエンザワクチンは私の医院場合、不足してご迷惑をおかけしましたが、今年度はさらに多くのワクチンを確保しております。

新しい問診表(04.03.27)

松本医院では、新しい質問票を作って受付窓口に出しました。
従来からの初めてのときの質問票とは異なり、何度も通っている方々への質問票です。
毎回書く必要はありませんが、時々使ってみると良いかもしれませんね。
項目だけ紹介します。

一つ目の用紙の質問項目です。

   1.薬の残りがある。    回分   日分    週間分  不明
   2.薬を飲んだり、使ってみたが、良くならない。
   3.薬を飲んだり、使ってみたら、かえって体の調子が悪くなった。
      3-1.薬の副作用ではないか?
   4.いつもと体調が変わって、ぐあいの悪いところがある。
   5.体や心のことで相談したいことがある。
   6.家族や友人の健康や心の問題で、相談したいことがある。
   7.上記以外で相談や伝えておきたいことがある。

二つ目の用紙の質問項目です。

1. 病気になった原因は何だと思いますか?
2. いつ頃から病気になったのだと思いますか?
3. どうしてその頃(時)から病気になったのだと思いますか?
4. 病気のためにどんな症状が出ていますか?
5. 病気はどのくらい悪いと思いますか?
6. 病気は治るまでに長くかかると思いますか?
7. どんな治療や検査を受けたらよいと考えていますか?
8. 治療を受けたあと、病気の状況はどう変わると思いますか?
9. 病気になってから起きた問題で一番困っていることは何ですか?
10. 病気のことで最も心配されているのはどんなことですか?
11. 病気のことについて誰(他の医療機関を含む)に相談していますか?
12. 病気を治そうとしてあなたが実行していることがありますか?

毎日の診療でも一目の質問票程度は聞きたいのですが忙しいと中々できません。

二つ目の 質問用紙は受診している方が自分の病気をどのように考えているか、またどのように対応しているかを知るための質問票です。
いつもの流れ作業のようになっている診療をもう一度考え直すためのものです。
医師だけで病気が治るのではありません。
治療の主役は患者さん本人ですからねえ。

世界結核デー

3月24日は世界結核デーです。
1882年3月24日にロベルト・コッホ(ドイツの医学者・ノーベル賞受賞者)が結核菌を発見したことを学会に発表しました。
WHO(世界保健機関)は1997年の世界保健総会で、この日を正式に「世界結核デー」に制定しました。

世界結核デーの標語は「呼吸するたびに唱えよう『ストップ結核!』」(Every breath counts-Stop TB now!)です。

すべての人が生きるために呼吸は必要です。
また結核は空気感染する病気であることから呼吸と結びつきがあります。
鳥インフルエンザやSARSが最近アジア地域で問題になっていますが、感染症に国境はありません。
世界の新しい結核患者の95%が発展途上国で発生する中、結核は途上国の人々だけでなく世界中のすべての人にかかわる問題なのです。
すべての患者に平等に治療の機会を提供するためには、政府の力だけではなく地域住民一人一人の結核に対する認識と協力が不可欠なのです。

平成14年、日本では32,828人(人口10万対罹患率:25.8)が新たに結核を発病。
平成9年から3年連続で増加していた新登録患者は、平成11年に厚生大臣(当時)より「結核緊急事態宣言」出された後、3年続けて減少を維持したことが明らかになりました。
しかしながら、70歳以上の高齢の患者が全新登録患者の4割以上を占める一方で、社会経済的弱者等治療を完了するのが難しい人々に結核が増えていること、東京と大阪で全新登録者の約4分の1を占め、都市部に集中傾向であることなど、特定の層・地域に偏在化し、対応が難しい問題が山積しています。

結核は過去の病気ではありません。
今なお積極的な対策が必要とされている病気です。(資料提供:富士レビオ株式会社)

2004年の花粉症(1月6日現在)

インフルエンザの話題や新型ウイルス肺炎(SARS)の話題で忘れておられる方があるかもしれませんが、2月に入るとスギ花粉症の季節ですね。
昨年の夏が涼しかったせいで今年のスギ花粉は大量飛散(悲惨)する可能性は少なそうです。
(あくまでも私の直感です。)
昨年、一昨年のように科学的なデータをもとに今回は書いておりません。
勘ですよ、あくまでも勘ですので外れたら笑ってください。

大量飛散(悲惨)のなさそうな今年ですが、暖冬の影響で多分益田市内では例年発症の時期が2月の13日頃なのですが、今年は4・5日早まりそうですね。
地球の温暖化の中で昨年の気温は、夏場の温度が低く、春や秋はやや高めだったようで1年を通しては平均気温は上昇したようです。(スギの花粉が生成される時期は寒かったのですが・・・・)今年はどうなりますか??

松本医院でのスギ花粉症対策は漢方薬を選択する人、眠気のない錠剤を飲む人、鼻や目に直接薬を使用する人などなどさまざまです。
今年は私の大好きな薬のリノコートという鼻への噴霧薬が使いやすい使用法になりました。
これまでの薬で今ひとつの感じだった方には挑戦してみる価値がありそうです。

スギ花粉症は治すことはできないけれども、快適な体調にして憂うつな時期を乗り越えることはできる病気です。
積極的に向き合うことで止まらない鼻水や涙にお別れをしましょう。

遠絡療法を始めました。

遠道相応穴位経絡療法(えんどう・そうおう・けつい・けいらく・りょうほう)略して
遠絡療法(えんらく・りょうほう)と呼ばれる治療は、台湾生まれの「柯(こう)医師」が開発したものです。

彼は日本で鹿児島大学医学部を卒業して医師になり、九州大学の麻酔科などで痛みの研究を重ね、中国の古典などを参考にペインクリニックの技法などと統合して、新しい理論を構築し全く新しい治療体系を完成させました。

東京に在住の柯医師(ペレス・銀座クリニック:難治性痛み治療専門医院)はこの遠絡療法の使命を
「世界の人々の痛みを消そう」と考えています。

「消痛革命」と宣言し難治性の痛みに正面から取り組んでいます。その治療上のお約束として

 1. 痛いところには触りません
 2. 注射はしません
 3. 薬は使いません
 4. 鍼は打ちません

  を掲げ、痛みの治療4則を

 1. 痛いときには無理をしない
 2. 痛いときにはまず検査
 3. 痛いときには我慢をしない
 4. 痛いときには触らない

  生体の流れの調整・4つの特色を

 1. 難治性の痛みを治療します
 2. 日本生まれの日本型治療です
 3. 臨床治療行為を第一とします
 4. 副作用のある治療を放棄します

  としています。

さまざまな経緯の後、平成15年3月から数回上京し、60時間以上にわたる勉強や実習を積み重ねてきました。
平成15年12月に「遠絡療法専門医」として仕事をすることができる所まで到達しました。
既に数多くの方々が私の診療所でもこの遠絡療法を受けられて、治療後、数秒から数分でその威力を経験されています。

生体にはさまざまな流れがあり、その流れを整えることで痛みが消失するという考え方です。
手足の数箇所を刺激することで生体の流れを調整して痛みやシビレ、重みを消そうということです。
まだ日本全国で50名に満たない医師が取り組んでいる治療手技ですが、私は大きな可能性を秘めた治療法として評価して取り組んでいるわけです。

論より証拠、痛みが消えるか試してみませんか?

治療法の専門的なサイトは
http://www.painless-clinic.com/~index.html

アトピー性皮膚炎の新しい薬と光線療法

平成15年10月から松本医院では中等症よりひどいアトピー性皮膚炎の治療にレーザー治療を始めました。
痛みも不快な感じも全くありません。
治療効果もかなり良好です。
皮膚疾患に対するさまざまな光線療法は以前からありましたが、私は全く手がけておりませんでした。

しかしある日、やってみようと思い立ったわけです。

かゆみは人間が痛みを感じる神経と温かみを感じる神経が同時に刺激されるとかゆみを感じます。
ですからレーザー治療で痛みだけを取るとかゆみが生じなくなり「かきむしらない」のでアトピー性皮膚炎が落ち着いてきます。
この治療はアトピー性皮膚炎を根本的に治すことはできないかも知れませんが、かゆみを取ってかなり軽くすることは可能なような印象です。

もうひとつの話題は以前にこのトピックスでも紹介しましたタクロリムス水和軟膏(商品名プロトピック軟膏)です。
平成15年12月から小児用の軟膏が登場しました。
以前は小児への投与ができませんでしたが、薬を薄めて小児にも使えるようになりました。
発売以前にガンの発生が高まるのではないかという意見が出ていましたが、日本皮膚科学会の公式見解では心配された副作用については否定されました。
適切な使用量を守って正しく使用すれば問題はほとんど起こらないと思います。

アトピー性皮膚炎のさまざまな話題は私のホームページでも何度も取り上げています。
いろいろご意見はあるでしょうが、まず患者さんの病変を診てから判断をさせてください。
一般論を無理やり特定の患者さんに押し付けてもむりがあります。
治癒するまでの期間についてもきちんと医師と相談しましょう。病気の程度も重症なのか軽症なのかも医師が判断しています。
患者さんや家族の方が医師の代わりに診断をつけて「食物が関係した重症です。何年も治るのにかかるでしょう。」といわれても単なる接触性皮膚炎で短期間で治癒という場合や、「軽いですよね」といわれてこられた患者さんの治療に数年かかることもあります。よく相談しましょう。

この冬はインフルエンザが流行るのか?

この冬(2003~2004)はインフルエンザが流行るのか?
最近良く聞かれる質問です。
予測がさまざまな方面から出ています。
私も判断できないので皆様にお任せしましょう。

 流行るという予測

ここ3年ほど大流行が認められず、今年あたりは大流行になりそうな印象、昨年と同じインフルエンザワクチンの株なので大流行はないといわれるが、インフルエンザが大型モデルチェンジをしてもおかしくないほどの時間が経過しているのでそろそろ危ない。大流行になる。

 流行らないという予測

今年は暖冬予想なので暖冬の年にはインフルエンザが大流行しないのが今までの経験で証明されている。
インフルエンザワクチンも昨年と同じ株なので、昨年免疫を獲得している人が多いはずなので余り心配はいらない。

 インフルエンザワクチンを接種するかしないか?
 
この点はSARSの問題もありインフルエンザの重症化を防ぐ意味からも接種するのが望ましいと考えています。
多分昨年のような大騒ぎにはならないと思いますが、インフルエンザの特効薬は今年は充分供給されるはずです。
とはいえ予防に勝るものはありません。できる限り12月中にできれば12月中旬までには接種を済ませましょう。

専門医はどこに?

医療相談には「専門医と相談しましょう」とか「専門医を受診しましょう」という言葉を見かけますが、専門いはどのくらいおられるのでしょうか?
平成14年4月1日から厚生労働省告示および通達により、次のような条件を満たす場合に専門医を広告しても良いということになりました。

<いわゆる「専門医資格」を認定する団体の基準>

・学術団体として法人格を有していること
・会員数が千人以上であり、かつ、その8割以上が医師であること
・5年以上の活動実績を有し、かつ、その内容を公表していること
・外部からの問い合わせに対応できる体制が整備されていること
・専門医資格の取得条件を公表していること
・資格の認定に際して5年以上の研修の受講を条件としていること
・資格の認定に際して適正な試験を実施していること
・資格を定期的に更新する制度を設けていること
・会員及び資格を認定した医師の名簿が公表されていること

1年半ほど経過して次の専門医が広告できることになりました。

■(社)日本整形外科学会 (整形外科専門医)03-3816-3671 平成14年7月17日届出受理
■(社)日本皮膚科学会(皮膚科専門医)03-3811-5099 平成14年7月17日届出受理
■(社)日本麻酔科学会(麻酔科専門医)03-3815-0590 平成14年7月17日届出受理
■(社)日本医学放射線学会(放射線科専門医)03-3814-3077 平成14年10月1日届出受理
■(財)日本眼科学会(眼科専門医)03-3295-2360 平成14年10月1日届出受理
■(社)日本産科婦人科学会(産婦人科専門医)03-3260-2296 平成14年10月1日届出受理
■(社)日本耳鼻咽喉科学会(耳鼻咽喉科専門医)03-3443-3085 平成14年12月16日平成15年2月24日
■(社)日本泌尿器科学会(泌尿器科専門医)03-3814-7921 平成14年12月16日届出受理
■(社)日本形成外科学会(形成外科専門医)03-5814-5817 平成15年2月24日届出受理
■(社)日本病理学会(病理専門医)03-5684-6886 平成15年2月24日届出受理
■(社)日本内科学会(内科専門医)03-3813-5991 平成15年2月24日届出受理
■(社)日本外科学会(外科専門医)03-3812-4251 平成15年4月25日届出受理
■(社)日本糖尿病学会(糖尿病専門医)03-3815-4364 平成15年4月25日届出受理
■(社)日本肝臓学会(肝臓専門医)03-3812-1567 平成15年4月25日届出受理
■(社)日本感染症学会(感染症専門医)03-3473-5095 平成15年4月25日届出受理
■(中)日本救急医学会(救急科専門医)03-5840-9870 平成15年6月25日届出受理
■(社)日本血液学会(血液専門医)075-752-2844 平成15年6月25日届出受理
■(社)日本循環器学会(循環器専門医)075-751-8643 平成15年6月25日届出受理
■(社)日本呼吸器学会(呼吸器専門医)03-3254-3103 平成15年8月25日届出受理
■(財)日本消化器病学会(消化器病専門医)03-3573-4297 平成15年8月25日届出受理
■(社)日本腎臓学会(腎臓専門医)03-5159-1051 平成15年8月25日
■(社)日本小児科学会(小児科専門医)03-3818-0091 平成15年8月25日

注)日本麻酔科学会「麻酔科指導医」の場合、「麻酔科専門医」として広告することになります。
表中、(社)は民法上の社団法人、(財)は同財団法人、(中)は中間法人法上の有限責任中間法人を指します。

この専門医がどこで診察をしておられるのかと感じたときには、それぞれの連絡先に電話をして専門医を紹介してもらってください。
きっとあなたの役に立つのでしょう。

現在の状況では、まだまだ専門医は種類が増えそうです。
どの専門医を受診すればよいのかを相談するための専門医(相談医?)もいるかもしれませんね。

インフルエンザワクチン接種

今年もインフルエンザワクチン接種が実施されます。(松本医院では11月から)
さまざまな論議があるでしょうが、予防に勝るものはありません。
インフルエンザにかかってからの薬もあるから大丈夫といわずに予防接種を受けましょう。

特に今年は春先に流行してなぜは日本に入り込まなかったSARS(新型ウイルス肺炎)とインフルエンザの区別が難しいと予想されています。
インフルエンザと診断できない場合にはSARS(新型ウイルス肺炎)疑いで隔離される場合もありますのでせめてインフルエンザだけは確実に予防しておきたいものです。

海外にいったことのない人であっても日本国内で自然に発生する可能性もないわけではありませんから注意が必要です。
この文は2003年9月に書いていますので今後さらに具体的な話が出てくるでしょう。

きちんと予防をしておいてくださいね。

おねしょ(夜尿症)の薬

新しいタイプのおねしょ(夜尿症)の薬が健康保険で採用され発売されました。
鼻に薬を噴霧するだけの薬です。
通常6歳以上が治療の対象ですが気になる方は一度ご相談ください。
今までの薬とは一味違うタイプの薬ですので諦めていた方ももう一度挑戦してみる価値があるかもしれません。

今までの薬では眠りを浅くして膀胱からの刺激で目覚めやすくするとか、膀胱の尿を我慢させる機能を高めるとかでしたが、今度の薬は尿を濃くさせる効果がありますので結果的に膀胱に大量の尿が溜まりにくくなります。
1日1回の使用ですのでおきてからあとの時間で必要のない水分は全て出ていきますので心配は無用です。
(誤って使いすぎると水中毒を起こします。)

おねしょは偏見に満ちた病気というより状態です。
本人の意思とは関係ないのに出てしまうのですが、つい「だめねえ」とか「また出たの?」、「もう○○才なのに」と傷つけられる言葉や視線が信頼している家族から投げかけられますので本当に可愛そうです。

今度の夏休みにおねしょにバイバイできるようにチャレンジしてみましょう。実は意外と多い症状なのです。

第312段:みんなに感謝の還暦の会

6月18日、学校医をしている益田高校を訪れました。
2日前の​土曜日に私たちの同窓会と学校見学会を開いて校内の案内をしていただいた​お礼を述べるためでした。

昨年の暮れから今回のことをお願いしていまし​たので、在学中のクラス別の写真や当時の資料が用意されており、訪れた3​0人ほどが再開と思い出に花を咲かせていました。
校長先生から私たちの卒業​後の高校の経過や現況の説明をしていただきました。
私たちが在籍していた頃は木造​の校舎で、鉄筋コンクリートの校舎は建築中でしたがその新校舎も既に42年​、年齢を感じてしまいました。

学校内を見て歩いた後、大きな秘密のプレゼントがありました。
吹奏楽部の部室に立ち寄ると、生徒たちが練習を中断して私たちに校歌の演奏をしてくれたのです。
私たちの思い出のために奏でてく​れた懐かしい、胸に響く演奏に目頭が熱くなった友人も少なくなかった​ようでした。

感激の拍手の後、感謝の言葉を述べて懇親会へと向かいました。

誰かが高校に忘れ物をしていてその連絡の際に、すばらしかった吹奏楽部の演奏への感謝の気持ちを電子メールで伝えておきました​。

月曜日に学校に伺った時には校長先生から吹奏楽部の部員に感謝の​文書が出ており、その中に私からの電子メールの内容も引用されていました。詳しく​話を聞くと演奏した生徒のほうからも「先輩に聞いてもらえてうれしかった」​との感謝の言葉もあったようでした。

一昨年の秋に、そろそろ同窓会でもと東京在住の同級生から提案​され、すぐに親しい友人と相談して、私たちの大半が満60歳つまり「還​暦を迎える年」に開催をしようということで話をまとめ、10人足らずのメンバーで​名簿の整理から始めました。

仕事を済ませた後の夜間の会合を何回も繰り返し、徐々に準備が進み本年3月にやっと案内状が発送できました。

卒業したときには251人でしたが既に11人が鬼籍に入ってお​り、30人ほどは連絡が取れず、数人は住所の公表をしたくないとの回​答もあり時代を感じながらの準備でした。
いったい何人が出席できるのか予​想もできないまま、5月末の出欠の締め切り日を待つしかありませんでした。

結局92人が出席、北は秋田県、南は宮崎県からもこの会のために​帰省してくれました。
思い出せない顔と名前、名札を見てお互いを認識して、驚いたり喜​んだりの風景が会場のあちこちで繰り広げられました。

懇親会の前に撮影した記念写真は1次会終了と同時に全員に手渡し​、それぞれが2次会、3次会へと繰り出して行きました。
役目は完了​と思ったら大間違いでした。写真の顔と名前が一致しません。

翌日から大慌て​で手分けして名前と写真を照合した用紙を作成して感謝の便りをつけて出席者と​都合で欠席した同級生にも送り終わったのは6月末でした。

心地よい疲れの中に大きな満足を得ることができました。関係者に​感謝!

「いわみ談話室」より

2003年~2004年のインフルエンザ

厚生労働省医薬局血液対策課長から平成15年度のインフルエンザHAワクチンの製造株が通知されました。
A型もB型も昨年と全く同じ成分です。
じゃあ去年の冬に接種したので大丈夫と考えるのは早計です。
今年の秋から冬にかけてもきちんと接種しておきましょう。
インフルエンザワクチンを打ち忘れても特効薬があるから大丈夫などとはいわないで下さいね。今年は昨年のような薬が足りない状況にはならないと思いますが、転ばぬ先の杖ですから接種をよろしくお願いします。

 A型株:A/ニューカレドニア/20/99(H1N1)[ソ連型]
A/パナマ/2007/99(H3N2)[香港型]
 B型株:/山東/7/97

2002年から2003年のシーズンのインフルエンザもピークはすごかったのですが一冬で総計すると中規模程度の流行でしたね。

今年の冬はひょっとすると日本でもSARS(新型肺炎)が入ってくるかもしれません。
疑わしいときには受診する前にまず医療機関に電話をしてどのようにするかを聞いてから指示に従いましょう。

SARSの場合にわかったように、最初の患者さんが出た時点で隔離をしなければ意味がありません。
インフルエンザも感染の拡大を防ぐためには学校などでは最初の子どもが見つかった時点で学級閉鎖や学校閉鎖をしないと一気に感染者が拡大するわけです。
しかし学校の場合は単に医学的に拡大させないというだけの理由以外の理由で児童や生徒を登校させています。
学校医にはその権限がなく、学校長が学校医の意見を参考にして閉鎖を決めることになっています。

とにかく予防に勝るものはありませんから、今年もインフルエンザワクチンの接種をきちんとしましょうね。

やっとでました。日本医師会の禁煙宣言

2003年の5月1日から健康増進法が施行される予定です。

この法律では第二節 受動喫煙の防止が規定され、

第二十五条 学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、事務所、官公庁施設、飲食店その他の多数の者が利用する施設を管理する者は、これらを利用する者について、受動喫煙(室内又はこれに準ずる環境において、他人のたばこの煙を吸わされることをいう。)を防止するために必要な措置を講ずるように努めなければならない。

となっています。法の解釈ではタクシーの中も多数のものが利用する施設に含まれるようです。
罰則規定がないので処罰の対象にはなりませんが、施設の管理者のモラルが問われることになりました。あなたの周囲の公共施設は如何ですか?

ところでやっと日本医師会も重い腰を上げ禁煙宣言を出しました。エッ今ごろ?と驚かれる方も多いと思います。しかし今までありませんでした。2003年3月30日に採択されました。


禁煙推進に関する日本医師会宣言(禁煙日医宣言)

喫煙は、がん・心臓病・肺気腫等の疾病の原因となるなど健康に悪影響を与えることが医学的にわかっている。また、受動喫煙についても健康被害があるとの研究結果が報告されている。

日本医師会は、国民の健康を守るために、喫煙大国からの脱却を目指して、今後とも禁煙推進に向けて積極的に取り組んでいくこととし、ここに禁煙日医宣言を行う。

1.我々は、医師及び医療関係者の禁煙を推進する。
2.我々は、全国の病院・診療所及び医師会館の全館禁煙を推進する。
3.我々は、医学生に対するたばこと健康についての教育をより一層充実させる。
4.我々は、たばこの健康に及ぼす悪影響について、正しい知識を国民に普及啓発する。特に、妊婦、未成年者に対しての喫煙防止を推進する。
5.我々は、あらゆる受動喫煙による健康被害から非喫煙者を守る。
6.我々は、たばこに依存性があることを踏まえて、禁煙希望者に対する医学的支援のより一層の充実を図る。
7.我々は、禁煙を推進するための諸施策について、政府等関係各方面への働きかけを行う。

第311段:開業医の一日

5月ある日、朝7時に携帯電話が鳴りました。診療所からの転送です。

朝の電話は、前夜から連絡をしたかった患者さんや家族からの連絡が多いので少し緊張します。
数日前から容体の悪化していた患者さんの家族からの呼び出しでした。

診察してみると容体は悪く、前回の往診時には「もう入院はさせたくない」との希望もあり積極的な治療をさし控えていましたから「今夜か明日までしか持ちませんよ」とお話しすると、家族からは不安な様子が伺えます。
「様子が変わったり、心配だったりしたときにはまたご連絡ください」と伝えて患者さん宅を後にしました。

朝の6時半ごろから、車の中で玄関が開くのを待っておられた患者さんご夫妻から診療開始となりました。
既に2時間待ちです。
何人目かの患者さんが、「先生!俺みたいな賞味期限切れの人間はそろそろ、おさらばしないといけないねえ」と話し始めました。
「そんなに簡単に逝かないでください、あなたの体には資本がかけてあるのだから、心筋梗塞を起こしてヘリコプターで山の中から運んで命拾いしたのを忘れたのですか?」と笑いながらの会話です。

しばらくすると女の子が入ってきました。
「私は12歳だからちゃんとできるから・・・」と話していましたが、診察してみると「インフルエンザみたいだから検査を・・・」と声をかけたら途端に母親にすがりついて鼻を両手でふさいでしまいました。
「12歳で大人だから、頑張ろう」と綿棒を鼻の穴に、結果はB型インフルエンザ、「やっぱりまだまだ子供ね。」のお母さんの言葉で笑いが出てきました。

朝からの診療が終わるとケアマネと介護プランを確認、指示を出して昼食になりました。

午後の診療開始までの2時間の間に、朝往診した患者さん宅に様子を伺いに出かけました。
朝よりも悪化していました。

その後の対応をお願いして、学校医をしている小学校に向いました。
養護教諭と学校保健委員会の打ち合わせや子どもたちの心や健康問題の情報交換を済ませると、午後の診療開始時間でした。

名前を呼んで顔を見るとなじみの患者さん、名字が変わっています。
「結婚して、妊娠しているけどこの薬は使えますか?」と話し始められました。

次の患者さんは「娘の所に1カ月の予定で遊びに行っていたけど、たまたま血圧を測ったら190もあるから驚いて、予定を早めて帰ってきました」と話されます。
落ち着いて測定すれば血圧は120台、「もう一度、娘さんの所に帰りますか?」と聞けば「5時間近くも車に乗って帰ってきたのに、もう行きません」とほっとしながら話されます。

結局、この日は3歳から89歳まで60人ほどの診療でした。

夕食後、仕事場に戻りレントゲン写真の再チェックや残った仕事を片付けていた午後9時過ぎに呼び出され、朝の患者さん宅に向かいました。
ご臨終でした。

今年に入って5枚目の在宅死の患者さんの死亡診断書を書き終えた時には時計は午後10時を回っていました。

『いわみ談話室』より

脳卒中予防十か条

脳卒中予防十か条について       平成15年2月21日
                        日本脳卒中協会会長  山口武典

日本脳卒中協会は脳卒中の予防と患者・家族の支援を目的として平成9年から活動を開始し、平成14年には脳卒中に関する知識を広めることを目的に、5月25日から31日を「脳卒中週間」と定め、啓発活動の推進を図ってまいりました。

この度、より一層知識を普及するために、分かりやすい「脳卒中予防十か条」を作成いたしました。

この中で、まず脳卒中の主要危険因子である高血圧、糖尿病、不整脈(心房細動)、喫煙、過度の飲酒、高コレステロール血症に対する注意を喚起し、次に、高血圧・糖尿病・高コレステロール血症を予防するための塩分・脂肪分控えめの食事、適度な運動、肥満を避けることを勧め、最後に、万が一発症した場合の救急対応の必要性を謳っております。

どうか、この「脳卒中予防十か条」の普及にご協力賜りますよう、お願い申しあげます。

脳卒中予防十か条
1. 手始めに 高血圧から 治しましょう
2. 糖尿病 放っておいたら 悔い残る
3. 不整脈 見つかり次第 すぐ受診
4. 予防には タバコを止める 意志を持て
5. アルコール 控えめは薬 過ぎれば毒
6. 高すぎる コレステロールも 見逃すな
7. お食事の 塩分・脂肪 控えめに
8. 体力に 合った運動 続けよう
9. 万病の 引き金になる 太りすぎ
10. 脳卒中 起きたらすぐに 病院へ

第310段:見直そう『わが家の味』

糖尿病の患者さんやご家族と松本医院の職員とが一緒に調理実習を終え、みんなで食事を開始しました。私も午前中の診療を終えて会場に顔を出して遅れて食事に参加しました。

その日の献立は、花ちらし寿司、鰆(さわら)のホイル焼き、小松菜と切干大根の辛子和え、うしお汁、果物はイチゴが38gとオレンジが30g、果物と合わせて昼食は合計428キロカロリーです。

「いただきます」と手を合わせ、私は食直前の薬を飲んで食べ始めました。

甘みの少ない昔懐かしいおすしの味です。
調理をされた皆さんと食べ物談議をしながらの食事です。
いつもの食事よりも味が薄いと感じる人が多いようです。

「おいしく作ろうとするとついつい味を濃くしてしまうから。砂糖も塩も多めにしてしまうのですよね」と感想が出てきます。

診察室で「若い女性に寿司めしを作るときの合わせ酢には、お砂糖と酢と塩が入っているので、寿司を食べているときにはご飯にお砂糖をかけていると考えた方がいいですよ」と話をすると「えっ?砂糖が使われているのですか?いつも寿司酢を買って混ぜていますから、お砂糖が入っているという認識はありません」などと答えが返ってきます。

そんな話を紹介しながら出席された方々のご家庭の味を探ってみました。

「卵焼きを作るときに卵にお砂糖を入れますか?」と聞いてみると何人からか当然という顔で手が上がります。その一方で、えっ砂糖を入れているの?という顔も見えます。

時には味噌汁に隠し味でお砂糖が入っているご家庭があったり、酢のものを作るときの
砂糖の量も半端ではないことが分かります。

みそあえにも砂糖が使われていますし、お煮しめにも砂糖やみりんは使われています。そして、その砂糖の使用量がだんだん増えているとどなたもが感じていることが分かりました。

薄い味が素材の味を楽しむのによいと知ってはいても、食べる時には濃厚な味の方が結果的には多くの人に喜ばれているのです。

砂糖の話題だけでなく油の使いすぎにも話は広がりました。
マヨネーズも過去の調理実習できちんと作ってみて、マヨネーズの約半分がサラダオイルで構成されていることを改めて知って使用を控えた方が少なくありませんでした。

サラダに使うドレッシングにも砂糖が意外なほど使われていることや焼き肉のたれの中にも多くの砂糖が含まれていることなども再確認してその日の食事の話は一段落しました。

卵焼き、あえ物、酢の物などは各家庭で調理を担当する母から娘への直伝ですから、家庭の味を教える側にも教わる側にもおいしく作ることと、家族の健康を維持することの両面から味付けを考えなければなりません。

外食や中食といわれる時代に濃い目に調整されている食べ物を標準の味と感じる世代が増えているようです。

健康の基礎はやはり食事ですからもう一度「わが家の味」を考え直してみる必要がありそうです。


『いわみ談話室』より

肺炎球菌ワクチンの予防接種

肺炎の原因の約35%は肺炎球菌という細菌で起こされますこの肺炎球菌の予防接種を行っています。
1回接種をすると効果は5年間持続しますので、インフルエンザワクチンに比べてちょっと値段が高いようでも実際には安くなります。如何ですか?

お値段は松本医院では消費税込みで7,350円詳しくはお問い合わせください。

アメリカでは65歳以上の高齢者、慢性的な心臓病、慢性気管支炎、肺気腫、在宅酸素療法実施者、糖尿病などの人に接種するように勧告が出ています。

第309段:病人が元気を振りまく→患者主導で手作り寄席

「久しぶりにおなかを抱えて笑いましたよ。また来年も楽しみにしています」。
帰りがけにさまざまな方から声をかけていただきました。

平成14年から11月になると益田市横田町の「のぞみの里」で寄席が催されています。
お世話をするのは私の診療所の糖尿病の患者会のメンバーとボランティアスタッフです。
糖尿病の患者会という組織は社団法人日本糖尿病協会の支部組織が各都道府県にありその支部に医療機関や地域ぐるみの会で構成された患者さんや家族と糖尿病の療養指導に関心を持つ人たちの会で、お互いの励ましあいや正しい情報交換の場を持つことを目的にしています。
勉強会も必要ですが、お互いが仲良くなることも大切で、患者会ではバス旅行などのレクレーションなども開催しています。

病気だからお互いが励ましあうだけとか、何かをしてもらう受身の立場から、患者という自分たちのネットワークを活用して行動をしてみようという考えから、以前からバザーを開いたりしていました。
たまたま私が寄席の関係者と知り合うチャンスがあり患者会の方々に寄席のお話を紹介したら「笑う寄席なら楽しいから是非やりましょう。
チケットは患者会でさばきましょう。
受付や接待も患者会の方々で出来ることはやりますよ。」との返事でした。

病気を持つ人が、他の病人や元気な人をもっと元気にするために笑わせるボランティアをする。
こんな考え方で寄席をやろうと決まりました。
落語一つじゃ寂しいから、お囃子(はやし)も実際に説明を聞きながら生演奏してもらい、前座の落語、紙切り、太神楽の曲芸、真打の落語と寄席演芸を堪能してもらおうと、企画しました。

「せっかくだから高座もきちんと作り、本格的にやりましょう」と、とんとん拍子に話は進みます。
ポスターもチケットも患者会の方針を聞いて引き受けてくださる方が出てきます。会場の前のほうは畳を敷いて寄席らしく、会場の後ろのほうは足の悪い人のためにいす子席にしてとみんなで知恵を出し合いました。

1ヶ月ほど前から本格的な用意が始まりました。
整理券は患者会のメンバーにお任せしましたが、またたくまにチケットがなくなりました。

さて当日。
2度目、3度目でも初めてと同じです。
落語協会の関係者が会場に到着し、会場の準備に合格点が出たのでホット一息。

開演1時間前頃からそろそろ人が集まりました。
来場される方の車の誘導や脱がれた靴の整理、会場内の案内は患者会の会員やボランティアの仕事です。
開演の時間には患者会の方たちも入場してみんなで演芸を楽しみました。

大入り満員ですから、隣の人が体をゆすって笑われると自分もつられて笑い出します。
笑いの連鎖反応でどんどん笑いが大きくなります。
高座の上の芸がさらに大きく楽しくなっていきます。
お互いが楽しさを増幅しているのが良く分かりました。
お世話をされた方々の苦労が笑いで消えてゆきます。

患者会や病気を通してお世話される方から、お世話する方に替わることで自分の気持ちは大きく変わります。
今年も秋に開催予定の寄席を成功させるために、病人が元気と笑いを振りまきはじめます。

「笑う門には福来る」

コーヒーにしましょうか?

オランダで行われたコホート追跡研究(医学研究の1種)で、1日に7杯以上コーヒーを飲む人では、7年間で2型糖尿病を発症する比率が1日2杯以下の人のほぼ半分であることがわかった。
コーヒーに含まれるマグネシウムやクロロゲン酸など、カフェイン以外の成分に、糖尿病の発病を防ぐ働きがあると研究グループはみている。
研究結果は、Lancet誌11月9日号に掲載された。
(この雑誌かなり医師の間では評価の高い雑誌で掲載される論文はかなり信頼度が高いと考えてください。ただし絶対ではありません。)

研究グループは、オランダのDoetinchemとMaastrichtに住む30~60歳の、糖尿病にかかっていない男女1万7111人を約7年間追跡。
1日に飲むコーヒーの量と、糖尿病の発症リスクとの間にどのような関係があるかを調べた。
調査対象者は平均して、1日5.2杯コーヒーを飲んでいた。
7年間で2型糖尿病を発症したのは306人。

コーヒーをたくさん飲む人には男性が多く、学歴が低く、太っており、たばこを吸い、お酒を飲み、運動不足の人が多かった。
つまり、どちらかといえば不健康な生活を送っている人が多かったわけだが、2型糖尿病の発症率は低い傾向があった。

そこで研究グループは、たばこや酒、肥満といった、2型糖尿病の発症に影響を与え得る因子でデータを補正した。
すると、1日7杯以上コーヒーを飲む人では、1日2杯以下の人と比べ、2型糖尿病の発症リスクが0.50倍(95%信頼区間:0.35~0.72、p=0.0002)となることが明らかになった。なお、紅茶にはこうした相関がみられなかった。

ちなみに、コーヒーに含まれるカフェインにはインスリン感受性を下げる働きがあり、2型糖尿病の発症を促進し得ると考えられている。
一方、カフェインと並ぶコーヒー2大成分のクロロゲン酸や、コーヒーに含まれるマグネシウムには、糖代謝を改善する作用があることが知られている。

今回の試験では参加者にカフェイン抜きコーヒーを飲む人が少なく、直接的なデータは出せなかったが、他の介入試験結果なども併せ「コーヒーに含まれるカフェイン以外の成分が、2型糖尿病発症を抑制する方向で働いているのでは」と研究グループは考察している。

糖尿病の予防に1日7杯以上のコーヒー、インスタントではもちろん駄目ですね。
7年間著調査ですからね。
様々な情報が流れてきます。
コーヒーが体に悪いという論文は中々見つかりません。カフェインはソフトドラッグに分類される習慣性のある薬物でしたね。いいのか悪いのか、コーヒーを飲みながら考えてみましょう。
(丸ゴシックのところは私の考え、記事の内容は日経モmedwaveからです。)

第307段:「悔いが残る」

午後の診療が終わり診療所の職員が帰り支度を始めたころ、待合室では患者さんの家族二人が相談に来られ私との面会を待っていました。
私は中々終わらない残務整理に一区切りを付け、面会予定時間の少し前に面談の部屋に案内しました。

「今日は、私の都合で夜のこんな時間を面会時間に指定しましてご迷惑をおかけしましたね、ご相談というのは何でしょうか」、娘さんの方から「実は入院している父のことですが、ほとんど呼び掛けても応えないし、ボーッとしているみたいで、だんだん痩せてきまして、食べ物も喉を越しにくいみたいで・・・、それで、鼻から管で栄養液か流動食のような物を入れるか、みぞおちの下の辺りからお腹に穴を開けてチューブを付けて食べ物を入れるかだと言われています。

それに、あの状態だと家にはとても連れて帰られそうにありません。
どこか別の病院や施設と言われても遠い所ばかりで・・・」と話が始まりだしました。

さまざまな不安を抱えて家族で話し合っても結論は出ないので、入院するまで診療していた私のところに相談に来られたのでした。

ほとんど動けない状態に加えて認知症があり、長年連れ合った伴侶も病気がちで介護も十分にできそうもありません。
子供たちは成人していても遠くに住んでいて、介護のための時間や労力も十分に取れない状態となってしまったようでした。
加えて見聞きはしていたものの自分の力で十分な栄養が取れなくなり、管を使っての栄養補給をするかどうかの選択を入院先から迫られているようです。
さてどうしたものかと一緒に考えることにしました。

私自身の考えをご家族に押し付けることはできません。
私自身が経験した患者さんの思い出話を始めました。
管をつけてよかったと喜ばれた家族の話や、初めはつらい思いをしたが、管をつけずに自然に逝かせて良かったとの感想、家庭で介護や看病をすることにした場合に、近所の方や近親者の意見を尊重しすぎて、結局、本人も家族も望まぬ方向での終末期になられた患者さんの話などを、介護保険のなかった時代と最近の状況とを比較しながら紹介してみました。

結局、期待されたような結論は出ませんでした。
「また、皆さんで話し合って、わからない事があったらご相談に来てください。
急いで結論を出す必要はありません。
大切なご家族の今後のことですから、あなた方が迷う間は待てるものなら待ってもらいましょう。
迷っているということは、どちらの方法にも良い点と悪い点があり、どちらを選んでも同じような悔いが残ると感じられるからですよ」

玄関で二人を見送って、暗くなった外の景色を確認して私は残りの仕事に取り掛かりました。


『いわみ談話室』より

第308段:「医療廃棄物」

「先生、その口の中を見るときに使うヘラみたいな棒も使い捨てですか」と足元の汚物入れに投げこんだ舌圧子(ぜつあつし)を見ながら、患者さんからの質問です。
最近は私の診療所でも口の中や喉の診察のときに使用する医療器具は使い捨てになってしまいました。
銀色に輝く消毒済みの金属の冷たい器具が机の上にまとめておいてあり、使用した後は消毒液の中につけてリサイクルというスタイルは消えてしまいました。

私の子供時代の昭和三十年代には父の診察室の隅っこのテーブルの上にある電熱器の上に載せられた煮沸消毒器での消毒でした。
その日に使う注射器や針、消毒した注射器を保管する金属の箱などを毎朝消毒して、同時に消毒したピンセットなどを使ってきちんと並べそれから仕事が始まっていたような記憶があります。

往診に出かける時にはこれまた往診用の注射器の注射器や針のケースを消毒したものを鞄に詰めて、オートバイにまたがって出かけていっていた姿を思い出します。
もちろん注射器はガラス製で何度も消毒して使っていましたし、注射針も同様でしたが、注射針の切れ味が悪くなると父や祖父は自分で砥石を使って研ぎ、時にはメスを研いで下さる職人さんが来られると針などもまとめて研いでもらっていたようでした。
医療器具の精度や安全性は現在と比べると桁違いに悪かったといわざるをえません。

ある日、小さな診察室には煮沸消毒器ではなく高圧蒸気滅菌器と呼ばれる器械が置かれるようになりました。
「これで、安心して消毒・滅菌が出来るようになった」とうれしそうな顔をして父が話してくれた時の顔は今でも覚えています。
当時は煮沸消毒器では完全に病原菌が消毒できないことはわかっていましたが、小さな診療所では消毒する器具の量も少なく大型の高価な機械は買えない時代のようでしたが、やっと小型の器械が発売されて使えるようになったようでした。

今の時代のように、何でも消毒、抗菌グッズが氾濫している状況から考えれば信じられないような医療行為が当たり前でした。
予防接種の針は交換しないでアルコールを含ませた綿の上で軽く拭くだけ、同じ注射器、同じ針で次々に予防接種をされた記憶があります。
当時診察机のそばにはクレゾールの消毒液の入った洗面器があり、時々その洗面器で手を洗い、そばにかけてあるタオルで手を拭いていましたが、いつの間にかタオルがなくなり、ペーパータオルになり、やがて洗面器もなくなり、すりこみ式の消毒薬だけになってしまいました。

ここ数年の「もったいない」とか「リサイクル」あるいは「エコ」の時代に逆行するように医療の世界は過剰と思えるほどの消毒と滅菌そして器具の使い捨て時代になりました。

ピンセットや綿棒、診察ベッドの紙のシーツも使い捨てです。
ガーゼや包帯もリサイクルする手間と安全面を合わせて考えるとむしろ使い捨てた方が合理的という計算です。

診察室や処置室で滅菌された医療器具が袋から取り出されてわずかの時間だけ使用されてゴミ箱や汚物入れに捨てられてゆきます。

貴重な石油資源から作られる注射器や様々なプラスチック製の医療器具、使用後は全て安全のために資格のある廃棄物処理業者を通じての焼却処分となります。

「人の命は地球より重たいからなあ」と思いながら医療廃棄物の箱を眺めています。


『いわみ談話室』より

えーっ!また混乱するよ

2002年7月19日日本動脈硬化学会は「動脈硬化性疾患診療ガイドライン2002年版」を発表しました。
昨年6月に発表された案では高コレステロールの基準値が240mg/dl以上でしたが、従来どおりの220mg/dl以上を高コレステロール血症とされました。
この混乱はまたしばらく続くでしょう。
詳しくはまたお問い合わせください。

基準値が変わるたびに混乱が生じて現場の医師は本当に困っています。
今回の改定での特徴の一つに薬を飲み始める基準が設定されていません。
治療手段はライフスタイルの改善によることを優先させています。
私の個人的な見解ではライフスタイルが変更できなければ積極的に薬物という考え方です。
(もちろんタバコを止めていただくことが基本にあります。このページには余り主観が入らないようにしているのですが、できませんねぇ)

高脂血症診断基準(血清脂質値:空腹時採血)数字の単位はmg/dl

■高コレステロール血症
 ◇総コレステロール---220以上

■高LDLコレステロール血症
 ◇LDLコレステロール---140以上

■低HDLコレステロール血症
 ◇HDLコレステロール---40未満

■高トリグリセライド血症
 ◇トリグリセライド---150以上

第304段:「病気診ずして病人診よ」

「当機は、ただ今からフェアバンクス国際空港に緊急着陸します。

着陸に際して余分な燃料を機外に放出して・・・」との機長のアナウンスを聞きながら、私は患者さんの脈を診ていました。

米国の南東部、ジョージア州アトランタから成田空港への飛行の途中のことでした。
離陸してから数時間後に機内で高齢の日本人女性の気分が悪くなり吐血されました。
診察をしてみると状態は比較的安定していますし、このままの状態が保てればあと10時間ほどの飛行が可能ではないかと判断しました。

患者さんはご夫婦で米国内の子どもさんやお孫さんのお宅を訪問されての帰りで、ご主人もほとんど英語は話せません。
初回の吐血のときに直ぐに着陸して病院へとも考えましたが、言葉の事情や家庭の状況を聞いてみると、できればこのまま日本まで飛んで到着後に病院へと考えたからでした。

患者さんは自分で歩け、会話もでき、痛みもほとんどないので安静を保つように指示して経過をみることにしました。
ところが機内クルーの看護師からの2度目の吐血との連絡で状況が変わりました。
再度診察してみると吐血に加えて下血もあり状態は悪化していました。

機長は米国内の医療センターとの交信で緊急着陸が適切との指示を受けており、私もそれに同意しました。
アラスカ州の北極圏に近い人口3万人ほどのフェアバンクスの町の空港へと決定がされました。

着陸後、救急隊員が機内に入りわれわれと情報交換し、現地の病院での日本語での対応も可能ということで一安心、患者さんとご主人は一緒に飛行機を降りることになりました。

別れ際に「これで治療がちゃんと受けられますから安心してくださいね」という私の言葉に不安そうな表情でしたが、小さくうなずかれました。
ご主人にも「きっと大丈夫ですよ」と声をかけ私の仕事は一応終わりました。

ご夫婦を見送った後に私の頭の中に浮かんだ言葉は「病気を診ずして病人を診よ」でした。

病気を診ることに一所懸命で、病気になった人間を診ているという考え方を忘れてはならない、つまり、病気を治すためという理由で、人間の尊厳を犠牲にするようなことがあってはならないという意味です。

離陸までの給油と機体の整備のわずかな時間の間に、空港職員の許しを得てボーディングブリッジの横のドアを開けて外に出ました。
夕暮れ近くの美しいアラスカの景色が目に入ってきました。
手すりに寄りかかり、少し冷たい風に吹かれながら思いをめぐらせていました。
「少し病人に重きを置きすぎて、病気を軽視して飛行を続けさせた判断は適切だったのか?途中のバンクーバーに降りた方が適切では?」などと、様々な思いが交錯しましたが、私が病気よりも病人の方に重きを置いていた証しだったと確認しました。

今度はこの美しい景色を楽しむためにこの地を訪れてみたいと感じた時、この日の仕事が本当に終わったような気がして私は機内に戻りました。


『いわみ談話室』より

第306段:「ユー メイ ゴー」

「ユー メイ ゴー」という言葉の響きが頭の中に残っています。
昨年11月に和歌山県の高野山大学で開催された「21世紀高野山医療フォーラム」に参加して耳にした言葉でした。

「生と死が手を結ぶ」というワークショップの指導をされた国際コミュニオン学会名誉会長の鈴木秀子先生の口からこの言葉が出てきたときに心のどこかで求めていた言葉だとうれしくなりました。

「薬石効なく、死期が迫り、家族や近親者とも最後のお別れの言葉がすんだら英語ではYou may go.と語りかけ、直訳すれば『あなた行っても良いですよ』ですが、この言葉をそっとかけてこの世からの旅立ちをさせるときに使うのです、ところが日本語では良い訳語がありません・・・」と説明されました。

いつまでも、「死んだらいや」、「もう少し頑張って」と叫び続けられ、苦しそうな表情をされている終末期の患者さんを何度も見ている私には、「あぁやっぱり」と思いだせる場面がたくさんあったからでした。

反対に「長い間ありがとう」とか「よくここまで頑張ったね、楽になってね」というような言葉を聞きながら安らかに息を引き取ったり、ご本人から「さようなら」とか「世話になったね」などと声をかけられて旅立ったという話もいくつか記憶に残っています。

「いつまでも元気でいてね、○○○さん」などという言葉が居室に貼ってあるのを見ると、一体いつまで生きればいいのだろうかと疑問さえわくことがあります。
生きていく先には必ず死がある。
それを無視した言葉のように思えてくるのです。
死という別れは辛いことですし、悲しいことでもありますが、やがては誰もがそれを受け入れなければいけないものです。生きるということの延長線上に死ぬということがあるということを知り、認めようというのもこのフォーラムの目的の一つであると理解しています。

在宅での終末期医療の現場にも高度な医療機器を持ち込む場合もありますが、私は基本的には自分の生きる力で生きていただき、過剰と思えるような医療はできるだけ避けたいと考えています。

しかし、画一的な線引きはできませんから、ご本人や家族と終末期の医療についての話し合いをして、お互いが納得できるように話し合いを持つようにしています。

12月に入り、終末期になった高齢者のお宅に診療に出かけました。
診察をしていると「ユー メイ ゴー」の言葉が頭の中に鮮やかによみがえってきました。

家族と状況についてしばらくお話をした後、私はいったん帰宅しました。
数時間後に、息が切れたとの連絡で再度訪問してみると「先生、苦しまずに逝きましたよ」とのお話でした。

You may go.の英語がどこからか伝わったのでしょうか?


『いわみ談話室』

2002年~2003年のインフルエンザ

2002年6月17日付けで厚生労働省から平成14年度のインフルエンザワクチンの製造株が発表されました。
A型は平成13年度と同じです。
B型はB/山東/7/97です。

 A型株:A/ニューカレドニア/20/99(H1N1)[ソ連型]
A/パナマ/2007/99(H3N2)[香港型]
 B型株:/山東/7/97

ということで昨年の秋にコメントを紹介しましたが、今年も状況的にはインフルエンザの大流行の可能性は低いようです。
繰り返しますが、大流行の可能性は低くても、罹患すれば死に至る可能性のある病気ですので、予防接種はきちんと受けてください。

新種のウイルスが出現する可能性がありますので、まあ「備えあれば憂いなし」の喩えのごとくご用心を。
インフルエンザにかかってすぐ(24時間以内)に受診すれば軽く済む薬もありますので自宅で様子を見たりしないで下さい。

夏の時期から情報を流さないと誰もが知っている知識になりませんね。

第303段:「甘くはないよ」

「さあ、今からお酒を飲みながら話し合いましょう、取り敢えずビールね!」と声をかけたところ、「ちょっと待ってください、僕はビールじゃなくて違う飲み物がいいです」、「あっ、私も苦いビールはお断りなので甘いものに変えさせてください」と様々なアルコール類の注文が出てくる光景が普通になってきました。

私がお酒の席に出始めた40年近く前には、酒の出る席の始まりは必ずといってよいほどビールからでした。
「なんでこんな苦いビールという飲み物の味が年上の人たちはおいしいというのだろうか?」、「この味がわからなければ味覚が大人になっていない証拠なのだろうか?」などと疑問に思っていました。

味覚の発達や味の嗜好についての知識がまとまってきたのは随分時間が経過してからでした。
生まれてきた時からビールのような苦いものが飲めるわけではありません。
最初は母乳やミルクですから温かく人肌の甘いものから口に入り安全な飲み物や味を理解します。
その後に塩気があっても安全な食べ物がわかるようになり、うまみの成分にも舌の理解が進んできます。
さらに酸味なども安全な食べ物と理解することができるようになりますが、小さな子どもたちが炭酸入りの酸っぱいジュースを受け入れるようになるには少し時間がかかります。
さらに苦味においしさを感じるというのが味覚の獲得の最後になるようです。

子供の時から甘いものばかりで、大人の食べ物に挑戦していない子供たちや若い人たちはどうも酸味や苦みが苦手なような印象です。
我慢して食べなくてよい、嫌いなものを無理して食べさせない、嫌いなものは残してよい、というような食事の指導方針が酸味や苦みを知らないで大人になっているのかもしれません。

食育の立場からは過食につながる「食べ残しをするな!」と指導しないようにお願いしていますが、適量をきちんと残さず食べるという考え方は、大人も子供も学ばなくてはならない食べ方です。

大皿に盛り付けられて自分が好きな量だけ食べられるブッフェスタイルの食事は便利なようですが、結果として何をどのくらい食べればよいかを学べません、酸味や苦味に挑戦するチャンスも失わせているのです。
きちんと一人前の食事の中に大人の味覚への挑戦部分を入れ、本当の食卓の姿を教えていないのではないでしょうか?

昔ながらの苦いビールやぷんと鼻につく熱燗のお酒などは子供に簡単には覚えられない苦手の味でした。
しかし、最近のアルコール飲料を眺めてみると、ジュースと間違えるようなデザインの容器に甘くて飲みやすい飲み物となってしまっています。
のどが渇いてうっかりジュースと思って飲んだらアルコールが入っていたというような経験をされた方も少なくないと思います。

甘くて飲みやすいアルコールが飲酒の低年齢化に拍車をかけています。
子供へのアルコールは厳禁です。
酸味や苦味がきちんとわかるようになって大人になってほしい気がします。

世の中甘くはないのですよ。


『いわみ談話室』より

第305段:「正確に名乗れぬ就学児」

「おなまえは?」と聞く私、「はなちゃん!」と答える女の子、「えーっとね、ちゃんとお名前を言ってください」と言うと、「はな」、「あのね、先生の目を見てあなたの上の名前と下の名前を言ってみてください」とお願いしても、「はな」。
「・・・あっ、じゃあいいですから、今から胸の音や心臓の音を聴きますよ」。

昨年秋の就学時健診の時の会話です。

4月から小学校に入学する子供たちの健診では、学校医として子供たちと目線を合わせ、挨拶して、名前を言ってもらってから、聴診器をあてての診察が始まります。

きちんと大人と目線が合わせられない子、自分の姓名が言えない子などに出会うと、聴診器をあてる前に心身の発達などで、何か問題がありそうな子ではないかと疑わせます。

冒頭の子供の名前はもちろん仮名ですが、私の感覚からすれば、「石見太郎」とか「益田花子」と答えてもらいたいわけですが、ここ数年は「たろくん」とか「はな」というような答えが返ってきます。

今回の健診では十人に一人以上の子供が初回の「おなまえは?」の問いかけに姓名をきちんと名乗ってくれませんでした。
ほとんどの子供は改めて名前を聞くときちんと答えられるのですが、中には前述のように2度、3度と言葉を変えて質問しても、同じ答えしか返ってこない子もいました。

保健室に入ってきた子どもたちが自分で服を脱いだり着たりする姿も見ていましたが、時間がかかる子供が増えてきた印象です。
上着やシャツを脱いで、必要以上に丁寧にたたんでいる子もいれば、バサッと脱ぎ捨てて脱衣カゴの中にたたきつける子、2枚まとめて裏返しに脱いでそれをひっくり返して着るのに悪戦苦闘している子、脱いだり着たりが遅れて泣きべそをかく子、他人に関係なくマイペースを保つ子など、個性豊かな?集団です。

初めての小学校での経験で慌てていたり、緊張していたのかもしれません。
説明を聞いて前の人がやっているようにまねるということも苦手な子が増えた印象です。徐々に手のかかる子供が増えていて、学校の先生は大変だなあという印象は年々深まります。

上半身を脱いでの診察は一人一人のプライバシーが保たれるついたての中での健診です。
骨の変形や体の動き、虐待や自傷行為の傷跡も見落とさないようにしなければなりません。
短時間で心も体もチェックをするわけです。

秋に行われる就学時健診は、教育委員会側の特別支援の必要な子供たちに対する設備や人員配置の問題もありますが、親にとっても小学校に入学するまでに健康や発育・発達などに関して考える機会でもあります。
必要な再検査や予防接種などがあれば全てを済ませ、余裕を持って入学式を迎えさせてほしいのです。
それにしても、改まった場所で名を名乗る。目線を合わせて挨拶をするなどの基本的な日常の礼儀作法はいつ、どこで、誰が、どう教えるべきものなのでしょうか?


『いわみ談話室』より

麻疹(はしか)ワクチンの接種を!

最近になって日本小児科医会や日本医師会から麻疹(はしか)ワクチンの接種キャンペーンが始まりました。
日本では1年間に約80人が麻疹(はしか)で死亡しています。
日本の麻疹の予防接種は対応が甘く、米国では日本が麻疹を輸出していると名指しで非難されています。

私の知る範囲では米国在住経験者の数名から、米国では麻疹の予防接種が済んでいないと学校に入学できないという規則があると教えていただきました。
またフランスからは麻疹を含めて指定された予防接種の済んでいない子供は学校だけでなく保育園や幼稚園への入園が許可されず、児童手当の給付もされないのだそうです。

フランスでは国、米国では州の予算で実施されているようです。
(日本では地方自治体が勝手に値段を決めて、熱心なところとそうでないところが別れています。)
日本以外の先進国では国民を病気から守るために国がどのような社会保障政策をとるかという点できちんと税金でさせるというところが確立されています。

諸外国の予防接種のプログラムと日本のプログラムを比較すると日本のプログラムは貧弱な点が指摘されています。先進国では麻疹や風疹、おたふく風邪は2回接種するのがあたりまえです。
(日本は1回がままならない。)

日本の麻疹の予防接種は7歳6ヶ月までに受ければよいとなっていますが、麻疹にかかる子供の大半は2歳未満ですのでお誕生日がきたらすぐにお誕生祝いとして接種すべきだと考えている小児科医が多いのです。

はしか(麻疹)は昔やったことがあり自然に病気になったほうがしっかり免疫力がつくからいい」と話される方がありますが、それは誤りです。

脳炎や脳症の発生率は
  自然感染が1000人から2000人に1人
  ワクチン接種後の発生が1000万人で3人です。

予防接種を副作用で嫌われる方がありますが、この差を見てもまだ予防接種をしないといわれますか?

年間80人もの子供の命を奪っているはしか(麻疹)の対策に協力してください。
子供を見たらその保護者に「はしかのワクチンは済んでいますか?」と聞いてください。
1歳になっていない子供の保護者にあったら「お誕生日が過ぎたら麻疹のワクチンをしなければいけません。
日本では年間80人もの子供が死んでいる病気です。」とアドバイスしてあげてください。
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taijindo

Author:taijindo
島根県益田市にある松本医院(内科・小児科・アレルギー科)の院長です。

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